在宅での生活を支えるのが訪問看護師。求人を見てみると、思いがけず時給が良いものに出会うこともあります。給料が良いことは働くモチベーションにもつながりますが、注意が必要なこともあります。今回はそんな訪問看護師の給料と仕事の関係についてご紹介します。
訪問看護は増加傾向!復職にも有利!
訪問看護師で求人募集を探してみると、たくさんの求人を見つけることができます。また都会でも地方でも在宅診療を受けながら生活している人が増えているので、それを支える訪問看護師も増加傾向にあります。
訪問看護師は、常勤だけでなく、非常勤看護師の募集が多いというのが特徴です。そのため常勤で勤めていた病院から転職をしたいというとき、また子育てで潜在看護師であったけれど復職したいというときに選ばれることが少なくないのです。
実際に求人募集を見てみると、その給料、時給の幅が大きく違うことに気が付くのではないでしょうか。なぜここまで違うの?と疑問に思うでしょう。実はその給料と時給の記載にはちょっと注意が必要です。
給料、時給が良いということは、即戦力を求められる
誰だって給料が良いと、その求人募集に惹かれますね。同じ時間働くなら、少しでも給料が良いところのほうが絶対に良いと思うはずです。しかし実際は、給料が良いということには理由があるのです。給料が良いと、人材が集まってくると考えるのは事業所も同じ。
そして集まってきた人の中から、即戦力のある人を選びたいと思っているのです。即戦力がありすぐに訪問看護師として活躍できる人は、当然その報酬は高くなるはず。そこで始めから高めの給料設定にしてあるのです。
給料が高い=所長候補?
私は訪問看護師として勤務していますが、ほかの訪問看護ステーションのトラブルで所長が退職し、管理者不在の危機に陥るといういうケースを何度か見ています。
その時には、早急に所長候補となる人を見つけなくてはいけない、そして訪問看護ステーションを存続させなければいけないと悪戦苦闘するのです。そうでなければ利用者宅の訪問ができなくなりますし、利用者が路頭に迷うといった状況になりかねないからです。
しかし所長候補になる人というのはそう簡単には見つかりません。
どこからか引き抜きたいと思って声をかけても、断られるケースもあるのです。その理由は、訪問看護ステーションの所長は負担が大きいからなのです。夜間の待機電話はスタッフが交代で持つことがほとんどですが、あまりスタッフがいない訪問看護ステーションの場合、また子育てなどで昼間は勤務できるけれど、夜の待機はできないという人も多いので、スタッフ数はいても待機ができる人が少ないという状況があるからなのです。
そうすると夜間の待機はほとんど所長が対応するというところも少なくありません。緊張感や疲労が蓄積し、所長業務に疲れを感じる人も少なくありません。そこで退職という選択をする人もいるのです。
所長が不在になった訪問看護ステーションでは、緊急で求人募集を出します。当然すぐにでも人材を見つけたいので、魅力ある給料を提示し人材を集めます。また所長候補を見つけるため、役職や仕事の負担を考慮して給料は高く設定しています。
もしも訪問看護師になりたいと求人を探している人は、給料の良しあしだけを考えるのではなく、実際にどのような働きが求められているのかということをよく理解して選ばなくてはいけません。
給料が高いのは、研修費用やスキルアップのための勉強費用が含まれていることもある
訪問看護師は、さまざまな知識を持っていることが重要です。
もちろん仕事でかかわったケースに対応することで少しずつ学んでいくこともできますが、率先して勉強や研修に参加することを求められるという場合があります。通常研修などに参加する費用はその勤務する事業所から補助が出ることが多いです。しかしながら、事業所によっては研修などは自己負担とするところもあるのです。
つまり研修は強制ではないけれど、やはり知識を深めるためには率先して参加することが重要。しかしその参加はあくまで自分の意志で選択するものなので、研修費用は自己負担とするところもあるのです。研修の内容によっては、他県に行って受けるようなものもあります。また数日間に及ぶ研修もあります。主催する団体が大きくて、有名な講師を呼ぶ場合には、研修費用も高いときもあります。
給料が良いというものには、このような研修費用は自分で出すためにあらかじめ高く設定されているところが少なくありません。また研修費用が自己負担になるかというのは、実際に勤務してみなければわからないことです。そのため後で勉強をしたいけれど、研修費ばかりがかかって困ると後悔する人も少なくありません。
給料が高いところは、評価も厳しい
給料の良いところに入職することができたから安定した生活ができると喜んでいる人もいるでしょう。しかし実際に給料が高いところは、評価も厳しいということを覚えておきましょう。つまり即戦力としては能力が足りない、また利用者からのクレームが多い場合には、せっかく転職したけれど解雇されることもあるということを知っておくべきなのです。
実際に事業所では、転職してきた人がどのような人かを知るために試用期間を設けているところも少なくありません。
実体験では、この3か月の間に利用者からのクレームが複数件あり、注意を受けたけれど改善することができなかったため、解雇されたという人もいます。そのように、給料が高いところは、評価が厳しいということをしっかり意識しておくべきなのです。必ずしも高い能力が必要なわけではありません。社会人として当たり前のマナー、対応、接遇などができ、経験を積みながら訪問看護師として成長していくことができたらいいのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。給料が魅力的な求人は惹かれますが、訪問看護師として転職するときにはちょっと注意も必要です。実際に公開されている求人内容だけでは、その仕事内容や求められることなどわからないこともあるため、疑問に思ったことは面接で質問するなど、今後の参考にしてみてください。
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