看護師の仕事は日勤や夜勤があったりなかなか休めなかったり、子育てと仕事は両立できないと考えてしまいます。しかしママさん看護師でも働きやすい職場であれば働き続けることが可能なのです。
この記事ではママさん看護師の働き方や転職について詳しく解説します。
ママさん看護師の働き方とは
ママさん看護師の働き方とは、子どもの体調の変化や行事を優先しつつ無理なく働くということです。
例えば「子どもが急に発熱し保育園に行けなくなったら」、身近で見てくれる人がいない場合は休まざるを得ないでしょう。
子どもを優先できず無理をして働き続ければ後悔し、自分の心と体に大きなストレスがかかるのです。
その結果休むことが困難な職場では継続して働けなくなってしまいます。
実際厚生労働省では看護師の離職理由について以下のように調査しています。
<離職理由>
30代 1位結婚 2位妊娠出産 3位子育て
40代 1位子育て 2位結婚 3位妊娠出産
参考:厚生労働省「看護師等(看護職員)の確保を巡る状況」
結婚や出産など人生の転機で仕事を変えなければならないのは、決して理想的な働き方とはいえません。
ママさん看護師の働き方とは、子どもや自分自身の笑顔を守るために必要な方法といえるでしょう。
では必要な方法がどのようなものなのか詳しく解説していきます。
ママさん看護師が働きやすい職場とは
ママさん看護師が働きやすい職場とは、子どもの体調の変化や行事などに柔軟に対応できる職場です。
そのために必要なことは以下の3つです。
・勤務時間
・職場人数
・就業者の年代
ひとつずつ詳しくみていきましょう。
勤務時間
看護師の勤務時間は病院の規模や働く場所によって様々ですが、子育てと仕事を両立させるためには一番大切かもしれません。
ママさん看護師が働きやすさを求めるときには、以下の内容について考える必要があります。
<勤務体系と働きやすさ>
・日勤のみ:昼間保育園に預けることができる
・夜勤もあり:夜間に子どもをみてくれる人が必要
・平日のみ:イベントにかぶることは少ない
・土日祝日もあり:運動会などのときは調整が必要
その他にも緊急で患者さんが来院するような救急体制のある病院であれば、時間通りの帰宅は難しいかもしれません。
また病院によっては残業が多いこともあり、働きやすい職場について考えるとき勤務時間は大切な指標です。
職場人数
職場に看護師がどのくらい足りているかという職場人数も重要です。
なぜなら子どもの体調不良で自分が抜けたとき、仕事が回るかどうかは職場の人数によるからです。
現場では常に看護師不足が叫ばれていますが、看護師の就業者数は増加しています。
厚生労働省の調査によると2011年の看護職員全体は139.7万人であるのに対し、2020年には173.4万人となっているのです。
看護師の就業者が増加している実感はほぼないかもしれません。なぜなら看護師の需要は高まっており、今後高齢化社会が進めばさらに深刻化するからです。
働きやすい職場を考えるときに、職場の人数がどのくらい満たされているかは重要なのです。
参考:厚生労働省「看護師等(看護職員)の確保を巡る状況」
就業者の年代
職場の就業者の年代も働きやすい職場に大きく影響します。なぜなら職場の看護師の年代が偏っていてママさん看護師が多ければ、交代できるメンバーが限られてしまうからです。
職場の就業者の年代はバランスが良い方が、お互いに協力体制を整えることができるでしょう。
もちろんママさん看護師ばかりが休んでしまうわけではありません。
親の介護が必要な年代の方や慣れない仕事に体調を崩す若い年代の方もいるのです。
お互いが大変なときに助け合える環境こそが、働きやすい職場といえるでしょう。
ママさん看護師におすすめの転職とは
現在の職場での継続が難しいときに転職を考えるでしょう。
ママさん看護師におすすめの職場は以下の3つです。
・訪問看護
・クリニック
・健診センター
それぞれの特徴を含めて詳しく解説します。
訪問看護
訪問看護は今後の高齢化社会に向けてさらに需要が高まるといわれています。
訪問看護がママさん看護師におすすめの理由は、訪問が決まっていてスケジュールが立てやすく残業が少ないからです。
厚生労働省は高齢者の増加について、2025年には75歳以上の高齢者が全人口の18%で2055年には25%を超えると予測しています。
国民の4人に1人が75歳以上となったとき、在宅での生活を含めて支援していかなければなりません。
今後の需要の増加を考えると訪問看護の世界は知っておきたい世界といえるのです。
実際の仕事内容はどのようなものなのでしょうか。
・血圧や体温、酸素飽和度などのバイタルサインチェック
・服薬管理
・排便コントロール
・点滴や尿道カテーテルなどの管理
・入浴介助や足浴などの清潔ケア
・癌の疼痛コントロール
・褥瘡や傷などの処置
・医師や関係機関との連携
・本人や家族の療養相談
在宅でできることには限界があります。そのため病院で培われた技術があれば不安はないでしょう。
大切なことは、在宅での生活を頑張っている本人と支える家族の気持ちに寄り添うことです。
訪問看護師として重要なことは、介護の辛さや苦しさを理解して助けることではないでしょうか。
それは家族を支え日々を乗り越えているママさん看護師に向いているかもしれません。
もちろん訪問看護も緊急で呼ばれることはあります。
そのため働くときに「常勤かパートか」「緊急対応はあるのか」について検討してください。
訪問看護は、ママさん看護師が子育てと仕事を両立できる道といえるのではないでしょうか。
参考:厚生労働省「今後の高齢者人口の見通し」
クリニック
クリニックがママさん看護師におすすめの理由は、緊急対応が少なく時間が規則的だからです。またクリニックによっては、夏休みなど長期で休むことがあるため旅行などの予定も組みやすいでしょう。
クリニックの業務内容はどのようなものなのでしょうか。
・診察の介助
・採血や健診の介助
・問診
・患者様の案内
・検査の介助(レントゲンや超音波など)
・処置(傷の処置など)
・インフルエンザなどの予防接種
・他院紹介時の手配
・検査やお薬の注意などの説明
クリニックの業務は病院の看護業務とは違い、大きな病院内の必要なこと全てを行うイメージです。
例えば物品の注文や検査出しなど、大きな病院では役割を担う人がいる業務も自分たちで行います。
クリニックに通院する患者様は、何年も通院していたり症状の出始めで通院したりするので緊急の対応は少ないです。そのため日々の仕事が規則的であり、慣れてしまえば自分のペースで仕事を進めることができます。
またクリニックは「土曜日が半日で日曜日と祝日はお休み」のところが多いので、家族と予定が合わせやすいのも特徴です。
ただクリニックによっては看護師の数が少ないところも多いため、看護師ひとりしかいないということのないようリサーチすることが大切です。
できれば子どもが小さいうちは、パートとして働く方が子育てと仕事を両立しやすいかもしれません。
クリニックはママさん看護師にとって、業務内容や勤務時間など安定した職場といえるでしょう。
健診センター
健診センターがママさん看護師におすすめの理由は、内容が規則的で時間も決まっているからです。
健診センターはその名の通り健診を受けるために元気な方々が来る場所です。そのため緊急対応はなく、業務内容も決まっています。
健診センターの業務内容はどのようなものなのでしょうか。
・身長体重や血圧などの測定
・採血
・診察案内
・心電図
・視力や聴力検査
・検査後の事務処理
採血や血圧測定などは共通ですが、健診センターの規模によっては業務内容が違うのでどのようなものになるかは確認してください。
基本的には残業は少なく定時で帰れるところが多いです。また業務内容も限られているので、覚えてしまえば新しいことへのストレスは少ないかもしれません。
健診センターは場所によって就業者の年代が偏っていることもあるので、得られる情報は事前に収集しておきましょう。
業務内容に対するストレスが少なくてすむことは子育てを優先させるうえで重要です。なぜなら母親の精神状態は子どもに大きく影響するからです。
健診センターは子育てを優先しやすい職場といえるかもしれません。
まとめ
ママさん看護師が子育てと仕事を両立させられる働きやすい職場とは、子どもの体調の変化や行事を優先しつつ無理なく働ける場所です。
勤務時間や職場人数などしっかり検討し、協力体制の整った職場を探しましょう。
大切なことは子どもや家族、そして自分自身が笑顔でいる方法を考えるということです。
自分の中で何を優先するべきか、自分に合った方法を見つけてください。
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