「メモの魔力」というビジネス書に記載されている「自己分析1000問」は就職活動の自己分析に有効とよく言われています。看護師になるときにも役に立つのでしょうか。この記事では「自己分析1000問」の概要と有用性・注意点について詳しく解説します。
#「自己分析1000問」とは?
「自己分析1000問」とは「メモの魔力」という前田祐二氏が手掛けたビジネス書の特別付録です。メモの魔力は「メモ」を有効活用するための方法や、メモを取るメリットなどを詳しく解説しています。メモは看護師が働く上でも重要とよく言われているので「メモの魔力」を読むこと自体はプラスになります。ただ、就職活動を目の前に控えているときには「自己分析1000問」の方に興味を持っている場合が多いでしょう。
自己分析1000問は自己分析に役に立つ1000個の設問をリストアップした付録です。看護師に限らず、就職活動をするときに自分を見つめ直すのに有効な質問がまとめられています。自己分析は自分に問いかけをして自分自身を理解していくのが基本です。「自己分析1000問」はそのツールとして活用できます。
#看護師は就職活動で「メモの魔力」は読む効果は?
「自己分析1000問」は「メモの魔力」の特別付録なので、使うためには本を買わなければなりません。せっかく買ったなら「メモの魔力」も読んだ方が良いのではないかと思う人もいるでしょう。看護師が就職活動をする際に「メモの魔力」も読むと何か良い効果があるのでしょうか。実はかなり幅広く役に立つ効果があるので紹介します。
・アイデア創出の方法としてのメモの使い方をマスターできる
「メモの魔力」ではアイデアを生み出す力を育めるのがメリットです。アイデアは就職活動でも、看護でも重要になります。どんなアプローチで自分をアピールしたら良いかを考えるにも、患者にどのような看護をしたらベストかを考え出すにもアイデアが必要です。「メモの魔力」はメモを取って活用することで、知的生産をするためのノウハウを書き綴っています。メモによるアイデア創出の方法をマスターできるので、就職活動にも就職後の仕事にも有効活用できる知識を身に付けられるでしょう。
・抽象化して広く活用できる思考力が身に付く
抽象化する思考力を身に付けられるのも「メモの魔力」を読む効果です。抽象化とは具体的な事例から一般化して使える事柄を選び出すことです。看護師にとっては欠かせないスキルで、ある患者の事例から他の患者の看護に応用してより良い対応をできるようになる基礎と言えます。「メモの魔力」を読むと具体的な事実を抽象化して理解し、転用する考え方を習得できるでしょう。就職活動でも選考で落ちたときに事実を認識し、問題だった点を抽象化して次の選考に生かすのに使えます。
・役に立つメモの取り方がわかる
メモを活用する方法の細かなポイントを知ることができるのは「メモの魔力」を読む効果です。メモを取っても結局は見返すことがなくて意味がないと思っている人もいるでしょう。その原因は意味があるメモを取っていないからです。「メモの魔力」では「左のページに事実を書いて、右のページに抽象化した内容を書く」といった意味のあるメモを書くためのノウハウを紹介しています。事実を書くときには日付のメモを忘れないようにすることや、打ち合わせなどでは要約を書くことなどのさまざまなアプローチを書き綴っています。看護師が就職活動で施設情報を調べてメモを取るときや、面接で聞いたことをメモするときにも有効活用できるノウハウです。
・5W1Hの意味を理解して活用できる
5W1Hと言われるWhat、Why、When、Where、Who、Howは質問をする際にも、事実を分析するときにも重要な視点です。「メモの魔力」では特にWhat、How、Whyについての重要性や使い方を詳しく理解できるメリットがあります。事実を抽象化してメモするときには、事実が何なのかを具体的に言語にしなければならないのでWhatという問いを自然に必要とするでしょう。事実を抽象化した後、転用して使うためにはHowとWhyの二つの問いが欠かせません。特に看護では原因がなぜなのかを考えるWhyのプロセスを通して、多くの症例に応用できるようになります。この感性を身に付けることで看護師としての人材価値が高まり、就職活動で選ばれる人材になれます。
#「自己分析1000問」を使うべき?
「メモの魔力」を読むだけでも看護師の就職にはプラスになります。本を読むだけにとどまらず、「自己分析1000問」も使うべきなのでしょうか。自己分析をして自分を見直すのは就職活動で重要なポイントです。「自己分析1000問」を使って自己分析をするのは自分への問いかけを通して強みや弱みを理解したり、適性を知ったりするのに有効でしょう。
ただ、必ずしも「自己分析1000問」を全部回答すれば良いというわけではありません。使ったからといって自己分析ができて就職活動で成功できるとは限らないので注意しましょう。「自己分析1000問」を使わなくても冷静に自分を見つめられる人もいます。自分を客観的に説明できないと思ったときには「自己分析1000問」を使うのがおすすめです。
#「自己分析1000問」を使うときの注意点
「自己分析1000問」を看護師が就職活動に生かすには何に注意したら良いのでしょうか。成功を勝ち取るために必要な注意点を解説します。
・1000問をすべて使うのは合理的ではない
「自己分析1000問」の問いにすべて答えるのは合理的ではありません。単純に考えて、1問あたり3分の回答時間がかかったとしたら、全部の設問に答えるのに3000分、つまり50時間もかかります。設問はYes・Noで答えられるような簡単なものではなく、「コンプレックスだったことは?」、「あなたの信念は何か?」といったオープンクエスチョンです。1つの質問に答えるのに10分以上かかることも珍しくありません。すべての質問に答えていたら日が暮れてしまうので、どの設問に答えて自己分析をするかを考えることが重要です。
・看護師にとって有益な設問ばかりではない
「自己分析1000問」から設問を選び出すときには、看護師にとって有益なものを探しましょう。すべての設問が看護師の就職活動の役に立つ自己分析に直結するわけではありません。また、「40代の年収は?」といったように30代以下の人には該当しない設問もあります。いらない設問は積極的に除外するのが重要です。自己分析によって自分の何を知りたいかを考えて、目的意識を持って設問を選ぶと「自己分析1000問」を使う意味が大きくなります。設問は非常に広い範囲にわたっていて、看護どころか就職とも軸がずれているものもたくさんあります。まずは設問を見て、意味のなさそうなものは排除していくのが効果的な使い方です。
・答えをまとめて集計してから分析する
回答する意味がありそうな設問をまずはマーキングをしていきましょう。そして、ピックアップが終わったら設問に答えていき、一通り答え終わってから自己分析を始めるのが効果的です。一つずつ丁寧に分析をしているといつまで経っても終わらないからです。ピックアップするだけでも数時間くらいかかってしまうこともあります。せっかく選んだ設問を通して自己分析をする機会を失わないように、まずは回答をやり通しましょう。そして、結果を集計してみて、あらためて自分がどういう人なのかを考えてみるのがおすすめです。回答はすべて言葉でメモにしていき、後でまとめてチェックできるようにするのが大切です。
まとめ
就職活動のときによく話題になる「自己分析1000問」について詳しく解説してきました。「メモの魔力」を読むメリットと「自己分析1000問」の使い方がわかったでしょうか。看護師が就職活動で使うとプラスになるのは確かです。自己分析をして就職活動を進めつつ、就職できたら看護師として成長できる下地を作るためにぜひ活用してみてください。
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