恐ろしいアナフィラキシーショックのアセスメントと対処について 

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#2096 2023/02/10UP
恐ろしいアナフィラキシーショックのアセスメントと対処について 
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看護師として救急の場面に立ち会う時、とても緊張します。その時、どんな対処をしたらいいのでしょうか。その時、しっかり対応したいですね。ここでは、抗生剤投与によりアナフィラキシーショックを起こした患者さんの対処についてお話します。

・患者の既往歴を確認する

入院している患者さんの場合は、カルテにより既往歴の確認を行います。入院してくる患者さんの中には既往歴として、アナフィラキシーショックを起こしていることもあるからです。その場合は、患者さんの話した内容となりますがそのことで嘘をつくことは無いので信用できます。
ほとんどの病院などでは、患者さんがアナフィラキシーショックを起こしたことがある場合は、カルテにわかりやすいように記載されています。それは、とても重要なことだからです。その症状が起きることにより、命の危険もあります。直ぐに対処することが必要となるので、医療者は全員把握することが必要です。
カルテを見て、何により患者さんがアナフィラキシーショックを起こしたことがあるのか確認をします。そしてその後に、どのような状態となり処置を受けたのか可能な限り情報収集を行います。

・アナフィラキシーを起こすことを前提でアセスメントする

入院をしてくる患者さんの場合、抗生剤の輸液などを行うことがあります。手術を受けることを前提としている場合は、必ず抗生剤の輸液を行います。その場合、緊急に手術を行う時、より注意が必要です。それは、情報収集として不十分な状態で行うこととなるので、時間をかけて観察を行うようにします。
入院をしてくる患者さんの場合は、患者さんがアナフィラキシーショックを起こすかも知れないことを前提として、アセスメントをします。そして、抗生剤を初めて15分はしっかり観察を行います。

・抗生剤は侮れない

抗生剤の内服の場合は、少しずつ体内に吸収されるので、そんなに緊迫した状態になることがありません。しかし抗生剤の輸液の場合は、短時間で体内に入ることになるので重篤な状態になることもあり注意が必要です。
患者さんの意識のあるときには、患者さん自身が少しおかしいことが起きていると異常について訴えることができますが、意識がない場合や朦朧としている場合は、訴える事ができずより危険です。抗生剤の輸液を投与する事により、患者さんがアナフィラキシーショックをおこし血圧が急激に下がることもあります。抗生剤の輸液は、どこの病院でも実施しています。その時、患者さんがアナフィラキシーショックを起こすことを前提でいつも緊迫感を持ちケアと観察を行うことが大切です。

・観察

患者さんが抗生剤の輸液を開始すると、その後に観察を行います。観察としては、まず皮疹が現れることがあります。早い人では、直ぐに見られることがあります。皮疹が見られた場合は、抗生剤の輸液を投与したことにより、アレルギー反応として現れた可能性が高いです。そして掻痒感もあるので、患者さん自身に確認をします。
また、ショックの前段階としてバイタルサインの異常を示すことがあるので何か症状がある場合は直ぐに測定します。その時、普段の血圧よりも低くなっている場合は要注意です。そのままどんどん低くなることもあります。そのようになると、ショックを起こしていることになります。
そしてショックを起こす前段階として、喉の違和感があります。喉が痒い、圧迫している感じがある、咳が出る、なんとなく息がしにくい等です。その場合も、ショックを疑います。

・異常の早期発見

抗生剤の輸液を開始して、大体15分経過したあたりからアレルギー反応が起きると言われています。そのことから、できるなら患者さんのそばで15分の観察を行うようにします。
しかしずっとついていらないこともあるので、患者さん自身に意識があるようなら輸液により副作用として見られる症状を伝えて、異常がある場合はナースコールをしてもらうようにします。
しかし急激に患者さんがアナフィラキシーショックを起こすこともあり、可能な場合はそばで観察を行う事がベストです。処置室等、誰か看護師や医師がいるところで実施することが望まれます。
また患者さんがアナフィラキシーショックを起こしたことがある場合は、必ず15分間そばで観察を行います。

・医師に報告する

患者さんがアナフィラキシーショックを起こしそうとアセスメントをした場合は、直ぐに医師に報告をします。その時は、緊急性を伴うので直ぐに報告をすることが大切です。急激に血圧が低下して、意識がなくなります。医師が駆けつけるまで、救急蘇生を実施する事もあります。医師が観察をして、処置をする場合もあります。

・緊急性のアセスメント

抗生剤を投与して、緊急性のある場合とない場合があるのでそのアセスメントが重要です。皮疹だけなら、輸液を中止するだけでおさまることもありますが、全身に抗生剤が行き渡っている場合は、かなり重篤な症状が見られることもあります。
血圧低下とともに、喉頭浮腫により息ができなくなります。その時には、呼吸を確保する必要性があるので挿管の準備を行います。
全身状態として、その他にも嘔吐や下痢を起こすこともあります。嘔吐が見られることもあるので、そばにガーグルベースンなどを準備しておきましょう。

・救急カートの準備

病院では、必ず救急カートを全部署で設置しています。そして緊急時は直ぐにそれを使うことができるように、点検が行われています。そのため、緊急時にショックを起こした時に使える薬剤はその中に準備されています。
その薬剤について、看護師はしっかり把握しておきましょう。ショックの時には、アドレナリンの投与を行います。それを直ぐに準備できるように、薬剤の位置等を把握しておきます。
救急カートについては、いろいろなところに配置していることがあります。大体処置室に配置していますが、重篤な患者さんがいる場合は、その病室の中に配置していたり、前に配置していることもあります。そのため、どこにあるのか常に確認をしておきましょう。

・処置の介助を行う

患者さんがアナフィラキシーショックを起こすと処置がなされます。その時、まず呼吸の確保をします。呼吸ができていない場合は、気管内挿管が行われます。看護師は、医師の介助をスムーズに行うことが必要です。
また、医師が到着する前に看護師が出来ることとして、抗生剤の薬剤を中止します。それは、看護師がまず最初に行います。中止をするアセスメント瞬時に判断することにより、患者さんのその後の状態が変わっています。その時のアセスメントは、とても重要です。

・応援要請

医師の処置が行われる時が夜勤帯の時には、夜間などは人員が少なく手が足りないこともあります。その場合は、その部署以外の所からの応援が必要となるので応援要請を実施します。それは、その患者さんに対してできる限りのパフォーマンスで、違う部署にも応援してもらい救急処置を行う事になります。病院では、コードブルーとしてそのコードブルーを放送する部署に連絡をして放送を依頼します。すると、全館に応援を要請することができます。応援要請により、夜間でもしっかりと対応できます。

まとめ

いかがでしたか?患者さんがアナフィラキシーショックを起こした時、まさかこんなことになるなんてと思うこともあります。しかし年に一回あるかないかのことでも、可能性としてゼロではない限り、いつも準備をすることが大切です。看護師の観察と、アセスメントの判断により患者さの命を守る事が出来ると思い、抗生剤の輸液がある場合は、緊張感をもってケアをこころがけましょう。

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