日常の勤務の中でよく遭遇する技術や、対応のなかでもっとうまくできたらいいのになと思うことはありませんか。
私も新人の時にはたくさんありました。わからないことや、うまくできなかった事に対しては何とかしようと頑張ってきました。上司や、患者様から色々な経験を経て学んだコツなどをお教えしたいと思います。
1日がバタバタしない時間管理について
まず、情報収集をしっかりしましょう。
カルテをみて1日のうちにどんな処置があるか、状態の変化はないか。採血や検査データはどうかなどを見てトータル的に患者様を判断して対応します。
そして、1日のスケジュールを立てます。先にできることは先にしてしまいましょう。急変などもはいることがありますのでできるだけ時間の余裕ができるように動きましょう。
また、困ったときには1人で対応せず先輩方に頼ってもいいと思います。患者さんの命が一番です。
心電図の読み方について
循環器病棟では心電図は必須です。読めないのは死活問題になります。
ただ、心電図を不得意とする看護師さんも多いと思います。コツはひとつです。
教科書と違い様々な病気の患者様がおられるのでとても勉強になります。波形については専門書に書いてありますので触れませんが、根気よく毎日みて勉強し、わからなければ先生に教えてもらってもいいと思います。
採血やルート確保について
私の病棟では毎日採血や、ルート確保がありました。
また、循環器でしたので、むくみがひどい方や脱水の患者様もおられてルートが取りにくい場合もしょっちゅうありました。
ルート確保する際、まずは、自分の中で静脈がどのように通っているのかイメージをつけておくべきです。
駆血帯でしめたあとは3本の指で血管を触ってください。そして、血管の走行をみてください。
少し触って逃げる感じや、関節の部分は避けましょう。
見える血管であってももろい血管もありますので弾力感を確かめます。また、血管が見えない場合はイメージした血管走行に従ってどれくらい深く刺せばいいのかを考えてルートを確保します。
深く刺す場合は針を鋭角にして刺します。そして、血液がルート内になかなか戻ってこない場合はあまりぐりぐりせず、潔く諦めて他の血管を探すようにしましょう。
また、血管を探す時は患者様も不安に思うことが多いです。できるだけ不安にさせないよう声掛けを忘れないようにしましょう。
吸引の方法やコツについて
気管吸引や口腔、鼻腔の吸引がありますが、痰や誤嚥した食べ物などを取ることを目的としています。
吸引する際は解剖生理を頭に入れておきましょう。
吸引チューブは15-20㎝を目安に挿入にします。そうしないと気管支分岐部まで挿入してしまい危険です。意識のある患者様に対しては鼻腔からの吸引のほうが楽です。口腔から吸引すると嘔吐反射を誘発することが多いためやめてあげてください。
鼻腔から吸引する際は鼻の奥をきつく刺激しないよう軽くチューブをもって鼻の奥の鼻腔に入るようにします。入りにくい場合は無理にチューブを押し進めてはいけません。鼻腔の感触を診ながらゆっくりチューブを進めます。口腔内にとぐろを巻いていないか気を付けます。顎先を挙上するとチューブがはいりやすいです。
1回の吸引は10秒以内にしましょう。看護技術で習っているとは思いますが基礎看護に従って吸引しましょう。
医師の介助について
私の病棟では、中心静脈のルートをとったり、胸腔穿刺、心嚢穿刺、オペ後の傷の処置、急変の対応など医師の介助をすることはたくさんありました。
医師の介助をする前に必ず各処置の勉強をしておきましょう。
- 何のために行うのか
- 処置が行われている際に気を付けることは何か
清潔、不潔の管理、処置自体は医師が行っても、患者様の状態を見るのは看護師だということを忘れないようにしましょう。
それを踏まえた上で医師の介助は、先を見通して行います。
処置をする前に準備をすべてしておく。すると慌てなくて済みます。また、医師が処置の前にガウンなどを着ることが多いですので清潔処置には気を付けましょう。
その後は医師によってやり方が違いますのでどんな先生か把握し、よく日頃からコミュニケーションを取っておくことが大切だと思います。次に何が欲しいのかなどを把握して用意していくと医師もやりやすいです。患者様の状態を見てよく声をかけるようにしましょう。
コミュニケーションについて
病院にはたくさんの患者様が入院してきます。
しかし、共通していえるのは病気を治療するために病院に来られているということです。症状だけでなく、入院や症状に対する不安ももっておられます。全身を使って患者さんの状態を診るようにします。
話に耳を傾け、体の状態をみて、心に寄り添うようにコミュニケーションをとるようにします。病棟での勤務は忙しいですが、ポイントをついてコミュニケーションをとりましょう。
ほとんどの方が人生の先輩ですので看護師としてたくさん学ばせていただく気持ちで接していくとよいでしょう。しっかり話を聞きたいときは患者様と同じ目線に座り、落ち着いた環境で話を聞きましょう。
目を合わせて、うなずきや、相槌、笑顔を忘れないようにこちらもゆったりした気持ちでコミュニケーションをとります。また、オウム返しなども有効です。こちら側があなたの話を理解していますよと気持ちを表現することも大切になってきます。耳の聞こえにくい患者さんへは低めの大きな声で会話をしましょう。
わかりやすいために、NGなポイントもあげておきます。
腕を組んだり、上から見下したり、貧乏ゆすり、時計を見るなどは患者様に嫌な印象を与え、コミュニケーションを拒絶されてしまいます。自分の印象を客観的に見てコミュニケーションを見直してみてもいいかもしれません。
また、患者様の家族とのコミュニケーションも大切です。小児科となれば患者様と同様に心のケアが必要になります。どのような治療を行うのか、これからの予定や症状についてなどできるだけ詳しく話してあげるとよいと思います.家族は患者様と同様に不安を抱えていることを忘れず接するようにしましょう。
まとめ
どうだったでしょうか。誰でもはじめはできなくて当たり前です。ただ、コツさえ分かればできることも多いです。まずは、自分に自信をもって、焦らず落ち着いて患者様に接するのが一番です。また、わからないことは分かりませんということも大切です。日々患者様からたくさんのことを学ばせていただく姿勢で仕事を楽しく、誇りをもって看護師を続けていってほしいと思います.
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