看護師が転職するときにはアセスメントについて転職後に苦労する場合があるので注意しましょう。何が原因で転職したときにアセスメントで苦労することになるのでしょうか。この記事では転職によるアセスメント方法の変化についてわかりやすく紹介します。
#看護師は転職するとアセスメントの方法が変わる
看護師は転職して違う職場で働き始めると看護アセスメントの方法が変わります。同じ系列の病院に転職したときには、同じ方法で看護アセスメントをしている場合もあります。しかし、転職すると今までと同じように看護アセスメントをできないことが多いので注意が必要です。新しい職場の看護アセスメントのやり方を覚えて慣れることが求められます。
#看護アセスメントの職場によって違う点
看護アセスメントは職場によってどのような点に違いがあるのでしょうか。転職してギャップを感じやすいポイントから順番に見ていきましょう。
・看護アセスメントに用いる理論
看護アセスメントは看護理論や看護モデルに基づいて情報の収集や整理をしたり、分析や考察をしたりするのが一般的です。職場によって中心的に用いられている理論が異なっています。ヘンダーソンの基本的欲求はよく用いられている理論ですが、職場によってはゴードンの機能的健康に関する理論を優先して情報を整理することもあります。他にもロイの適応モデルなどのさまざまな理論があり、同じ職場でも部署によって優先する理論が異なっている場合もあるのが現状です。
看護アセスメントに使用する理論は取り扱う疾患や患者によって適切なものが違います。特に総合病院から専門病院への転職、クリニックから病院への転職といったときにはギャップを感じることが多いでしょう。
・看護アセスメントのフォーマット
看護アセスメントをしたら記録を残すのが一般的です。アセスメント記録を入力するフォーマットは職場によってかなり違います。システム化が進んでいる現場では、患者の検査結果や問診内容などについては自動入力されます。しかし、データ共有システムが運用されていない現場では、個別に情報を収集してフォーマットに入力することが必要です。基本的な検査項目は疾患領域が同じなら似ている場合が多いですが、患者へのヒアリングの内容などの看護に特化した個別項目は施設によって大きく異なります。手入力しかない場合もありますが、該当事項と非該当事項をチェックして特記事項を手入力するというフォーマットも多くなっています。入力の必須事項を埋められるように看護をする必要もあるため、フォーマットに慣れるまでは苦労が絶えないでしょう。
・看護アセスメントの評価
看護アセスメントはチェックや評価の対象になります。今までは看護アセスメントシートを入力したらそのまま保存するだけで良かったのが、転職先ではシートを入力した後に上長に送って承認を得なければならない場合もあります。看護師長や看護主任などによる評価を経て、最終的には給与や配置などに反映されるというのが一般的です。このような上長確認がなくなることもあります。上長確認による評価は、自分が実施した看護アセスメントの正しさや合理性を確認する上で役に立ちます。転職して上長から評価してもらえなくなったのが不満になっているケースもあるので注意しましょう。
#看護師が転職後にアセスメント方法に慣れるポイント
新しい看護アセスメントの方法に慣れることは看護師が転職後に活躍するために重要です。ここでは転職した看護師がアセスメント方法に慣れてスムーズにできるようにするのに必要なポイントを紹介します。
・面接の時点で確認する
看護アセスメントに使用されている理論について面接の時点で確認しておくことがまず重要なポイントです。看護師にとっては自分が持っている看護観で働ける職場かどうかを見極めることにつながります。今までヘンダーソンの理論を使わない職場で働いてきて不満を持っていたという場合には、ヘンダーソンの理論を軸にしている職場の方が馴染みやすいでしょう。しかし、ヘンダーソンの理論は自分の看護観には合わないと思っているなら、転職先でも他の看護理論に基づいて看護アセスメントをしているのが理想的です。面接の時点で看護観やアセスメントの考え方について質問して、納得して看護の仕事ができる職場を選びましょう。
・新しい理論は勉強しておく
看護アセスメントに使用する理論について転職先に相談したときに、知らない理論が登場することもあります。その場で看護理論の説明をしてもらうこともできますが、「不勉強でよく知らないので勉強してきます」という話をした方が好印象でしょう。新しい理論は勉強し、自分の看護観に合うかどうかを見極めることが重要です。面接で初めて知ったときには概要を勉強してから入職を検討しましょう。
・最初はきちんと教わる
新しい看護アセスメントの流れは入職した時点で教わりましょう。今までとは違うのを前提にして話を聞くと受け入れやすくなります。看護アセスメントが看護過程の流れの中で、情報に基づく分析をするステップということはどの職場でも同じです。具体的なやり方が違うだけなので、必要なデータの収集方法やフォーマットの入力方法などの職場ごとに違う部分を丁寧に説明してもらいましょう。入職したばかりのときにはわからないのが当然なので、同僚も上司も丁寧に教えてくれます。
・アセスメントの時間を十分に確保する
看護アセスメントをする時間がないとなかなか新しい方法に慣れられません。最初のうちはできるだけ時間を長く確保して、納得できるまで丁寧にアセスメントをしましょう。他の看護師が作ったアセスメントシートを参考にしながら進めたり、情報を整理しながら不足しているデータを探したりして、自分なりに納得できる形に仕上げることが重要です。看護アセスメントのために残業をしたくないと思う人も多いでしょう。慣れればスピーディーにアセスメントを進められるようになるので、転職直後は少しくらい残業をしてでも丁寧にアセスメントをすることがおすすめです。アセスメントの時間を確保できないときには上司に事情を伝えて、時間を取れるように業務の割り当てを調整してもらうこともできます。
・アセスメント方法の改善を提案する
今までの職場でおこなってきたアセスメント方法と比較して、転職先のアセスメント方法に不満がある場合もあります。患者に対して今までの方法と、現職での方法でアセスメントをしてみると、以前の方がより良い計画を立てられるというときもあるのは確かです。現場に倣ってアセスメントをするのがベストとは考えずに、改善できるところを見つけて提案していきましょう。自分の看護観として受け入れられないという理由ではなかなか上司も納得してくれません。客観的に見てこのアセスメントの方が優れているという説明をすることが大切です。実際に自分が担当している患者に対して二通りのアセスメントをして比較した結果を示すとわかりやすいでしょう。特に小さな施設ではアセスメントの方法を細かく吟味していないことがよくあります。以前の職場で使っていた方法を提案するときっと喜ばれるでしょう。
まとめ
転職先では看護アセスメントの方法に違いがあって、なかなか慣れられないこともあります。看護師が転職するときには面接のときにアセスメントの理論ややり方について質問して不安をなくしておきましょう。入職したら同僚や上司からやり方の説明を受けて、最初のうちは十分に時間を使って看護アセスメントに取り組むのがおすすめです。
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