看護における行動のアセスメントと刺激のアセスメントとは?

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#2500 2024/03/14UP
看護における行動のアセスメントと刺激のアセスメントとは?
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看護アセスメントでは行動のアセスメント、刺激のアセスメントというキーワードがよく登場します。職場によってはそれぞれのアセスメントについてのレポートが求められることもあるでしょう。この記事では行動・刺激のアセスメントについてわかりやすく解説します。看護師にとってスキルアップになる内容なのでしっかりと理解して活用してください。

#行動のアセスメントと刺激のアセスメントとは?

行動のアセスメントと刺激のアセスメントとはアメリカのシスター・カリスタ・ロイによって提唱されたアセスメントの視点です。シスター・カリスタ・ロイは修道女としても看護師としても活躍していますが、ボストン大学で看護学部教授として教育も担っています。「カリスタ・ロイの適応モデル」と呼ばれる看護過程の基礎理論の一つを提唱したことで有名で、ボストン大学特別教育賞やアメリカ看護アカデミーの伊Bingレジェンドの称号の授与などを受けています。
シスター・カリスタ・ロイは看護を4つの環境適応様式に基づいて、患者が適応するように促し、非適応にならないように働きかけることを重要と考えています。このカリスタ・ロイの適応モデルにおける看護アセスメントのあり方は2つに分類されていて、行動のアセスメントと刺激のアセスメントと呼ばれています。この2つのアセスメントに基づいて看護過程を進めることにより、患者の適応力を促進させることが看護の役割と提唱しています。

#シスター・カリスタ・ロイの4つの環境適応様式

シスター・カリスタ・ロイの4つの環境適応様式は看護アセスメントをする上で理解しておくと役に立ちます。シスター・カリスタ・ロイは人を適応システムとして捉えて、4つの適応様式を持つ生物と見ています。
現代では必ずしもカリスタ・ロイの適応モデルに基づいて看護過程を進めるわけではありません。しかし、カリスタ・ロイの理論には本質を突いている部分があります。看護アセスメントをする上で有用な考え方なので、4つの適応様式について理解を深めておきましょう。

・生理的様式

生理的様式とは人がもともと持っている体の基本的な機能や作用です。人は呼吸をして必要な酸素を取り入れ、不要な二酸化炭素を排出しています。心身の機能を維持するための栄養を取り、心身を活発化するための運動をしたり、疲れた身体を休めるための休息や睡眠を取ったります。心身の機能を維持するには内分泌を適切におこない、体液の状態も良好に維持することが必要です。生理的様式とはこのような人間にとって本来的に必要な基本機能を指します。生理的様式は人が生きていく上で欠かせない観点です。もし病気によって適応できなくなっている場合には看護や医療によるケアが必要になります。

・自己概念様式

自己概念様式とは個人の心についての自己認識を指します。患者が自分自身の状況についてどのように捉えているかと言い換えることもできます。自己概念様式は身体的自己と人格的自己に分類することが可能です。身体的自己は病気などによって自分の心身に起きている変化についての認識を指します。人格的自己とは患者が持っている信念や願望、不安や心配などの感情的な面が該当します。自己概念形式は患者の心理的状況によって大きく変化するため、看護師にとっては日々のケアを通して注意する必要がある概念です。

・役割機能様式

役割機能様式とは社会における人の立場や役割のことです。人は年齢や婚姻状況、子供の有無などによって、社会的にやらなければならないことが生まれます。患者は病気によって必要な役割を果たせなくなっている場合があります。看護では役割機能様式についての広い視点でのケアが必要です。病気で身体機能が低下したために仕事ができなくなってしまい、家族を養えなくなってしまうこともあります。その心理的負担が病状を悪化させることもあるため、役割機能様式の適応力が損なわれているときには心身のケアが必要です。

・相互依存様式

相互依存様式とは家族などの近しい間柄の人を中心とした人間関係のことです。人は相手を理解して尊重して良好な関係を築いたり、人を愛して恋に落ちたりするなど、他の人との関係をうまく樹立することによって生活を豊かにしています。相互依存様式は他の人と適切なコミュニケーションを取る能力や意思にかかわる点です。患者は容態によっては話をするのが難しくなったり、援助を受けることを拒んだりする場合があるでしょう。人は本来は自分が幸せに生きていけるように適応できる力を持っています。相互依存様式の適応力が失われているときには、看護によるサポートが必要になります。

#行動・刺激のアセスメントと適応様式

シスター・カリスタ・ロイの4つの適応様式に基づいて生み出されたのが行動のアセスメントと刺激のアセスメントです。看護過程において看護診断を通して看護計画を立て、看護介入をする上で基本になるのがアセスメントです。シスター・カリスタ・ロイは看護アセスメントを行動のアセスメントと刺激のアセスメントに分けることで、アセスメントの目的をわかりやすくしています。

・行動のアセスメントとは

行動のアセスメントとは患者の行動を看護師が観察したときに、4つの適応様式に分類される行動がどのようにおこなわれているかを見ることです。トイレで排泄できない、痛くて夜も眠れない、気力が低下して仕事ができない、自分の容態が不安で家族に助けを求められないといった問題をアセスメントします。そして、4つの適応様式について適応力があるかないかを判断するのが行動のアセスメントです。
行動のアセスメントで適応力が損なわれている部分が看護の対象として重要になります。

・刺激のアセスメントとは

刺激のアセスメントは患者の今後の看護を考える上で、どのような刺激が効果的なのかを見極めるアセスメントです。患者に看護介入をするときには患者自身に行動を起こさせることが重要な場合があります。逆に患者が容態を悪くするような行為をしている場合には、その行為をするきっかけになっている刺激を分析して対策することが必要です。
シスター・カリスタ・ロイの刺激のアセスメントでは焦点刺激、関連刺激、残存刺激に分類して分析します。焦点刺激とは直接的な刺激で、家族に怒られた、検査結果が悪くなったといった内容が典型的です。看護師の視点でも患者に影響を及ぼすことが容易に類推できるのでわかりやすいでしょう。
関連刺激は直接的な刺激でないものの、行動を誘発することに寄与する刺激を指します。例えば、子供が受験で志望校に合格できなかった、同じ病気を患っていた友人が退院したといった話を聞いたことで、容態が悪くなる場合があります。
残存刺激は焦点刺激と関連刺激として定義した内容だけではわからない要因です。患者の心のあり方によって変わることもあります。治療結果が医師としては良好だと思っていても、患者本人としてはもっと良くなるはずだと思っていて結果に愕然とすることがあります。このような医療関係者と患者の認識違いによって起こることが多いのが残存刺激の特徴です。
刺激のアセスメントによって抽出された刺激が、ケアを必要とする対象として重要です。刺激を妨げるか、刺激に対する理解を変えさせる働きかけをする看護が必要になります。

まとめ

シスター・カリスタ・ロイの提唱する適応モデルに基づく看護理論を解説してきました。行動のアセスメントと刺激のアセスメントの意味を理解できたでしょうか。看護アセスメントの視点の持ち方として、行動・刺激のアセスメントは有効です。アセスメントをどこから始めたら良いかわからないと悩んできたなら、まずは行動と刺激のアセスメントから始めてみましょう。

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