大学病院の看護師はどのようなイメージでしょうか。厳しいイメージ、難しいイメージ、あまり良いイメージはないかもしれません。大学病院の看護師として10年間働いた私の体験を元に、大学病院で働くにはどうしたら良いのか、実際大学病院とはどのようなものなのかをお伝えできればと思います。
看護専門学校の新卒から10年間大学病院の看護師として勤めた私の経験談をお伝えしたいと思います。
私は幼いころからずっと看護師を目指していました。
看護師を目指す理由は人それぞれたくさんあると思いますが、私が看護師を目指した理由は身近な家族が倒れた時に、私が何か対処をして助けたいからという理由でした。
幼いころから内気で少しこけただけで周りを気にして顔を赤らめるようなタイプの人間でしたが、看護専門学校で暗黒時代を過ごし、大学病院で働く中でとてもメンタルの強い人間になりました。両親からは本当に性格がかわったなと言われるぐらいです。
私は私立大学病院付属の看護専門学校に入学し、新卒で大学病院で働くこととなりました。
三人の子どもを育てながら、10年間働き引っ越しを機に退職しました。
それではまず、大学病院の看護師になる方法をお伝えします。
大学に入学するのも一つの方法ですが、国公立大学はまずそれなりの偏差値は必要です。また私立大学は学費が高額です。金銭的に裕福であれば私立大学なども良い選択かと思いますが、コストを抑えてでも大学病院で勤務したいという方には大学付属の専門学校がとても良い選択になると思います。一般的には付属の大学病院への就職がほとんどかと思います。また就職して3年間勤務するという約束で学費が免除されるなど、とても待遇が良いです。
教科書代などはそれなりにコストがかかりましたが、学費が圧倒的に安かったため、とても助かりました。
実際、私の看護学校の生徒のほとんどが附属の大学病院に就職することができました。私は小児に関わりたかったため、面接で小児科を希望していることを強く伝えると、希望通り小児科に配属されました。
10年間小児科勤務をしましたが、とても充実した看護師人生でした。大学病院で働くことができてとても良かったと思いますし、後悔はまったくありません。
しかし、今は附属病院があるからといって、全員が付属の大学病院に就職できるわけではないようです。実際に成績が思わしくない生徒、テストをよく落としている生徒、実習があまりうまくいっていない生徒は、附属病院であるにも関わらず、面接で不採用になっていました。それを聞いた時はとても驚きました。実習も当然ながら附属病院で行うため、面接で不採用にされるなんて思ってもいませんでした。
だからといって、怖がることはありません。
看護学生時代には、遊びは全て捨て、まじめに全力で実習、勉強をしてください。
一生懸命、まじめに取り組んでいたらまず大丈夫です。
看護師は憧れの職業であったり、収入が良いイメージがあったり、職には困らないため、希望する人もとても多いと思います。
しかし、専門学校の看護学生生活は甘くはなく、想像以上にとても厳しい世界でした。何度もやめたいと弱音をはいたこともありましたが、同期と支えあいながらなんとか乗り越えることができました。
人の命を預かるため当然といえば当然なのですが、ストレスも半端なかったです。実際看護学生時代を振り返ると、それは地獄のような戦いの毎日でした。
実習の髪型は黒髪のお団子、スーツを着て軍隊のような生活をします。初めは、授業にも余裕がありましたが、実習が始まると睡眠時間も極端にとれなくなります。鬼のような課題を夜中まで行い、テスト勉強も遅くまで。泣をながらテストを受けたこともありました。実習記録を記載しながら、朝を迎え、ほとんど寝ていない状況で学校へ行き、今日の目標を記載し、いざ実習場所へ。優しい看護師さんは今はいるのでしょうか…。私が学生だった頃は挨拶をしても返してくれない、何を聞いても無視するなど、看護師はみんな鬼に見えていました。
そんな中で生活していたためか、メンタルが弱かった私はとても強くなりました。
看護師は気の強い人が多いと言いますが、みんな実習でメンタルを鍛えられているのかもしれません。
大学病院で働くには何が重要でしょうか。これはどこの病院でも共通するかもしれません。
特に大学病院は様々な科、多職種が入り混じる場です。院内もとても広く、迷路のようで道に迷うこともしばしば。
学校でも実習先でもずっと強く言われていたことは、報告連絡相談がいかに重要であるかでした。当時は少し遅刻しただけ、少し報告が遅れただけ、相談せずに少し自己判断してしまっただけと思っていましたが、これが医療事故の元になることを現役看護師になり、思い知りました。大学病院で看護師として働き、報告連絡相談がこんなにも重要であるのか、実習ではとても大事なことを教えてくれたのだと、怖かった先生たちにとても感謝しました。そのため、看護学生であっても看護師に重要なことはきちんと報告連絡相談ができるかだと思います。大学病院の看護師になる方法は、きちんと報告連絡相談ができることです。これができれば大抵のことは乗り越えられます。
さて、大学病院の実際はどのようなものなのでしょうか?
大学病院では本当に様々な経験をすることができます。クリニックではできない経験もたくさんできます。私が2年目の夜勤の頃、患者やが急変必死に蘇生を行い、患者は助かりました。まさか二年目で心臓マッサージをすることになるとは思いもしませんでした。
大学病院の給料ですが、私立大学の基本給はそこまででもボーナスが高額なことが多い印象です。友達などと比べても比ではないぐらい高額でした。また大学病院は委員会や研修、看護研究などがとても充実しており、もれなくついてきます。このような活動が好きな方には向いているかもしれません。気になる医者と看護師の関係ですが、とても仲の良い病棟、険悪な病棟、病棟によって全然違いました。残業なども病棟によって違います。ほとんど定時に帰宅できる病棟もあれば、夜の10時ぐらいまで残業している同期もいました。また大学病院の病棟勤務には夜勤は必須です。1年目の夜勤では怖い先輩の鬼のような指導があったので、全く眠れない夜勤の紐ありましたが、身体はとても元気でした。2年目になると余裕が出てくるので、看護師として働くことがとても楽しくなってきます。夜勤のシフトに入ることができるようになると夜勤明けの次の日が休みであるため、休日は体感的にとても多く感じます。20代のうちは夜に働いても平気で夜勤明けでテーマパークに遊びに行くなど、とても充実した日を送っていました。しかし、子どもを産み育てていく中で、夜勤明けは寝ずにはいられなくなり、とても辛くなってきました。実際年配の看護師は夜勤明け疲労困憊状態でした。まだ若いうちに大学病院の看護師として働くことを強くお勧めします。また新卒で大学病院で働くと新人研修という手厚い研修を受けることができるため、とても良い機会になると思います。
大学病院の看護師の年齢ですが、ほとんどは若いですが、やはり看護師長、看護主任になると30~50代ぐらいが多い印象です。
だいたいは3年間大学病院の看護師を続け、そこから自分にあった道を選ぶ人が多いようでした。
大学病院で3年間働いたあとは、結婚、妊娠、出産、クリニック、美容系、全く違う業種、そしてなぜか多い海外留学など、道はさまざまでした。
また大学病院はクリニックなどと違って人がとても多いため、病気や家族の都合で休んでも、大抵代わりの人がいます。
そのため、子育てをしながらでも比較的穏やかに勤務できていたと思います。小さなクリニックなどはなかなか代わりの人がいないため、大変と聞きます。
私は3人の子どもを育てながら大学病院の看護師として働いてきました。しっかりと産休・育休をとることができるのも、大学病院の看護師の良いところかもしれません。
1年間しっかりと子育てをさせてもらい、また現場に戻るということで、とてもメリハリがつきました。
また大学病院の看護師は子育てをしている人も多く、保育園問題もあるかと思います。保育園に預けられないとそもそも看護師として働くことは難しいですよね。
大学病院では大抵は、院内保育があるため、子どもを病院の側で預けることができます。そのため保育園探しに苦労することは少ないでしょう。
その点も他の病院と比べて、とても良い利点かもしれません。
また大学病院は新卒が多く、若い看護師、医師もとても多いです。そのため、飲み会などもとても楽しく、いろいろな業種と出会うことになります。
薬剤師や専門の技師、理学療法士など何百人、何千人の人がいるため、たくさんの出会いがあります。たくさんの人と出会いたい、いろんな交流をしたいと思っている人にも大学病院の看護師はぴったりであると思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか?大学病院で働くことのイメージが少しできたでしょうか。
ひとまず、コストを抑えて大学病院の看護師になるには、大学病院付属の看護学校を選びましょう。
そして、看護学生時代には、遊びは全て捨て、まじめに全力で実習、勉強をしてください。
また社会生活でもそうですが、看護学生であっても看護師に重要なことはきちんと報告連絡相談ができることです。大学病院の看護師になるには報告連絡相談がしっかりとできることが重要ですので、忘れないでくださいね。大学病院の看護師として働いた日々はとても充実しており私にとって一生の宝物です。皆さんも是非大学病院で笑顔で明るい看護師になってくださいね。
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