介護施設のお年寄りの採血のコツについて 

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#1089 2020/05/28UP
介護施設のお年寄りの採血のコツについて 
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介護施設で働く看護師の仕事の一つに、採血があります。その時、病院の患者さんの採血とは、少し違った注意が必要となります。ここでは、その違いについて紹介します。それを知って、上手に速やかに安全に採血ができるようにしたいですね。

・採血指示を確認する

採血を行う場合に、最も重要なこととして医師からの採血指示をしっかり確認をすることです。その指示が誰のものであるのか確認をします。その後に、どんな内容であるのかできたら複数で確認をするようにしましょう。そして採血指示に従い、必要なスピッツを揃えます。採血指示では、必要な採血項目によりスピッツが変わります。そのため、違うスピッツに採血をしてしまうと、また取り直しが必要となることもあるのです。スピッツが正しいものを揃えているのかなども、複数で確認をするようにしたいですね。

・採血物品を揃える

採血をする場合に当たり前の事として、それに必要な物品を揃えるところから始まります。
採血物品として、まず注射針があります。注射針の場合は、お年寄りを採血するので複数の注射器と注射針の準備をしましょう。それは、なんといっても一回で採血できないことがあるからです。お年寄りのベッドサイドなどにいって、その後に失敗をして注射器や注射針を看護師の詰所に取りに帰ることになると、かなりの時間のロスとなってしまいます。またその時、採血を実施するタイミングを失ってしまうこともあります。そこで、採血の針と注射器は余分に準備をして採血が必要なお年寄りのところに行くようにします。すると,そんなロスタイムやタイミングを失うことがありません。
そして次に、アルコール綿、駆血帯、トレイ、採血後の針を入れる容器、スピッツ、血糖測定器等を準備します。
そして採血を行う前には、手洗いをしておきます。手袋をして採血を行うのですがそれでも清潔な手で行うことが重要です。

・採血前に採血を行うことを伝える

お年寄りは、耳が聞こえにくい人が多いので大きな声でしっかりとそのことを伝えるようにします。伝えることにより、お年寄りに協力をしてもらうことができるからです。動かないようにしてもらうことが,とても重要です。いきなり採血を実施すると、びっくりして暴れる人もいます。そのときは、せっかく採血がうまくいっていても取れなくなることもあるのです。必ず、そのことを伝えてから実施をするようにしましょう。

・できれば二人で実施する

病院の患者さんの場合は、採血を実施するときに動く人はほとんどいません。小児の場合は、動くことがあるので一人が腕等を固定して、もうひとりが採血を実施することになりますね。その小児と同じように、お年寄りの場合は急に動き出すことがあるので、二人で実施すると安心して採血を実施することができます。看護師がいない場合は、介護士さんに協力をしてもらって動くお年寄りの場合は実施するようにしましょう。

・採血部位は固定しやすいところにする
採血をする時に、固定をしやすい部位にすると安定させて実施することができます。もしも固定をしにくい部位である場合は、介助をしている人に固定をしてもらったり、下にタオルを敷くなどして安定した状態にします。安定していることにより、採血を実施するときに血管を逃すことが少なくなります。

・駆血帯は服の上から行う

採血を実施するときに、必ず必要なものとして駆血帯があります。駆血をして、速やかに採血部位を見つけるためにも重要ですね。その時、通常はそのまま上腕などに使用することが多いです。
しかしお年寄りの場合は、そのまま使用して駆血をするのではなく服の上から駆血をするようにしましょう。服の上からすることにより、皮膚に内出血を起こすことを防ぐことができます。お年寄りの場合は。とても肌が弱いです。ちょっとしたことでも、よく内出血をしてしまうことがあります。そんなことになったら、大変ですね。そこで、服の上から実施することにより、それを防ぐことができます。

・採血時に注意をすること

採血をする場合に、通常の場合と違う事として直ぐに血液の逆流が見られないことがあります。それはお年寄りの場合は、脱水傾向にあるのでそのことから血管内からひける血液が少ないのです。そして逆流があったとしても、その後に血液が引けないこともあります。その場合は、直ぐに注射器を引くのではなくゆっくりと引くことが大切です。ゆっくりと引くことにより、血管の中にたまっている血液を少しづつ引くことができるからです。いきなり強く引くと、引けない場合が多いです。そのことを頭において、実施をするようにしましょう。

・採血後は速やかにスピッツに入れる

採血を実施後は、速やかにスピッツに血液を入れるようにします。通常よりも、採血に時間が掛かってしまうことがあるので溶血を心配するからです。血液が溶血をしていると、検査データを正確にだすことができなくなります。スピッツに速やかに血液を入れることを心がけましょう。

・採血後はしばらく止血を行う

採血を実施すると、その行った部位についてしばらく止血を行うようにしましょう。それはどの人を実施した後でも必要とされることですね。しかしお年寄りの場合は、特に注意をするようにします。それはなんといっても、その後に出血をしやすいからです。出血をすることをふせぐために、止血を行い止血がされていることを確認するようにしましょう。
お年寄りの場合は、色々な薬を服用していることが多いです。その時、出血傾向のある薬もあるので、その人は特に注意が必要です。出来たら日頃から,どんな薬を飲んでいるのか、きちんと把握をするようにしたいですね。

・採血後にベッド周囲を確認する

採血後は、ベッド周囲を確認するようにします。それは、採血物品を置き忘れていないか確認をすることが重要なのです。採血物品をそのままにしていると、その物品がリスクになってしまうからです。体の下に敷き込んだりすると、たちまち怪我をしてしまうことになります。お年寄りは、ちょっとしたことで怪我をしてしまうことになるので要注意です。持参した物品を、きちんと持ち帰るようにしましょう。
特に危険とされるのは、注射針です。注射針は置き忘れることがまずありませんがその後に確認をします。また駆血帯も、鋭利な箇所があるので置き忘れに注意が必要です。そして注射器のキャップなども、必ず持ち帰るようにしましょう。
お年寄りの中には、認知症の人もいます。その人は、自分のベッド周囲にあるものについてとても興味を示すことがあるのです。万が一注射器のキャップなどを置き忘れているとそれに気づき口に含むことも考えられるので注意をしましょう。

・採血が終了したことを伝える

採血後は、お年寄りに対して採血が終了したことを伝えます。無反応である場合も、そのことをきちんと伝えるようにします。無反応である場合でも、理解している場合があるからです。人として尊厳した態度で接することが重要なのです。

・採血後は手を洗う

採血をしたあとは、当たり前の事ですが手を洗うようにします。自分が気づいていない部分に、血液が付着している場合もあるからです。そのことから、自分の手をしっかり洗うようにしましょう。

・安全に後始末を行う

これも採血後に、とても重要なことです。採血後の針の始末、血液などで汚染されたものの始末などを実施します。針の場合は、採血後に針刺しを予防するようなものもありますが、ない場合は注意が必要です。採血をしたあとは、ホッとした感じになり気持ちが緩みがちです。そのことから、後始末まで気持ちを緩めないようにしましょう。

まとめ

いかがでしたか?採血を行うときに、いろいろなことを注意しないといけないと思うとより緊張をしてしまうこともあります。採血を行うときは、看護師がリラックスをすることも重要です。安全確認をしながら、緊張しないようにリラックスすることも心がけましょう。回数を積み重ねることで、コツがより理解出来るのでそのことも頭においておきましょう。

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