普段の忙しい業務の中、コミュニケーションは非常に大事な場面になってきます。患者さんの中でも気難しい方や子供たち、患者さん以外でも他職種のスタッフとのコミュニケーションなどもあります。もしかしたら、働いているときの一番のストレスはコミュニケーションがうまくとれないことなのかもしれません。実際に私がそうでした。ここではそんな私が克服した方法や経験をこちらでご紹介して少しでもお役に立てればと思います。
看護のなかでコミュニケーションをうまくとる方法!
看護の中では様々な患者さんとコミュニケーションを取りますが、患者さんの特徴に合わせたコミュニケーションが大切だと思います。
気難しく何を考えているかわからない患者さん
私が一番心がけていることは、その方の日常に踏み込んだ会話をすることです。
仕事や趣味、スポーツを聞く中でどれか1つは本人に当てはまるものがあると思います。そこから会話を広げていくことがコツだと思います。そして、次回来院された時にその会話の続きをすることです。自分のことを覚えてくれているという印象を持ってもらうためにも、いつも症状や薬のことだけを効くのではなく、その方の日常生活の1つに興味を持って会話をすることが大切かと思います。
また、もう一つ心がけていることが、表情をよく観察することです。
このような患者さんは実は気難しいのではなく、緊張してうまく話せない方もいらっしゃいます。その時は会話だけで判断せず、普段の待合席での表情などをよく観ておくと普段との違いがわかることがあります。患者さんが病院に入ってきた時点で顔や雰囲気などをよく観察しておくと、会話のきっかけや言葉からは伝わらない小さな変化などを感じることができると思います。これはとてもむずかしいことだと思いますが、これを普段から意識して仕事をするかしないかで自分の視野の広さが変わってくると思います。
いつも怒っている患者さん
まず、一番大切なのは冷静でいい続けることです。自分もイライラしたり反論したくなる気持ちは非常に良くわかります。しかし、それではいつまで立ってもこの関係性は変わりませんし、逆効果になることがほとんどです。何に対して怒っているのかを考えましょう。怒っている内容の根本を探スノがコツです。怒るには必ず理由があるはずです。
私の場合、患者さんが怒っている内容をいつも書き留めておきました。
そうすると、根本の理由が共通していることが多くあります。例えば、長い待ち時間=自分の生活スタイル、ルーティンをくずされたくない方=趣味やスポーツなど何に興味があるのかを理解しておく=怒っているときの対応時に謝罪の上、その方の趣味の話などに話を広げ、理解している印象をもってもらうことにつながります。
患者さんが怒っているときは、とにかく冷静に謝罪や傾聴を続けます。しっかり聞いていますという印象を与えることは大事です。その上で患者さんがなぜ怒っているのかを理解して対応することが大事だと思います。
子供たち
子どもたちは落ち着きが無かったり、こちらが意図していない行動を突発的にしたりと対応が難しいときがあります。
私の場合はこどもの年齢にもよりますが、今の話をするより、1週間後の話をすることがあります。今を考えて行動する子供に対して、明日や来週のことを考えてもらうと少し考えてくれることがあります。その時にその子が興味のあること(スポーツや好きな教科、漫画など)とつなげて話をするように心がけます。今までの経験の中で一番効果的だったのが「友達」を会話に混ぜると良い印象があります。早く治って友達とまた遊ぼうやまたサッカーを皆とやるんだよね?など子どもたちに「自分の怪我・病気が治る=友達とまた遊べる」という印象を持ってもらいます。
他職種のスタッフ
仕事中、医師や検査技師、リハビリスタッフ、薬剤師などたくさんの業種とコミュニケーションを取ることがあると思います。その中で、円滑円満に関係を築くことはなかなか難しいと思います。普段の医師がしい業務の中、どうしても後回しになってしまう相手への気遣いや優しさなどわかっているけれど、怠ってしまいがちです。
そのような時にインシデントや情報伝達ミスなどが起こり、お互いに責任の擦り付けを行ったり、罵声を浴びせたりと関係は悪くなる一方になることが多くあります。
私が一番に思っていることは、相手の職種に対して尊敬の気持ちをまず持つことです。
中には、職種で立場の上・下を決めている人がいますが、同じ医療従事者としてそこは関係ないと思います。職種間で会話をする時に、その気持ちは会話の言葉や雰囲気として自然と相手に伝わってしまいます。立場を下と思って話をしていると、どうしても偉そうな対応になったり、相手からの依頼に素直に聞き入れられなくなったりします。つまり、コミュニケーションの幅が狭くなってしまいます。
相手を尊敬していることを表現する上で私が心がけていることは、相手に物事を相談・依頼することです。とても当たり前のことだと思いますが、相談するということは相手を信用しているからできることです。また依頼することは相手にとっても信頼されているという印象を与えることができます。しかしこの時に大事なことは、事前に自分でもしっかりと熟考した上での行動だということです。
自分で何も考えずに相手に聞いてばかり、依頼してばかりでは相手を不快にします。相談・依頼する時に「自分でも調べてみたんですが、どうしてもわからないところがあったのでお聞きしたいのですが、、」と前置きをして会話を始めると良いと思います。また、その時に相手の職種の知識や倫理などをしっかりと把握・熟知していることも大切です。
業種の専門性、その方の性格、強みなどを理解して相談ができると、相手としては非常に心地よく相談を受けることができると思います。
あとは、業務以外の時間でコミュニケーションを取れる時間があればできる限り話をすることを心がけます。もちろん簡単にできることではないですが、お昼の時間、喫煙中、出勤時など、少しでも業務から離れた日常生活の会話ができるとよりコミュニケーションが取りやすくなると思います。
まとめ
今回、コミュニケーションについて私の経験を元にお話させていただきました。共通して言えることは、コミュニケーションは「相手」があってこそ完結することです。その「相手」をどれだけ思っているかでコミュニケーションの質が変わります。
そこには尊敬・思いやりがどれだけあるかだと思います。
口でわかっていても実際の行動でできないと意味がありません。コミュニケーションは大事、尊敬している、、など口先だけで行っている人はたくさんいますが、それを実際に言動としてできているかを客観的に自分を見直しながら普段の業務をしていけると良いと思います。
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