アセスメントは看護過程の一つであり、収集した対象者の情報をアセスメントすることにより問題は何か把握したり治療や今後の計画を立てることができます。高齢者へのアセスメントは、より難しいと感じるケースも多いのでコツを掴んでおくことが大切です。
看護過程のプロセスの一つとなっており避けては通れないのがアセスメントですが、苦手に感じている人も多くアセスメントの分析方法だったりカルテへの記録方法をはじめ頭を悩ませる部分は少なくありません。
一般的なアセスメンはもちろんのこと、高齢患者に対するアセスメントはどの範囲まで記載すれば良いのかや、症状が微妙で悩むことも多くなりがちです。そんな高齢患者へのアセスメントは、ある程度ポイントを理解しておくことで格段にスムーズに行く可能性があります。
まず高齢患者についてアセスメントする時には、それぞれの日常生活を理解する必要があります。症状が現れるのは疾病によるものかを見極めることが大切です。
患者基本情報を収集することになりますが、この際には入院に至るまでの疾患に関する経過や症状、そして患者自身による訴えなどと同時に自宅ではどのように生活をしていたのかを確認していくこともポイントとなってきます。
身体的側面だけではなく認知能力といった、精神的側面たったり生活背景といった社会的側面も考えたり、入院時から退院後までを考えて患者本人や家族から住まいの状態や今後をどのように考えているのか聞いておくようにしましょう。
成人に行うアセスメントとは異なる点が多くなり、年齢を重ねた老年期の身体や精神状態は成人とは異なる点が数多く存在しています。
疾患の治癒を目指す成人とは異なり高齢者は病気との共存や、身体能力の維持だったり、予防的な対処を優先的に行っていくことになるといった高齢者の特徴や役割を整理するようにしましょう。その上で総合的にアセスメントして関わっていくことが大切になってきます。
高齢者の場合は病院から退院したら終わりというわけではなく、在宅や施設に移行した後も継続した看護が必要になるケースが数多く存在していることは間違いありません。
しかし高齢者は生活環境や習慣関わることを良く思わない傾向にあり、新たな習慣を受け入れたりそれらを継続していくことが難しい傾向があることも頭に置いておき、患者本人のみへの話や指導だけではなく家族に対してもしっかり話をして指導も行っていくことが大切です。
高齢者を対象にしたアセスメントを行う際には、入院中のケアで気を付けなくてはならないことも成人以上に気をを配る必要があります。
残された力を活ことができる援助方法を考えるようにし、高齢者だからといって全てのお世話をするべきではありません。本人ができることまで行ってしまうと、さらに体力が低下してしまうリスクも高くなります。
日常生活にできる限り近づけた環境になるように工夫したり、高齢者が入院することにより起こりうるリスクを予測しておくことも必要です。
成人ならば疾患の治癒に関わることや身体的機能の向上が看護目的となりますが、高齢者はそれらが看護目標とはならず、疾患との共存だったり現在持つ身体能力のキープが目標となって苦るのはもちろんのこと、それだけではなく加齢による身体機能の低下から疾患に更に影響してきたり、生活習慣やライフスタイルへの影響はといった高齢になるにつれて大きくなることを理解しておかなくてはなりません。
高齢者への看護は身体的や精神的状況をトータルして考えたりしっかり把握した上で、本人の価値観や考え笑尊重して関わっていく必要があるといえます。
高齢で自分よりも遥かに年上の患者と関わる時にはコミュニケーションを取ることが難しく感じてしまいがちですが、アセスメントをスムーズに行うためにもコミュニケーションは必要不可欠となってくることは確かです。
より良好な関係を築いていくためのコミュニケーションをとるためには、高齢患者が生きてきた時代を知っておくことが大切になってきます。
高齢患者が青春時代に人気だった俳優や流行った歌だったり、子供時代の遊びやお菓子といった時代を調べておくことにより、スムーズなコミュニケーションの第一歩にもつながっていくのではないでしょうか。
話しにくく取っ付きにくそうなタイプの人でも、いざ話してみると意外とおしゃべりだったり若い世代とコミュニケーションを取ることが好きな人も多いです。年寄り扱いされることを望まない人が多いからこそ、年長者として敬う心は忘れないようにしながらも年寄り扱いすることなくコミュニケーションをとっていくように心がけましょう。
高齢患者に対するアセスメントで悩んだ際には、実際に経験豊富な先輩やアセスメントが得意な人で参考にしている看護師に相談したり、実際に自分のアセスメントをチェックしてもらい客観的な意見をもらうこともポイントとなってきます。
アセスメントにはどうしても自分のクセが出てしまうものであり、一人で悩んでいてもなかなか解決の糸口が見つからないケースは珍しくありません。
客観的な意見を求めることで、思っているよりも簡単に悩みが解決する可能性もあります。
アセスメントは経験を積まないと上達しないと考えがちですが、割と最初からアセスメントが得意な人もいるように、単純に数をこなして経験を積めば上手くなっていくものというわけではありません。
自分で経験をしていなくても、他人の話を聞いてみることで疑似体験することにつながるので実際に自分がアセスメントを行った時に、他人から聞いた話を思い出して疑似経験を自分が本当に行ったかのように思い出し、適した対応ができるというケースもあります。
特に高齢患者へのアセスメントの場合には、いくら経験を積もうと思っても不得意に感じている段階ではなかなか上手くいかないままということがあります。そうなってしまうと、アセスメントに対する苦手意識が高まってしまいます。苦手意識を取り払うためにはアセスメントを成功させて自分に自信をつけることが大切になってくるので、その点をしっかり理解しておきましょう。
アセスメントを行う際には、ゴールは何かという目的や目標をしっかり持つことが大切なってきます。しかし成人患者とは異なる目的や目標になる高齢患者だからこそ、転倒に気をつけたり食欲があるのかなど普段以上に気を配ることが大切です。
情報収集をしっかり行うこともポイントですが、高齢者となれば自分の痛みの部位や症状がきちんとわかっていなかったり、上手く伝えられない場合があるだけではなく、我慢強いと言われる年代だからこそ多少のことは我慢してしまい口にしてくれない可能性もあります。
だからこそ日頃から患者のことをしっかりと観察しておき、その人の正常は何かという点を理解するようにしましょう。高齢者は一般的に成人患者が正常と言われる数値か当てはまらないことが多く、個人差も大きくなりがちなのてそれぞれの正常は一体どのようなものかを理解することが大切です。
もちろん途中で症状が急変することもあるので、その点も予想した上でアセスメントも行っておく必要があります。
まとめ
アセスメントは高齢患者の場合には特に難しいと感じることが多く、成人患者とは目的や目標も異なってくるのでより慎重に行わなければならない部分もたくさんあります。患者本人だけでは上手く伝えられないことも多いので、家族の話もしっかりと聞いていきましょう。その上で苦手意識をなくすためにも、実績のある人からアドバイスももらい進めていくことが大切です。
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