看護アセスメントのポイント!医療と介護では違う?

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#2497 2024/03/12UP
看護アセスメントのポイント!医療と介護では違う?
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看護師が転職をしたときに看護アセスメントをする際には注意点があります。業界をまたいで転職しても同じアセスメントスキルを使えるとは限りません。この記事では医療と介護での看護アセスメントが違うのかどうかをわかりやすく解説します。

#医療と介護ではアセスメントが違う

看護師が医療と介護の間で転職するとアセスメントのやり方に違いが生じます。医療現場で活躍してきた看護師が介護現場ですぐに的確なアセスメントができるとは限りません。逆に介護現場でアセスメント経験を積んでも、医療現場で看護アセスメントをしたときに的外れになる場合があります。
看護師は医療と介護のどちらの現場で働くときにもアセスメントが必要です。アセスメントをして記録を残すという手続き的な部分は同じですが、実際に考えるべきことは異なります。転職したときには学び直すくらいの気持ちを持つことが重要です。

#看護アセスメントと介護アセスメントが違う理由

看護師にとって看護アセスメントと介護アセスメントが違うのはなぜなのでしょうか。医療と介護という分野は違うとはいえ、どちらも看護師が活躍している分野です。介護現場でも看護師は職能として看護を中心にして仕事をしています。それでも看護アセスメントと介護アセスメントが違う理由を見ていきましょう。

・医療と介護の目的が異なるから

医療と介護は目的が違うので、サービスの提供者に対するアセスメントのあり方が異なります。医療の場合には病気を患っていて、治したいという患者に対する医療サービスを提供します。医師の診察から始まって病気の原因を特定し、診断を下して治療を進めるというのが基本的な流れです。医療では病気を治すことが大命題になるため、アセスメントのときには病気の状況を考慮して実施することが必要になります。アセスメントに必要な情報も医療機器を用いた検査結果が大きな比重を占めます。
一方、介護では高齢者などの介護を必要とする人が生活を営めるようにしつつ、家族の負担を減らすことを目的としてサービスを提供します。日常生活を自分でできるように支援することから始めていき、改善できる部分はリハビリテーションをします。介護では特に病気を患っていない人もいますが、多数の病気を抱えている人もいるので臨機応変な対応が必要です。介護では本人と家族の意向を踏まえてより良いケアプランを立てて対応することが求められます。医療のように病気の治療法が確立されているとは限らず、個別対応が必要とされるのが特徴です。検査機器による検査データが少なく、観察やコミュニケーションによる情報に基づいてアセスメントをすることが求められます。

・医療と介護では看護師の役割が異なるから

医療現場と介護現場では看護師の役割に違いがあるので、必要なアセスメントの内容も変わります。医療では看護に特化していますが、介護では医療スタッフとして広い役割を果たすことになるのが違いです。医療現場の看護師は患者の状態を把握して病気の治療を目指すためのケアをすることが主な役割です。しかし、介護現場では看護師は介護による心身への影響をケアしたり、生活に必要な心身の機能が医学的に見て失われていないかをチェックしたりすることが求められます。役割が異なるのでアセスメントのときにも確認すべき項目が違うのは当然でしょう。

#看護アセスメントと介護アセスメントの項目の違い

看護アセスメントと介護アセスメントではアセスメントをするときに見るべき項目が異なります。項目の違いを見てみると医療と介護でのギャップがわかりやすいでしょう。っこでは医療現場の看護アセスメントと介護施設での介護アセスメントでよく用いられているモデルを取り上げて紹介します。

・看護アセスメントのゴードンのモデル

医療現場での看護アセスメントではさまざまな種類のモデルが用いられています。広く使用されている看護アセスメントのモデルとして挙げられるのがゴードンの機能的健康についてのモデルです。ゴードンのモデルでは以下の11の領域に基づいてアセスメントをします。

・健康の知覚と管理
・栄養や代謝
・排泄
・活動と運動
・睡眠と休息
・認知や知覚
・自己概念
・役割と関係
・性や生殖
・ストレス耐性
・価値観や信念

・介護アセスメントの厚生労働省のモデル

介護アセスメントでは日本では厚生労働省によって提唱された課題分析標準項目に基づくアセスメントがよくおこなわれています。課題分析標準項目は23項目から構成されていて、介護サービスの利用者が抱えている課題を把握するのに有効とされています。看護師として日本で働くなら基準になるアセスメントの項目です。23項目は基本情報に関する10項目と、以下のアセスメントについての13項目から構成されています。

・健康状態
・ADL
・IADL
・認知
・コミュニケーション能力
・社会とのかかわり
・排尿や排便
・褥瘡や皮膚の問題
・口腔衛生
・食事摂取
・問題行動
・介護力
・居住環境
・特別な状況
 

・看護アセスメントと介護アセスメントを比較してわかる違い

看護アセスメントのゴードンのモデルと、介護アセスメントの厚生労働省のモデルを比較すると共通点もあります。相手の健康状態を把握したり、社会との関係を確認したりすることはアセスメント項目として共通しています。しかし、医療における看護アセスメントでは栄養やメンタルといった心身に影響する要因のアセスメントを重視するのに対して、介護アセスメントでは日常生活をする上で必要な行動に関する内容のアセスメントに重きを置いているのが違いです。介護アセスメントでは高齢者へのサービスが中心なので、食事や口腔衛生、寝たきりになったときの皮膚のケアについての考慮が重要になります。医療の看護アセスメントよりも高齢者の看護に特化した内容になっていると言えます。

#看護師が医療・介護をまたいで転職するときのポイント

看護師が医療から介護、あるいは介護から医療に分野をまたいで転職すると、アセスメントのやり方に違いが生まれます。転職後も新しい現場で適切なアセスメントをして活躍できるようになるためには何が必要なのでしょうか。業界をまたいで転職するときに看護師が押さえておくべきポイントは以下の2つです。

・アセスメントの基本は変わらない

医療でも看護でもアセスメントの基本は同じです。アセスメントとは主観的情報、客観的情報に基づいて評価をすることです。看護では今後の看護計画を立てる上での起点になります。この点ではアセスメントには何も違いがありません。必要な情報を患者や利用者、家族などの関係者から聞いて集めたり、検査結果や問診内容をまとめたりして、今後の計画を立てられるようにすればアセスメントになります。

・アセスメントの対象は変わることを理解する

病気を患っている患者と、日常生活に不自由がある介護を必要とする人では求められている看護が違います。医療と介護ではアセスメントの対象が違うことは理解しましょう。医療現場でも介護を必要としている患者のケアをすることがありますが、医療施設と介護施設では希望していることも異なります。家族の希望にも差があるので、違う環境で看護をするという意識を持ってアセスメントをすることが大切です。

まとめ

看護師が医療と介護の現場でおこなうアセスメントの違いについて説明してきました。医療から介護、介護から医療に転職するとアセスメントの様子が変わることがわかったでしょうか。アセスメントの基本は同じですが、医療を受ける人と介護を受ける人では考え方も必要としていることも違うので、それぞれの特徴をつかんで対応しましょう。

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