誰もが憧れる美容看護師、どんな方でも美容看護師になることはできるのか、美容看護師になる時に身につけておくべき事や心構えは何か、美容看護師になってからのキャリアプランについて簡単に説明します。
看護師を目指す上で一度は美容看護師というものに憧れを抱いた人はいると思います。
私もそのうちの1人で、「美容って日勤ばっかりなのにお給料は高くて、その上社員割とかで安く施術できて綺麗にもなれるなんて」と羨ましく思っていました。
特に専門学校から附属の病院にそのまま就職したので、夜勤もありましたしかなり急性期の病院だったので、命に向き合う場面も多く体力はもちろん気持ち的もしんどい時期がありました。
プライベートなきっかけで4年間勤めた病院を辞めることになった私は、せっかくならと美容のクリニックに就職してみることにしました。美容クリニックは競争率が高く、地方であればあるほど面接自体も難しいものになってきます。
私が面接を受けたクリニックは都市部の開業して間もないクリニックでした。
人気の美容クリニックは競争率が高いので、人手不足な新しいクリニックに就職しました。
大手ではない個人の美容クリニックは、そこまで面接のハードルも高くないです。
ただ、それでも面接なので落ちる可能性はあります。
美容クリニックの面接でも今までどんな経験を積んできたのか、どんな現場で働いてきたのかは聞かれます。自分が今まで経験してきたことを最大限にアピールすることが美容看護師への第一歩です。
私は実際今まで病院で勤めて、救急や集中治療といった分野で4年間働いてきたので、知識技術はもちろん新しい知識を取り入れ学習していく力があることをアピールしました。
美容の世界は常に移り変わりで、今流行っている施術も数年後には無くなっていたり、最先端を取り入れるため施術も一概に一つ覚えればおわりというわけではありません。常に向上心を持って働くことができる、また気持ち面はもちろん見た目にも美容に興味があることを示せるよう最低限のメイクをする必要があります。
病院の夜勤ではノーメイクの看護師もいますが、美容看護師は常に日勤な代わりに、綺麗な見本となる姿でなくてはいけません。美容看護師のビジュアルがそのクリニックのイメージになってしまうからです。
指名制度がある美容クリニックもあり、働くスタッフによって評判が変わることもあります。
クレームもダイレクトに来るため、接客マナーはしっかり身につけておく必要があります。病院は大きな組織なのである程度看護師は守られている立場です。
しかし美容看護師では小規模なクリニックなどお客様からクレームが入った際、対応するのもスタッフであることが多いです。
また、個人経営の美容クリニックでは社会保険を完備していないクリニックも多く存在します。社会保険は病院で働いている時にはそこまで意識する事はありませんが、実際退職してから自分で支払って見るとかなりの出費です。
いくら美容看護師になり高いお給料がもらえるといっても、健康保険料や年金、市民税住民税などを自分で支払うとなると、結局病院に勤めていた時の方が楽だしお金も手元に残ります。
さらに美容看護師は見た目にも気を遣っていく必要があるので、毎月の美容院やネイル代、まつ毛パーマ、化粧品など綺麗を保つためのメンテナンスも必要になってきます。一つの料金は数千円で大したことがなくても、毎月その金額が複数必要になってくると思うとかなり大きい出費ですよね。
美容費が出るわけではないので自分の給与の中から捻出しなくてはならず、物足りなく感じてしまうかもしれません。
また、美容クリニックでは看護師としての仕事以外にも、事務や会計、宣伝広報といった仕事を任されることもあります。例えばSNSでクリニックの宣伝広告を作り宣伝して欲しい、お客様のお会計カード決済をして欲しい、領収書を作成して欲しいなど要望はさまざまです。
それぞれ事務や広報の役割が当てられている人が常駐しているのであれば、看護師がする必要はないですが、個人クリニックだと特に人手不足です。私が勤めていた美容クリニックは看護師1名と医師1名で時々バイトの看護師が来るという体制で勤務していました。
人手不足な美容クリニックは採用されやすいと先に述べましたが、その分必要とされる仕事は看護師の範疇を超えていると考えたほうがいいかもしれません。自分は看護師だから点滴をする仕事しかしないだとか、その仕事は私わかりませんと臨機応変に対応できない人は個人のクリニックでは難しいかもしれません。もちろん全てのクリニックがそうであるわけではありませんが、少なくとも担当の人がいない時に代わりにできるぐらいの知識は身につけておいた方がいいです。実際困るのは自分とお客様です。
美容クリニックを開業する医師は経営やお金関係のことには口出ししてきますが、それ以外の面倒臭い書類整理や作成などは雑務として看護師に回されることもあります。
実際、私が働いていたクリニックはお客様の数も少なく完全予約制であったために、依頼された仕事をゆっくり調べながらやる時間がありました。美容看護師は体も心もゆとりがあり、雑務を任されるなど看護師の範疇にないこともありますが、臨機応変に対応していけば楽しい職場です。安心して美容看護師になる方法としては、
①接客マナーを身につける
②社会保険完備のクリニックを探す
③看護師以外の仕事も必要の3点が大切です。
美容看護師はなるまでも大変ですが、なってからも病院とは違った苦労があります。美容の道に憧れがある人は、実際経験してみるとそこまでキラキラした世界ではないかもしれません。
実際に私は1年間美容看護師として働きましたが、思っていた世界とは違いました。
もちろん思っていた通りのキラキラした部分もありましたが、先程あげた美容看護師になる方法の3つが大きくギャップに感じたところです。
今まで病院の看護師では必要とされていなかった技術が必要とされ、とても良い勉強になりました。
自分から美容看護師になってみようと思い入った世界でしたが、働いてみると自分には病院の方が似合っていたのかなと思ったり、こういうところは病院の方が良かったなと思うこともあります。
美容クリニックでは点滴療法を行っていましたが、美容クリニックに来る人たちは基本的に皆さん健康です。
病院で高齢者の点滴ばかり取っていたのに比べると簡単に点滴が取れますし、短時間で終わるので1番太い正中の血管で点滴できるので楽です。ただその分自分が今まで培ってきた技術が活かされていないとも感じました。
点滴が難しい高齢者の点滴が取れた時の達成感は味わえませんし、看護技術は慣れの部分が大きいので臨床から離れる事によって自分の身につけてきた技術がなくなってしまうのではないかと不安にもなります。
美容に関して新しい知識や技術は身につきますが、看護師として病院にまた勤務したいという気持ちがある人や自分の技術を活かしていきたい人には向かないと思いました。私のように一時的にであれば他の病院やクリニックに移り自分の技術を磨けるかもしれませんが、長期的に働くのであれば美容の道一本でこれからも働く覚悟があった方がいいかもしれません。
もちろん人によっては美容に何年か勤めてから病院に戻るという方もいるかもしれませんが、臨床へのブランクは必ず感じると思います。
美容看護師はどんな方でもなることができるハードルの低さはありますが、その分抜け出せなくなると働ける職場が限られてくるのでよく考えた上で転職することをおすすめします。
まとめ
いかがでしたでしょうか?外からみるとキラキラして見える美容の世界も、内側からみるとキラキラとは反対の部分もあります。最終的には自分に合うか、自分の将来像に美容看護師が合っているのかを照らし合わせていくことが大切です。美容看護師はとても良い経験だと思うので、機会がありやってみたいと思った方は一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか?
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