看護師が就職や転職をするときには履歴書と職務経歴書を用意することが必要です。準備を始めようと思ったタイミングで、どちらから手を付けたら良いか迷ってしまう人もいるでしょう。この記事ではどちらから書くかによって何が違うかを解説します。
中途採用枠で看護師が就職や転職をするときには履歴書と職務経歴書の提出が求められます。新卒採用の場合には看護師は履歴書とエントリーシートということが多いので、転職のときには書類に違いがある点に注意した方が良いでしょう。書類の準備は面接に呼んでもらえるかどうかを分けるのでとても重要です。履歴書と職務経歴書を書くときにはどちらから手を付けると良いのかを、基本的なところから学んで判断できるようになりましょう。
#履歴書と職務経歴書の違いは?
中途採用枠に応募するのが初めての看護師の場合には、履歴書と職務経歴書で何が違うのかがよくわからないという人もいるでしょう。どちらも経歴を書くという点では共通しているので、同じような書類ではないかと思うかもしれません。しかし、記載する内容も選考での位置付けにも違いがあるので、まずは何が違うのかを詳しく理解しておきましょう。
・履歴書は経歴の概要を示す書類
履歴書は平たく言えば自分のプロフィールです。看護師として転職しようと思い至った今までの学歴や職歴の概要や氏名・年齢・住所・電話番号などの基本情報を書きます。特技や趣味、志望動機や自己PR、特記事項なども履歴書に記載することが可能です。
学歴や職歴については何年何月にどの学校を卒業したか、どの部署に異動したかといった形で学校名や学科名、病院名や部署名などしか記載しません。名前と期間だけで看護師としての学歴や職歴を大まかに評価されることになります。ただ、表にしてわかりやすくまとめられているため、看護師としてのプロフィールを見る上では採用担当者にとってわかりやすい資料です。何年間どのような部署で働いていたかが一目瞭然なので、採用候補者として期待できるかどうかを判断しやすくなっています。
・職務経歴書は仕事の経験と実績を示す書類
職務経歴書は今までの仕事について詳しく伝えてアピールするための資料です。履歴書に記載した内容だけでは、看護師として現場で何をしてきたのかは伝わりません。採用担当者は「大学病院で長く働いているから教育は十分受けているはず」、「消化器内科で4年間働いているからすぐに実務に対応できるだろう」、「1年間しか精神外科で働いていないので外科での受け入れは難しいかもしれない」といった視点で履歴書を見ています。その推察が正しいかどうかを確認して書類選考の合否を判定するのに用いられるのが職務経歴書です。
例えば、大学病院で5年間働いていて、後輩教育を担ってきた実績があるなら職務経歴書に記述します。使用した医療機器や経験した症例などについても書きます。すると、採用担当者は新卒採用時の担当者も任せられる可能性がある、現場で多い症例には一通り対応できるといった判断をすることが可能です。
このように職務経歴書は仕事の具体的な経験について採用担当者に理解してもらい、適任者か、それ以上の期待がある看護師かを考えてもらうための資料です。履歴書だけでは伝わらない看護師としての専門性を伝えるのに欠かせません。
#看護師の就職・転職で履歴書と職務経歴書はどちらから書くべきか
看護師の就職・転職では履歴書と職務経歴書のどちらから書いた方が良いのでしょうか。結論としてはどちらから書いても問題はなく、書きやすい方から書くのがおすすめです。ただ、人によっては履歴書から書いた方が良い場合も、職務経歴書から書いた方が良い場合もあります。ここではどちらから書くかによって何が変わるのかを解説するので参考にしてください。
・履歴書から書くと志望動機や自己PRを意識した職務経歴書を書ける
履歴書から書き始めると志望動機や自己PRを意識して職務経歴書を書けるようになります。履歴書には学歴や職歴などの基本プロフィールに加えて、短い文章で志望動機や自己PRを書くことが可能です。履歴書を見てから職務経歴書を読むかどうかを判断するという採用担当者も多いので、まずは履歴書でアピールをするのは重要になります。履歴書に書いた内容に基づいて、職務経歴書ではっきりと伝えるべきポイントを考えると、自分の伝えたいことをわかりやすく伝えられるでしょう。履歴書の自由記入欄は狭いので、短い言葉で魅力を伝えなければなりません。その詳細がよくわかるように職務経歴書にまとめると、自己記入欄に書いたPRポイントに興味を持ってくれた採用担当者から好印象を受けられます。
・職務経歴書から書くとキャリアを見返した上で履歴書を書ける
職務経歴書から書き始めると自分のキャリアを一通り見返す機会を得られるのがメリットです。転職するときでないと看護師としてどのようなキャリアを積んできたのかをあえて見返すことはないのではないでしょうか。キャリア全体を振り返ることで、自分の強みや弱みがはっきりと見えてくることがよくあります。職務経歴書には社会人になってから今に至るまでの職歴をすべて書くので、書き終えてみると自分自身を再認識できるでしょう。職務経歴書を書き上げた後で履歴書を書くと、PRすべきポイントが鮮明になったり、志望動機が変わったりすることもよくあります。職務経歴書を書くのは看護師にとってキャリアを詳しく掘り下げる機会です。履歴書の自由記述欄の内容も濃くなってアピール力がある書類を仕上げられるでしょう。
・迷ったら職務経歴書から書くのがおすすめ
このようにそれぞれの特徴を比較すると、どちらから書くかで迷ったときには職務経歴書から書き始めるのがおすすめです。看護師として何度も転職をしていて自分のキャリアをよく理解できているのであれば、履歴書から書くのも良い方法でしょう。しかし、自分のキャリアをまとめた経験がないなら、まずは職務経歴書を丁寧に書いて自分を見つめ直すのが大切です。キャリアに基づいて考えているうちに、別の施設で働きたいと思うようになることもあります。自分自身を理解する機会を早めに設けて、満足のいく施設を選んで転職しましょう。
#職務経歴書から書き始めたときの注意点
職務経歴書から書き始めるのが良さそうだと思った人のために、失敗しないための注意点を最後に紹介します。看護師にとって履歴書も職務経歴書も面接に呼んでもらえるかを決める重要な書類です。以下の2つの注意点を押さえて、書類選考を通れる書類を作り上げましょう。
・職務経歴書を書き終えた時点で一読する
職務経歴書を書き終えた時点で、履歴書に手を付ける前に一読して内容を確認しましょう。初めて職務経歴書を書いたときには、第三者的な視点で見たときにわかりにくい内容になっていることがよくあります。必ず推敲して読みやすい職務経歴書に整えましょう。職務経歴書の内容を頭の中で整理できるだけでなく、文章を整える段階でも自分のキャリアを見直せるので、推敲を終えてから履歴書に取りかかるのがおすすめです。
・履歴書を書き終えたら職務経歴書を見直す
履歴書を書き終えたらもう一度、職務経歴書を読みましょう。履歴書の内容と職務経歴書の内容に違いがないかをチェックするのが大切です。履歴書を書いているうちに自分のPRポイントが変わることもよくあります。その際には職務経歴書を書き直して、PRポイントが伝わりやすくするのが大切です。履歴書を書いた時点で見直すと、職務経歴について新しい発見がある場合もあります。履歴書に新しい内容を盛り込みたいと思ったら履歴書をさらに書き直しましょう。このようなやり方で履歴書と職務経歴書を整えていくと完成度が高くなります。
まとめ
履歴書と職務経歴書はどちらから書いても大丈夫ですが、初めての転職をするときには職務経歴書から書くのがおすすめです。看護師としてのキャリアを整理する機会になり、志望動機や自己PRの記述内容を選び出しやすくなるからです。最終的には両方の書類の完成度を高めるのが大切なので、何度も交互に読み返してから応募しましょう。
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