認定看護師を取得するまでの流れと知っておいて欲しいこと

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#1871 2022/07/07UP
認定看護師を取得するまでの流れと知っておいて欲しいこと
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認定看護師を目指すと決めても、どのような流れで受験を迎えるのか、どれほどの費用がかかるのかなど記載された文献はほとんどありません。認定看護師を取得するまでの流れ、費用なども含めて解説します。

この記事を読まれている方は、認定看護師または認定看護師の中でも集中ケア認定看護師を目指されている方だと思います。
この記事では、私が認定看護師を目指した理由とともに資格取得までの流れや病院からの支援制度、養成施設の環境、認定看護師を目指す上で気をつけて欲しいことなどについてご説明いたします。

まず、私が認定看護師を目指した理由についてです。認定看護師を目指そうと思ったのは看護師経験8年目の頃でした。
私は新卒でCCU(循環器・心臓血管外科の集中治療室)に所属しました。配属当初は全くと言っていいほど知識はありませんでした。「心房と心室はどっちが上にあるんだっけ?」というレベルです。況してや、心電図など一切読めませんでした。しかし、3年くらい経つと徐々に心臓の解剖や循環の流れ、不整脈の種類などある程度の知識が身についてきました(もちろん、それなりに勉強したからです)。3年目以降はプリセプターを担当し、5年目には実習指導者の経験もしました。指導する立場になって改めて「自分の知識が曖昧だな」「もっと噛み砕いてわかりやすく教えたいな」と思うようになりました。それが、8年目の2月頃です。私の部署には集中ケア認定看護師が所属しており、その方に相談したところ「認定看護師の養成施設では知識だけでなく、指導の方法も学べる」という助言をいただき認定看護師を目指すことになりました。

次に、認定看護師の養成施設に入学するまでの流れについてです。

養成施設の受験は7月でした。なので、2月に集中ケア認定看護師を目指したいと考えた私はとても遅い方だったと思います。4月に看護部長宛に志望動機のレポートを提出し、5月には受験資格を得るための面接(看護部長、看護副部長が面接官)を受けました。私の施設では、ラダー制度を設けており、認定看護師を目指す看護師はラダーⅢ(Ⅰ:新人?2年目→Ⅱ→Ⅲ→Ⅳ:管理者レベル)以上であること、師長の推薦があること、面接に合格することが受験資格要件でした。
もし、受験したいと思っている方は必ず施設の受験するための要件や受験するまでの流れを確認しておいた方が良いです。受験の内容や勉強方法については、先輩の認定看護師に確認しました。養成施設の受験の内容はクリティカルケアに関連する知識を問う4択の問題と小論文、面接です。

小論文については、先輩の認定看護師や師長にも協力していただき、あるテーマについて記載し添削していただく作業を数回行いました。テーマは「終末期患者の治療の撤退について」「早期リハビリテーションが与える悪影響はあるか」など試験で問われそうな内容を記載しました。勉強方法については今日の臨床サポート(インターネット)や集中治療専門医テキスト(CD-ROM)などのエビデンスに基づいた内容かつ医師も診察の参考にしているような書籍で学習することでした。勉強時間は仕事の合間を縫ってするしかありません。その頃、私は3交代をしてましたので準夜前、夜勤明け、休みの日はほとんど図書館に行って、勉強三昧の日々でした。面接対策は、志望理由や印象に残った患者などのエピソードは練習しました。それ以外は特に行いませんでしたが、看護部長や副看護部長との面接が良い練習となりました。また、受験するには、お金もかかります。テキスト代、受験代、県外であれば旅費などです。ちなみに、集中治療専門医テキストは18,000円する物です。認定看護師を目指すのであれば貯金も大事ですので、今のうちから貯めておいてください。

次は、病院からの支援制度についてご説明します。

養成施設に合格すると入学費を納める必要があります。私の頃は9月から3月の7ヶ月間で80万円必要でした。その他、県外だったので7ヶ月分のアパート代、書籍代、飲み二ケーション代などの費用がかかります。全て込み込みで約200万円は必要でした。
貯金がない人は愕然とするかもしれません。
しかし、病院によっては支援制度があります。私の施設は入学金は半額負担、毎月、基本給は支払うという内容でした。この支給されたお金は3年働けば返却不要でした。そのお陰で実質の負担金は100万円ほどでした。私の施設は入学金半額支給でしたが、別の施設では全額支給や全て自己負担ということもあるので必ず施設の支援制度を調べてから受験に臨んだ方が良いです。また、養成施設に通っている間は勤務できないほど勉強におわれます。先輩の認定看護師がいらっしゃる場合は良いのですが、あなたが施設で初の認定看護師になる場合は、所属施設側がどれほど学習に追われるか理解しておらず、「座学がない土日は勤務できないか」など問われる可能性があるので気をつけてください。本当に働く余裕はありません。なぜ、余裕が無いのかについては次の項で説明します。

次に、養成施設の流れについて説明します。

養成施設は病院で行われていることが多く、その病院の会議室や付属の看護学校や大学の教室などで座学を行ないます。
講師は集中治療系の雑誌を執筆している方が多いので、とても勉強になる話が多いです。講義は座学だけでなくディベートもありました。例えば、「ICUにおける抑制はありかなしか」についてチームに分かれディベートする物です。このディベートの勝者は授業の評価が加点されるので、
皆この日までに「抑制が必要な理由」「抑制をしてはいけない理由」などの文献を読み込んで、準備をしました。準備は授業の後や土日に集まって行っていました。なので、働く余裕など誰もありませんでした。
その時は「ディベート大変だな」「こんなに調べる必要ある?」と学生同士で愚痴っていましたが、今となっては1つのテーマについて時間をかけて調べられることはとても貴重だったと思います。座学、ディベート以外ではシミュレーション演習もあります。これらの講義を9月から12月まで行い、定期的な試験に合格した者が1月から2月中旬までの実習に参加します。そして、実習終了後の最終試験に合格した者のみ5月に行われる認定看護師資格の試験を受けられます。

最後に、認定看護師を目指す上で気をつけて欲しいことについてです。

資格取得を目指される方は「資格を取得した後にどのように施設に貢献するか」「資格取得=偉くなったと考えないこと」を意識して欲しいと思います。私は、自身の知識の向上や自身の指導する力の向上など「自分のこと」しか考えられていませんでした。
結果、施設に戻った時に何から取り組めば良いかわからず、半年ほどは苦戦しました。私と同じような失敗はしてほしく無いので、これから目指される方は施設の現状分析を行った上で資格取得の理由を明確にしてほしいと思います。例えば、「呼吸リハの実施率を向上させたい」ではなく、「挿管患者の無気肺の発生率が30%なので、20%になるよう呼吸リハの実施率を向上させたい」という物です。認定看護師の役割は施設に貢献することです。自分の知識だけ向上させ、自分が実施する看護ケアの質だけ向上させても全く意味はありません。また、資格を武器に上から目線で指導するなど言語道断です。周囲のスタッフや上司、後輩から頼られる回数は増えますが、「声かけてくれてありがとう」と感謝する姿勢は忘れないで欲しいと思います。そのような姿勢は知識よりも大事ではないかと思います。認定看護師は仕事の幅が広がりますし、講義の回数が増えるなど一般のスタッフではできない経験が増えます。資格を取得する前、取得した後も大変ですが、患者の安楽のために一緒に貢献できたらいいなと思います。

まとめ

認定看護師を取得するまでの流れや費用、認定看護師としての姿勢など参考になる点があったでしょうか。少しでも資格取得に興味がある方はぜひ目指して欲しいと思います。
大変なことも多いのですが、勉強になることも多いです。一緒に質の高い看護ケアの実践者になりましょう。この記事を読んでくださった方の認定看護師を目指すきっかけになれば幸いです

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