看護師の就職先は多岐に渡っているため、育児などのワークライフバランスを考えた時に迷ってしまう方もいます。
この記事では子育てしながら看護師として働き続けるための病院選びについて紹介します。
それぞれの施設や診療科の特徴・メリット・デメリットを理解することで、今後の職場選びの基準にしていただければと思います。
<病院>
病院での勤務と育児を両立していく場合、積極的に家族の協力や行政の支援サービス(保育園の利用、病児・病後児保育、学童保育など)などマンパワーを整えることが重要になってきます。
夫婦だけで家事も育児全てを解決しようとすると、その皺寄せは子供にいってしまいます。
勤務する病院や診療科により仕事内容や働き方は変わってきます。
しかし、基本的には治療・処置が目的であり、24時間交代制で医療を提供する必要があるため、夜勤や残業は避けられない印象があります。
また、日々の業務以外にも勉強会や研修会、看護研究の執筆作業などもあるため、家に持ち帰って仕事をすることもあります。
しかし、看護師の役割が大きいからこそ、専門的スキルを学ぶことができ・やりがいを感じることもできます。
病院での働き方の方法として外科病棟・内科病棟・外来の3つに絞ってそれぞれの特徴・メリット・デメリットについて紹介します。
<外科>
病棟の中でも外科は特に仕事優先の働き方になるため、育児のことも考えるなら家族の協力や行政の支援サービスの利用が必要となります。
①変化激しい
外科は、急性期の患者さんへの対応となるため、在院日数が少なく・緊急入院・緊急手術・術前術後の対応などイレギュラーな出来事が多いです。
そのため、瞬時にアセスメント・判断する能力や迅速に行動できるスキルが求められます。
②残業多い
朝出勤して、その日の受け持ち患者の行動計画を立案しても、行動計画通りの看護展開にはなりません。
急変や緊急入院・手術などのイレギュラーな出来事に対応しなければならなく記録も後回しになるため、結果残業せざるを得ない状況になりやすいです。
子供の送り迎えの時間に間に合わない事も多々あるため、保育園の入所・幼稚園の場合延長保育の利用・両親への協力などが必要となってきます。
③スキルアップできる
イレギュラーな出来事が多い分、看護師に求められるレベルが高くなります。
また、外科での経験があるかどうかは他の診療科や転職した際にも活かすことができます。
これらの事から、外科の看護師に求められるスキルは高くなりますが、独身時代同様にバリバリ働きたい看護師にとってはやりがいを感じ続けることができると思います。
また、両親・家族の協力、行政の支援サービスを積極的に利用することでワークライフバランスを取りながら働いているママ看護師もいます。
<内科>
外科同様に夜勤業務があるため、家族の協力や行政の支援サービスの利用が必要となります。
しかし、精神的負担を考えた時に外科よりは育児優先な働き方ができると思います。
①変化少ない
内科は、症状や状態が落ち着いている慢性期の患者さんへの対応となるため、日々の業務は朝の行動計画通りに進むことが多いです。
在院日数も長く・急変・緊急入院・緊急手術などイレギュラーな出来事は外科ほど多くはありません。
そのため、精神的負担もある程度抑えて働くことができます。
②残業少ない
病院や診療科により違いはあるが、比較的イレギュラーな出来事が少なく、朝の行動計画通りに看護展開を実施することができます。
そのため、早い時間帯から記録に入れることができ、業務時間内に終了できるため残業時間は少ない印象があります。
③総合的な知識が学べる
外科は専門的スキルになるが、内科は慢性期から回復期、終末期と幅広い知識を学ぶことができます。
そのため、クリニックや介護施設などへ転職する際にもその知識を活かした働き方ができます。
これらの事から、病院で働く以上は内科の看護師の役割も大きく、全く残業がないわけではなく、夜勤業務もあることから両親・家族の協力や行政の支援サービスは必要となります。
しかしイレギュラーな出来事が少ないという精神的負担を考えた時に、外科ではなく内科を選択するママ看護師もいます。
<外来>
看護師としてのプライドを持ちつつも育児優先の働き方ができるため、ワークライフバランスを重視して働きたいママ看護師にとっては、働きやすい環境であると思います。
①夜勤ない
病棟と違い一般外来の場合、日勤業務のみであるため夜勤業務がないということです。
また、日曜・祝日も休みであることから、規則的な生活が送れるため子供と過ごす時間もしっかり取ることができます。
②残業ある
病院により違いはあるが、病棟の場合ベットコントロールにより患者の受け入れ人数には限りがあります。
しかし、外来の場合受診に来る人数を予測しづらく、また最後の患者さんの診療が終了するまで時間がかかるため残業することも多いです。
そのため、子供の送り迎えについては家族の中で相談しておく必要があります。
③幅広い能力必要
医師の診察の介助だけでなく、患者さんへの説明や指導、電話対応・受付・クレーム対応などの事務的な業務、病棟・多職種と多岐に渡って連携する必要があるため幅広い能力が必要となります。
これらの事から、残業が以外にもあるということでは、子供の送り迎えなどに支障が出てしますこともありますが、夜勤がなく、日曜・祝日も休みであることを考えると子供との時間を優先した働き方ができるのではないかと思います。
<クリニック>
クリニックの仕事の内容自体は落ち着いているため育児優先な働き方ができます。
しかし、イレギュラーな休みの時は家族などの協力がないとママ看護師にとっては働きにくさを感じてしまうと思います。
①イレギュラーな休みは取れない
病院と違いスタッフの人数が少ないため一人でも欠けると業務に支障がでてしまいます。そのため、子供の体調不良や急な家庭の事情などイレギュラーな休みへの対応が難しくなってきます。
②人間関係が密
関わる人数が少ない分、人間関係の悩みはないと思われがちですが、人数が少ないことで逆に人間関係の悩みが生じる場合もあります。
病院など広いコミュニティーの場合、人間関係の悩みがあっても関わる人が多いため悩みも分散されやすいが、クリニックの場合コミュニティーが狭いため、相性などの人間関係が浮き彫りになりやすいです。
一方で、アットホームで人数が少ないからこそクリニックの方針・目的に向かって一致団結しやすいという側面もあります。
③方針により働き方が変化する
病院にも方針はあるが、クリニックの場合院長先生個人の方針が強く影響するため病院で働いていた時とは違った働き方が問われます。
④夜勤がない
病院で働く場合パートなどにシフトしない限り、基本的に正社員は夜勤業務が必須となります。
しかし、クリニックは日勤業務のみであるため、規則的な生活を送ることができ体力的負担も抑えられます。
⑤まとまった休みが取れる
病院の場合24時間体制なので、休日・祝日関係なく医療を提供する必要があるため、まとまった休みを取ることができません。
しかし、クリニックはカレンダー通りの休みとなるため、お盆や年末・年始などの長期休暇を取ることができるため、子供と過ごす時間もしっかり取ることができます。
⑥プレッシャーが高い
クリニックでの看護師の仕事内容は医師の診察の介助だけでなく、検査の説明や指導、電話対応・受付などの事務作業、薬品の管理、清掃など多岐に渡ります。
病院と違い看護師の人数が少ないため一人でこれらの業務をこなす必要があり、また、クリニックに受診する患者さんも様々な病気を抱えているため、イレギュラーな出来事に対するスキルも求められることからプレッシャーが高くなります。
これらの事から、イレギュラーな休みへの対応が家族の中で整っていれば、自宅近郊でクリニックを探すことも可能ですし、仕事の内容自体はワークライフバランスを考えた働き方ができると思います。
上記にあげた以外にも様々な働き方の方法はあります。
まとめ
独身時代バリバリ働いていた方も育児という壁にぶち当たった時に必ずワークライフバランスについて悩んでしまうと思います。
私自身悩んだ経験があるからこそ、皆さんには上手に育児と看護師の仕事をしていただきたいと思い病院選びの方法について紹介させていただきました。
しかし、それぞれの家庭の事情や経済的な問題、価値観により働き方は変わってくるとは思うので、一つの参考にしていただければと思います。
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