バイタルサインにおけるアセスメントの基本について

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#1252 2020/11/05UP
バイタルサインにおけるアセスメントの基本について
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看護師資格を取得し、出産、育児、親の介護等で病院から離れている方々もおられると思います。
復職をしたいけどブランクがあって少し不安がある。などのために基本的なバイラルサインのアセスメントについて説明していきたいと思います。

バイタルサインは生命の兆候である患者様の生死に対して重要な指標であり大切な情報となります。

看護師ならばその値で身体でどのような状態が起こっているか、それによりどのような対応をとらないといけないか、すぐに判断できるところが業務独占である看護師が専門職としての強みでもあります。

バイタルサインとは身体情報の中で、生命活動として重要であり客観的に基準値があります。

意識状態も脳の状態を観察上で共に観察する項目となります。
呼吸、意識、血圧、脈拍、体温
こ・い・け・み・た
と5つを暗記すると覚えやすいです。

パルスオキシメーターで測定する酸素飽和度、血糖値や尿量もバイタルサインも同様に指標として観察が必要なものとなります。
皮膚状態や体位、顔色、口臭や体臭という観察も隠された疾患を見つけ出す材料となります。
意識がなく運ばれてくる方々は呼吸が浅い、皮膚や顔色が悪い、尿が出ていない。
などの情報からバイタルサインの数値も正常値から逸脱している可能性が高く、
病院ではすぐにベッドサイドモニターを装着したり、血液ガス検査の結果で医師の指示で酸素投与を行う、
血圧が下がっているならばルート確保し指示の輸液や昇圧剤など治療を行うなど一連の動きができる、判断医師へ報告する技術を身に付けなくてはいけません。
数字以外で感じなければいけない看護は5感も使うことです。
皮膚状態ではチアノーゼはないか。
低酸素血症や抹消循環不全など還元ヘモグロビンが5g/dl 以上になれば出現します。
顔色がわるければ貧血だけでなくショック症状のサインになります。
アセトン臭であれば糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病を基礎疾患とした急変時に遭遇します。
アンモニア臭であれば肝性昏睡(肝性脳症)など肝不全である可能性もアセスメントできます。
よく呼吸器疾患でみられることがCOPDの患者様や心不全の方々が呼吸困難になる場面です。
起座呼吸では心不全ではベッドにもたれていたり、COPDでは前屈体位になることが多いです。
ここまで大切な観察項目を説明しました。
次に救急時においての考え方を説明したいと思います。
緊急時においては脳の状態を守らないといけないため、
循環、呼吸、意識の3つが重要となります。
そしてこれまでの説明した観察項目が関連性があるということです。
循環に関しては血圧→脈拍→皮膚状態や尿量
呼吸に関しては呼吸→酸素飽和度
意識に関しては意識レベル→血糖値→反射
体温に関してはからだ全身の代謝、感染兆候を示すもので急変の優先度は低くなります。
低体温、熱射病、悪性高熱などでは大切なものとなります。
トリアージについては患者選別のため30秒以内に評価しなければいけません。
災害搬送時医療機関では必須です。
トリアージにはstart法があります。
歩行が不可能であれば次に呼吸の状態の観察を行います。
歩行ができれば軽症郡(Ⅲ)と判断され治療の対象外になります。
呼吸に自発があり呼吸30回以上9回以下(一分間)であれば最優先治療郡(I)と判断されます。
呼吸回数が10ー29回(1分間)次に橈骨動脈を触知します。
血圧が80mmhg以下であり橈骨動脈触知できなければ緊急処置が必要です。
CRT(爪床毛細血管再還流時間)が2秒以上も診断の上必要となります。
手を握ってくださいと、簡単な指示に応じければ最優先治療郡(I)になります。
応じるようなら待機的治療郡(Ⅱ)になります。
この流れをみると、自立で歩いているか、
正常な呼吸をしているか、
脈拍を触知できるか、
意識があるか
という順番で評価する流れになっています。
私の経験で高齢者が多い地域の病院での症例をいいます。
誤嚥性肺炎や尿路感染症の患者様が多く、心不全,末期癌や肝硬変や胸水、腹水の患者様もおられました。
精神科からてんかん持ちの方もおられたり、人工呼吸器で胃ろうを開けて延命処理をされている患者様もたくさんおられました。
そのなかで施設から高齢者の寝たきりの方々も入院されるため自分でメッセージを伝えることができません。
そのため看護師の観察やアセスメントでその患者様の異常の早期発見に繋がります。
とくに敗血症では呼吸の観察が大切になります。
発熱状態のみでなく呼吸の観察に意識を向けてみることが大切となってきます。

病院という医療現場のなかではバイタルサインや検査データ、薬剤に関する情報などたくさんのことを整理し、それを踏まえた看護を行うことはたいへんな作業だと思います。
知識を日頃の看護業務にいかすためにも経験が必要ですが知識を持たず看護することと、正しい知識を持ち仕事に挑むのでは患者様や利用者の方々の治療や異常の早期発見などに影響しかねません。

介護施設では介護士さん、在宅ではご家族の方々や本人様がバイタルサインを測定することもあると思います。
看護師がバイタルサインや観察を行う上での力は明らかに差があります。
ゆえにバイタルサインを知ることは生活をしながら病気を抱えている方々にとって看護師は頼れる存在となります。
介護の現場には数字を計ればいいのだろうと正常値から外れた血圧などそのままにしてケアスタッフもいます。
そのようなスタッフへの指導のためにも正しい知識を提供して行くためにも必要だと思います。

また数字にとらわれすぎて本人は意識もしっかりあり、その他異常が見られなくても使用している血圧計やパルスオキシメーターが壊れていたり、正しい使用法でなかったりしたら正しい情報が得られません。
運動後であったり、服を何重にも着ていたり、認知症で興奮している最中測定しようとしたり。

目先の仕事を先に終わらせたい、ルーチン化したバイタルサインの測定には意味がありません。
しっかり一人一人挨拶から入り、相手の目線になって尊重した態度で行うことがよい情報を得ることができます。

ときには人間ですので拒否されることもあります。
心理面も合わせた観察も必要となります、
そしてときには相手に合わせた柔軟な対応が必要となってきます。

病院や施設、在宅では成人の高齢者だけではなく小児の子どもたちにも看護を提供することが看護師のお仕事となります。
発達段階にてバイタルサインの数値も変わるため、保育所や小児科に勤める希望の方々は確認が必要です。

バイタルサインの他には血液ガス分析の動脈血酸素分圧から酸素療法、co2ナルコーシスの理解とそのためには動脈血二酸化炭素分圧を知ること。
phや酸塩基平衡とは。
base excessやanion gapとは。など看護する上で必ず関わってくる内容もあります。

その他に急変時は救急カートも必ず使用するときがあります。
血圧が下がっているときや、高いときどの薬剤を使うのか、
脈拍が早かったり、遅かったりそたらどの薬剤を使うのか、
呼吸が浅かったり、喘息があるなどの症状のときどの薬剤を使うのか。
基本的な輸液の種類もたくさんあり、どういうときに主治医が輸液を決めて投与しているのかなど理解しなければいけない内容がたくさんあります。
バイタルサイン測定から、異常を発見しアセスメント、対応するまでのことや知識が繋がりワンセットで考えられるようになれば自然と体も動けると思います。

まとめ

いかがだったでしょうか。
今回はバイタルサインという基本的な視点で看護職へ復帰を考えている方々への少しでも情報提供になればお伝えしました。
やはり、観察は看護師の基本でありますし、正常か異常を理解していないと判断もできませんし、医師への報告や説明もできません。
これの情報が少しでもお役立ちできれば幸いです。

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