看護師が就職をするときには十分に自己分析をするのが大切です。
自己分析に失敗しないようにするにはどうしたら良いのでしょうか。自己分析がなぜ必要なのかを理解した上で、どういう方法で自己分析をするのが効果的なのかを考えてみましょう。
<就職活動には自己分析が必要>
就職活動や転職活動のときに自己分析が必要と言われているのは就職先を選んだり面接を通ったりするのに必須だからということがよく知られています。ただ、何となくイメージがあったとしても具体的にどういう意味なのかがわからない看護師もいるでしょう。どうして自己分析をしなければならないのでしょうか。
・興味関心が高ければ意欲的に働けるから
自己分析をする必要があるのはずっと高いモチベーションを持って働いていける就職先を見つけるのに必要だからです。看護師としてどんな仕事をしたいかと言われたときに具体的に説明できるでしょうか。患者に喜んでもらいたい、病気の治療をサポートして達成感を得たいといった抽象的なイメージを持っている人は多いでしょう。しかし、それだけでは病院で働くべきか、クリニックを選ぶべきか、あるいは診療科はどれが適しているのかといったことがよくわかりません。看護師として仕事をする上で何に対して強い興味関心を持っているかを分析してみると、やりがいを持って働くにはどんな職場を選ぶべきかがはっきりとしてきます。
私はリハビリテーションの補助が好きで患者の努力を後押ししたり、喜ぶ様子を見たりするのがやりがいになるという人もいるでしょう。病院で実習をしていたときに療養型病棟を回っているのは大変だったけれど、外来で対応しているのはとても楽しかったという人もいるかもしれません。これまで看護師や看護学生として経験してきたことや、自分自身が持っている看護の仕事に対するイメージを総合的に考えてみると、自ずと仕事にやりがいを感じるには何が必要なのかが見えてきます。自分の興味関心を具体的に理解するための手段として自己分析が重要になるのです。
・取り柄を生かせると就職しやすいから
現実的な問題としてはやりたいことができて、納得できる待遇を受けられる職場に就職できるかが切実な問題でしょう。看護師は不足している現場が多いとはいえ、新卒の場合には特に人気のある病院やクリニックは競争になりがちです。まだ勤務経験がないのに何を強みにして就職活動をしたら良いのかと本当に悩んでしまう人もいるでしょう。その対策として有効なのが自己分析なのです。
自己分析をしてみると得手不得手がわかってきます。具体的にこんなことがあったから自分にはこんな取り柄があると説明できるようになるでしょう。面接のときには長所を説明するように促されることがよくあります。そのときにきちんと自己分析をしてあれば、具体的なエピソードを交えながら自分の長所をアピールすることができます。
また、どこに就職するかを選ぶ上でも取り柄がわかっていることは重要になります。取り柄を生かせる職場なら現場で活躍できる可能性も高くなります。成果を出せたり、周りから褒められたり、患者から感謝されたりすればやりがいが生まれるでしょう。話し上手、聞き上手、体力があるなどといったどんなことでも良いので、看護師の仕事につながるような取り柄を見つけて就職先選びに活用するのは大切です。自己分析がその発見につながるので、最初にきちんと行っておく必要があるのです。
・苦手がわかると対策できるから
自己分析は自分の取り柄を具体的に理解するのに適しているだけでなく、苦手が何かを確認するのにも役に立ちます。こんなミスやあんなミスをしていて私はやっぱりこれが苦手なのだというのに気づくこともよくあります。人とのコミュニケーションが苦手だったり、複雑な機械の操作が下手だったり、体力的な不安があったりする場合もあるでしょう。このような苦手の部分を面接で聞かれることもよくあります。ただ、苦手はそのまま苦手で良いというわけではありません。それが仕事に生かせるという考え方を持って解釈することにより対策するのが就職の成功に結び付きます。コミュニケーションが苦手でも一歩引いたところから状況を冷静に観察できる力があるかもしれません。複雑な機械の操作が下手でも最初は下手なだけで慣れれば大丈夫という人も多いでしょう。体力的には不安があるけれど、夜勤さえなければ大丈夫という人もいるはずです。苦手なことでも見方を変えてポジティブに見せたり、条件次第では問題ないという解釈をしたりする対策をすれば就職で不利にならずに済みます。このような対策を予め十分に時間を使って立てられるという点でも自己分析をしておくのが重要なのです。
<成功につながる自己分析の方法>
自己分析に失敗しないためにはどんな方法が良いのでしょうか。やってみると成功につながることが知られている方法を紹介するので積極的に取り組んでみましょう。
・自己分析の内容を他の人に話してみる
自己分析は自分だけで考えて終わりにしてしまうことがよくあります。自分自身のことは自分が一番よく知っているから他の人の力は必要ないと考えてしまいがちです。しかし、自分だけで分析したのでは主観がたくさん入っていてあまり意味をなさないことがよくあります。自分では機転の利いたケアをしたことで患者にお礼を言われたと思っていても、客観的に見れば余計なお世話をしていて患者から早く他の仕事に向かって欲しいという気持ちでお礼で挨拶をしたと考えるのが妥当だという場合もあるでしょう。逆に頑張って献身的な看護をしたつもりなのに不愛想な表情のまま患者が立ち去ってしまったから、自分は患者の気持ちを理解するのが苦手だと思うこともあるかもしれません。しかし、その看護内容を第三者が見てみると完璧な対応で、患者の意図も汲んでいたはずだと評価してもらえることもあります。たまたま患者が内気な性格でお礼を言えなかっただけかもしれないのです。
自己分析の内容は客観的であることが重要なので、自分だけでは誤った解釈になってしまうリスクがあります。そのため、自己分析をした結果を他の人に話してみてどんな印象を持つかを聞いてみるのが大切です。客観的な話をしてもらいやすい友人やカウンセラーなどの第三者機関を利用してみるのが良いでしょう。話をしてみると自己分析の内容も整理されて、新しい一面に気づくこともあります。一回だけでなく何回も話す機会を作るとより成功に近づくことができるでしょう。
・他の人の評価を聞いてみる
自己分析をする前でも後でもとりあえず他の人に自分の評価を聞いてみるのも良い方法です。先輩や先生、親などに聞いてみるとどんな性格か、何が長所でどのような短所があるかを説明してもらえるでしょう。親しい間柄の人の方が詳しいことを知っていてより正確な評価をしてくれる考えられます。しかし、あまりにも近い関係だと短所をあまりはっきりと教えてくれないこともあるので注意が必要です。他の人の評価を聞くときにも一人に限らず、距離感の違う何人かの人に聞いて回ってみるのが良い方法です。
また、他の人の評価を聞くときには自己分析をした結果を伝えずにまず長所や短所などについて質問をして見ましょう。先に自己分析の結果を伝えてしまうと、それに基づいて正しいか正しくないかといった評価ばかりになってしまいます。バイアスを持たずに率直な意見を聞いてみた方が、自分の気づいていなかった一面を教えてくれる可能性が高くなります。そして、後から自分で考えた評価と照らし合わせてみるとより客観的な評価ができるので、まずは相手の意見を聞くことを大切にしましょう。
まとめ
看護師が就職しようとするときには自己分析をして、取り柄や苦手が何かを客観的に理解するのが大切です。主観的に把握してしまったのが原因で正しく自分を理解できず、就職に失敗してしまうケースがよくあります。他の人に自己分析の結果を伝えて意見を聞いたり、自分の評価を説明してもらったりして客観的に自分を理解するように努めましょう。
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