高齢者の皮膚トラブルをアセスメントする 

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#2371 2023/11/07UP
高齢者の皮膚トラブルをアセスメントする 
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病院や老人ホームなどにいる高齢者に関しては、入院が長引くほど臥床していることにより、皮膚トラブルを起こすことがあります。ここでは、高齢者の皮膚トラブルについて、どうして起こったのかなどアセスメントする内容についてお話します。

・皮膚が乾燥している

高齢者の場合は、皮膚が乾燥しているためトラブルを起こしやすくなっています。その乾燥していることにより、とても強いかゆみを伴うことがあります。かゆみがあると、知らず知らずのうちに肌をかきむしっている事もあり、ひどい時には出血を伴う事もあります。その時、痛みを感じないこともあり発見が遅れる事も少なくありません。
また乾燥している部位としては、特に背中や下腿等が粉をふいたようになっていることがあります。服を脱いだ時にそのことに気づきます。

・動きが少ない

高齢者の場合は、そのほかの年代の人よりも圧倒的に動きが少ないです。動きがあるということは、体の皮膚への負担が一箇所にならないことから皮膚のトラブルも少なくなります。
ところが高齢者の場合は、動きが少ないことから圧迫されている部位が多くなります。座りっぱなしの場合は、腰部に負担をかけることになります。ソノブイが赤くなったり炎症を起こすことがあります。
また寝たままの状態が多い場合は、背中への負担が多くなり圧迫により皮膚トラブルを受けやすくなります。

・寝たままであることが多い

寝たままになっていることが多い高齢者の場合は、背中への負担が強くなることから、寝たままの状態をできるだけ改善することが必要です。時間を決めて起き上がるように、サポートをします。
入院している高齢者の場合は、安静が必要となる期間を過ぎるとできるだけ早めに離床させるようにしていますね。そのことにより、筋力の回復を目指すことと、皮膚トラブルを減らせるメリットがあるからです。
老人ホームに入所している高齢者の場合は、朝と昼間に一回づつは起き上がり車椅子等に移動させるところが多いでしょう。そのことにより、体の一箇所に係る負担をできるだけ避けることができるようにサポートしています。

・車椅子に乗っている

高齢者の場合は、足腰が弱くなっていることから車椅子を使っている人が多くなっています。そのことから、椅子に座りっぱなしになる時に臀部に皮膚障害を起こすことがあります。
一番皮膚トラブルを起こしてしまうのは、やっぱり仙骨部です。仙骨部が突出しているのでその部分を圧迫することにより、赤くなったり剥離してしまうことがあります。そうなると、様子を見ることができないので処置が必要となります。座っている時に、腰を動かすことができない高齢者の場合は、少しの車椅子利用でもそのように臀部のトラブルを起こしてしまうことを知っておきましょう。

・おむつをしている場合

入院をしている時、老人ホームに入所している高齢者の場合は、おむつをしていることがあります。ずっと寝たままでいる場合と、時々起きる事もあるけど寝ている時間が多いという高齢者もいます。
そのような高齢者の場合は、夜におむつをすることが多いです。その時、おむつにより皮膚トラブルを起こすことになります。まずは、なんと言っても肌が汚れることにより炎症を起こしてしまうのです。臀部や陰部が汚れていて、それを拭き取る時に肌が弱い上に乾燥しているので剥離をしてしまうことがあります。
おむつをしている高齢者の場合は、肌トラブルを起こすことが多いと理解しておきましょう。

・かゆみがある

高齢者の場合は、皮膚が乾燥していることからかゆみを伴います。かゆみは体が温まることにより起こります。それは入浴をしているときや、その後にかゆみが強くなるのです。その時、ついかいてしまうことがあるのでかゆみを軽減させることができる保湿剤等を使うことが多いです。
肌を守るためにも、保湿剤を使うようにしましょう。保湿できるものとして、ワセリンが多く使われています。

・皮膚を清潔にする

高齢者の場合は、皮膚の抵抗力が少ないことから感染を起こしやすい状態となっています。そのことから感染を防止するために、いつも皮膚を清潔にしておくことが重要です。
しかし寝たままの高齢者の場合は、失禁があったりすることもありその時にいつも汚染している状態となります。その状態を放置すると、感染をおこしやすくなり皮膚トラブルも起こすことになるのです。
その時、頻回におむつ交換などを行う事が出来るといいのですが、そのように把握するのはかなりむつかしいです。また介護士が不足している状況の中であり、限られた時間の中ではますますむつかしくなります。
高齢者の場合で皮膚が特にデリケットであり皮膚トラブルを起こしやすい人の場合は、頻回にチェックすることが望ましいです。

・軟膏を塗布する

高齢者の場合は、皮膚が乾燥していることから、保湿をしてあげる事が大切です。入院をしている高齢者の場合は、短期間のため保湿剤を使う事がありません。しかし、褥瘡になりそうと思われる部位については、十分に観察を行いその後に必要と思われる時には、ワセリンなどを塗布することをおすすめします。保湿を行うことにより、褥瘡を予防する事ができます。
高齢者施設に入所している高齢者の場合は、毎日保湿をします。ワセリンを塗布したり、臀部などには状態により、軟膏を塗布することになります。その時、医師の指示により軟膏を使うことになります。皮膚トラブルを起こしそうと思った場合は、医師に相談や報告を行うようにしましょう。

・フィルムで保護を行う

高齢者の場合は、入院や高齢者施設に入所することにより寝たままの状態になる事があります。その時、臀部や背部等が圧迫により赤くなったり、炎症を行う事があります。その時、そのままにするとますますひどい状態になってしまいます。皮膚の回復力が低下していることにより、褥瘡になりかけたりびらんや剥離等を起こしたりすることがあるのです。
その場合はアセスメントを行い、尿や便等で汚染しないようにその部位について保護をします。保護をするのは、ガーゼやフィルム剤を使います。フィルム剤は、汚染してもその部位が汚れる事がないので、炎症を防ぐ事ができます。ひどい状態になる前に防ぐことができるので、とても良いケア方法となります。
傷の状態により、洗浄しガーゼやフィルム、テープを使うことをおすすめします。

・フィルムやテープなどによる皮膚の炎症

高齢者の場合は、皮膚の炎症が起きた時には看護師により保護をすることになります。その時、アセスメントを行いテープやフィルムなどを用いて保護を行います。しかしその保護剤により、その部位が炎症を起こしてしまう事もありそのことについて理解しておきます。
ひどくなるのは、テープやフィルムにより密着することで皮膚が傷ついてしまうことがあります。テープをはがした時などに、そのテープを貼用していた部位がそのまま赤くなっている場合は、肌トラブルを起こしたことになります。その部位についてはアセスメントを行い、ほかの保護剤を使うようにしましょう。テープを使わずに包帯で保護をしたり、かぶれないテープを使うことにより肌を守ることができます。

・カンファレンスや記録で情報共有

看護師は高齢者の皮膚トラブルを発見した時、必ずそのことについて記録を行うようにします。記録としては、その部位について文章で伝えることが難しいと思う事もありますね。できるだけ詳細を記録したつもりでも、ほかのスタッフが全て理解する事はむつかしくなります。
その場合は、適時カンファレンスを行い、観察する内容や処置について、いろいろな意見を交えて情報を共有し統一させるようにしましょう。

まとめ

いかがでしたか?高齢者の場合は、直ぐに皮膚トラブルを起こしやすいです。皮膚トラブルについては、一回起こしてしまうと、処置をしてもなかなか治りません。そのことからも、早期に発見して適切な処置を行うことが大切です。医師や看護師、介護士等でカンファレンスを行い、情報を共有することはとても重要なことと言えるでしょう。

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