長く勤務できる転職先といえば、ズバリ総合病院の外来です。看護師は3年目くらいまではリーダー業務を覚えたり、看護研究もあって多忙ですよね。またそろそろ同僚たちが結婚で退職したり、転職していったり。結婚や出産、育児、介護とライフイベントは今後のキャリアを考えるきっかけになると思います。そこで、今回は私の体験と私見とともに、「ライフイベントにも対応できる職場選びのコツ」についてお伝えしたいと思います。
【最適な勤務体系とは?】
・命を削り、仕事に捧げた独身時代
私は新人の頃から大学病院に勤めていました。休暇は4週6休で、有給はほぼ取れないばかりか、当時は3交替勤務だったので、家で過ごす時間は皆無。たまの休みも自宅でゴロゴロ、夕方に起きて買い出しや友達とご飯に行く、そんな生活でした。彼ができても、休みが合わずデートができない。しかたなく夜勤明けで会った日には、頭がボーッとして、「話を聞いていない」と怒られることもしばしば‥独身の時は命を削って仕事に集中していました。
・結婚して家庭を持ち、子どもができるとライフスタイルが大きく変わる
やがて結婚し、子どもが生まれると自分の時間が皆無。仕事もこなして、家庭も維持。当時私は2人目を出産して、1年は病棟勤務で夜勤をしていました。夜勤前に自宅で夕飯を作って職場に行き、朝仕事を終えた後は夕方まで病院の仮眠室で爆睡。その後帰り道で保育園のお迎えに行って、自宅に戻って家事と育児、保育園の支度などを行っていました。今考えても超ハード!!もちろん夫の協力や、時々お願いする実家の両親の協力もあってこその生活でした。しかし、上の子どもが年長になった時に「このスタイルでは小1の壁は乗り越えられない」と感じ、それまで勤めていた病院を辞め、転職を考えることに。
・子どもが小学生になると生活は一変
子どもが通う小学校は、朝の開門が8時15分です。できるだけ朝の「行ってらっしゃい」を子どもに言ってから通勤したいと考えていました。しかし、日勤の朝の申し送りは8時半が基本。送り出してからの出勤はどう頑張っても不可能です。この「朝の送り出し問題」も、転職を考えるひとつのきっかけでした。なにせ小学1年生って、子ども自身が緊張していて心は不安定。朝、元気よく送り出してあげることは子どもの心に寄りそえると私は感じています。「いってきます!」と子どもから返ってくると、私も朝のスイッチが入りますし、自己満足かもしれませんが気持ちがいいものです。
・朝は子を送り出せる勤務体系を選ぶべし!
私はその後、9時勤務開始で16時退勤の総合病院の外来パートに転職。子を送り出したあと30分通勤し、着替えの時間も含めて、なんとか間に合いました。そしてパートだと時間ぴったりに退勤できるのもメリット。いずれ子育てが落ち着いたら常勤に切り替える道もあることも、転職する際のポイントでした。クリニックですと中休みの時間と、少し残業があるため拘束時間が長いこと、少ない人数で回すので突発休みがしにくいことが私にとってはデメリットでした。その点、総合病院の外来だと人手があるので、比較的休みやすいと思います。また、夫と休みを合わせやすいと、家族でのおでかけや旅行の計画などもできるので、家庭内調和を目指すこともできます。
【福利厚生のチェックは外せない】
・時短勤務があるかどうか
病院に時短勤務があるのであれば、利用しない手はないと思います。私が最初に勤めていた職場は、1歳3ヶ月まで時短勤務が認められていました。ただ、病棟だと時短勤務はなかなか難しいかと。私は時短勤務の当時、整形外科の病棟に居ました。オペのお迎えが退勤時間の15時や16時になるため、別の看護師によく引き継ぎをお願いしていました。「いいよ!」と快く引き受けて頂きましたが、後々に他の看護師から、「いつも残業を押し付けられて困る」と周りに話していたと聞くと‥。やはり病棟は、スタッフ皆が受け持ち患者を持っていて忙しいです。外来であればそこまで自分で抱える仕事がないこと、引き継ぎをお願いすることが少ないため気持ちが楽だと思います。
補足:最近PNS(パートナーシップナーシングシステム)を導入している病院が増えています。仕事の状況をペアナースと共有できるので、病棟勤務でもやりやすいのではないかと思います。ご参考に!
・病児保育・看護休暇があるか
夜勤の時の突発的な子の病気に対応する難しさよ・・。夜勤を交代してもらうのって日勤以上に心苦しくないですか?最近では病児保育を自治体で設置しているところもありますが、事前に登録が必要であったり、当日の空きがない場合など、利用できないことも。院内に病児保育がある場合はかなり助けられます。また有給とは別に看護休暇があると、子供の病気で休みがとれるため、有給は自分の体調不良用や、小学校の個人面談や旗振りなど、平日に休むときにも 残しておくこともできます。
【通勤時間と残業について】
・通勤はできれば30分以内。残業はなしで。
17時に終わっても片道1時間通勤なら、18時に帰宅です。帰宅の途中に保育園や学童のお迎えがあれば、さらに帰宅時間は伸びます。そこから食事の支度、夕飯、皿洗い、洗濯、お風呂、宿題、明日の準備。9時にベットに入るのが目標なら、およそ2、3時間でそれを終わらせなくてはなりません。無理です。そして、私が声を大にして言いたいのは、「子どもは特に、低学年のうちは学校と学童で疲れていて、夕飯どきに寝てしまう」ことです。保育園の時はお昼寝があったため、夕飯どきに寝る事はなかったのですが、さすが小学生となると疲れもあって、ご飯が出てくるまでに寝てしまうのです!タイトな時間で多くのタスクをこなす母は、もうここで心折れます。なぜならその時間に寝てしまうと、子どもの夜の寝つきが遅くなってしまうため。夜一緒に寝落ちしてしまい、家事も中途半端になり、もうぐちゃぐちゃ。でも今思えば、親が勝手に決めたスケジュールに子供を無理やり合わさせていただけですよね・・。私は今は16時退勤で、17時には子の迎えも含めて自宅に帰って来れるので、少しゆとりが出来ました。それでも、忙しいことには変わりないので、世にいう3種の神器(洗濯乾燥機、食洗機、ルンバ)は揃えておいて損はないと思います。
補足:もうひとつ欲を言えば「夕食宅配」です。コストと嗜好の問題があるので、向き不向きがあります。ただ、家庭のスタイルにあえばかなりの時短になりますよ。
【体力問題とどう向き合うか】
・看護師の仕事は立ち仕事
基本、外来でも病棟でも、看護師は立っていることがほとんど。(記録やカンファレンスの時は座ることもありますが、座った途端に私は眠くなります。)注射も点滴も、検査介助も採血も、とにかく、病院では立って(急変時は走って)いるため、帰宅してから足はパンパン。自宅に帰っても家事や育児でフル回転。やっと一息、座れたと思ったらもう寝る時間です。
・子どもは大きくなるが、自分の体力は年とともに減少
だんだん子どもが育つにつれて、子育ての負担は楽にはなりますが、親の体力は少なくなってくるもの。私は現在40代半ばです。もう更年期に足をつっこみ始めたお年頃です。とにかく疲れやすくなり、特に生理前はイライラすることが圧倒的に増えました。ですので、仕事内容は少し、ゆとりがあるほうがいいです。病院の中で言えば、透析室やリハビリ室、地域連携室や採血室。勤務中、忙しさの波がありますが、急変や緊急対応などが少ないため、比較的ゆとりがあり座ることも可能な仕事だと思います。割とルーチン業務が多いので、悪くいうと退屈かもしれません。けれど患者さんに雑談ができるぐらいのゆとりって、大切だと思います。私くらいのお年頃のママナースにはあっている職場かと思います。
まとめ
いかがでしたか?引く手あまたの看護師ではありますが、一度離職してしまうと、復帰し辛いのも看護師という職業。しかし、常勤にこだわる必要はありません。パートで働くのも選択肢のひとつ。私はどんな形であっても看護師を続けることに意味があると思っています。ライフイベントはどんな方でもやってきます。ワークライフバランスが実現できる職場選びにこの記事が参考になれば幸いです。
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