入院している患者さんは、いろいろな症状を起こすことがあります。その症状のひとつとして、嘔吐がありますね。嘔吐は、なぜ起きるのかその後の対処などをしっかり知ってケアすることが大切です。ここでは、嘔吐の患者さんをアセスメントについてお話します。
・よくある症状として捉える
入院している患者さんの症状として、嘔吐が見られるととてもびっくりすることでしょう。それは、身近で通常の人が嘔吐することがあまりないからです。しかし入院している患者さんの場合は、いろいろな原因により嘔吐をすることがあります。そのことからも、入院患者さんの場合は、嘔吐することはよくあることとしてアセスメントをすることが大切です。 よくあることと言っても、その嘔吐をすることについてそのままにして見逃してはいけません。 それは、嘔吐があっても様子を見ていい時と緊急で対処を必要とすることがあるからです。嘔吐をする場合は、入院患者さんの一人一人の嘔吐原因が、違います。 そこでその原因をしっかり把握して、医師に報告するようにします。看護師は、症状に対して、その患者さんの考えられる原因を頭に入れながらアセスメントをして医師に報告をします。その内容により、医師も指示を出しやすくなります。
・予測できる嘔吐
嘔吐には、予測できる嘔吐とできない嘔吐があります。予測できる嘔吐の場合は、そんなに慌てることはありません。それは、対処する方法をある程度考えて動く事ができるからです。 予測できる嘔吐として、その患者さんのその時に見られる疾患によるものがあります。入院する前より、嘔吐がみられる場合は、入院後もあることが考えられます。そのため、患者さん自身も、嘔吐をしてしまったことについて原因がある程度わかるのでそんなに慌てる事がないのです。 もう一つ予測できるものとして、内服薬の副作用があります。患者さんが服用している薬についてアセスメントをして、嘔吐がある場合はその可能性も考えることになります。 しかし予測できる原因や内容でも、そのこととは違って嘔吐をしていることもあるのでそれが原因と決め付けるのはとても危険です。原因は、いろいろ考えられると思うことが大切です。
・予測できない嘔吐
嘔吐をしている患者さんの場合は、一番困ることとして予測できない嘔吐の場合です。その原因として、一番危険なのはなんといっても感染症です。感染症の場合は、嘔吐をしている患者さんだけではなくほかの患者さんにも感染してしまう危険があるので要注意です。 予測できない場合は、嘔吐物やその他の使用したものについて感染症対策を行うようにします。一番考えられるのは、ノロウィルスにより感染症です。ノロウィルスの感染は、かなり強力なので抵抗力が弱っている患者さんの場合は、特に感染しやすい状況になります。そのことを思い、嘔吐をしている患者さんの隔離をするなども検討するようにします。 また予測できない嘔吐として、脳疾患を発症していることがあります。頭蓋内圧の亢進による嘔吐の場合は、検査を至急で行うことが大切です。嘔吐をしている他の症状をアセスメントして、医師に報告をします。 また精神的な不安による嘔吐もあります。
・嘔吐の観察
嘔吐をしている患者さんのそばにいる場合は、どのように嘔吐をしたのかよくわかります。噴水状であったり、ゆっくり嘔吐をすることもあるなどその様子を見ることができます。 しかしほとんどの場合な、そのそばにいることが少ないのでその嘔吐物等を見てアセスメントをすることになります。嘔吐物は、そのまま直ぐに捨てたいところですが、アセスメント材料となることを知っておきましょう。 その中に血液が混じっていたり、食物残渣であるのかということもとても重要です。緊急性を要する場合もあるので、その嘔吐物を観察することが重要です。
・バイタルサイン
嘔吐があると、バイタルサインを測定するようにします。バイタルサインは、その時の患者さんを多角的に見ることができるいい方法です。まずは、必ずバイタルサインを測定します。 しかし気を付けることとして、直ぐに測定してしまうと脈拍や血圧は高い表示されてしまいます。患者さんが落ち着いてから、測定する方がいいでしょう。その時、発熱している場合は、炎症を起こしていることになるので隔離が必要です。 感染症である事も多く、その点で気をつけるようにします。発熱が見られる場合は、感染症であることを想定して患者さんを個室に収容することが望ましいです。個室に収容して、感染対策を行います。嘔吐物は、感染物としてノロウィルスの疑いがあるものとして始末をします。
・そのほかの症状
嘔吐が見られる場合は、その原因を明らかにすることが大切です。精神的なものなのか、それとも体の何かの悪い反応として起きてしまったのかアセスメントをします。 その時に重要となるのは、そのほかの症状です。そのほかに元気がない、チアノーゼがある、腹部が硬いかソフトであるのか、下痢をしていないか等をアセスメントします。そのアセスメント結果により、医師に報告をします。医師は、いろいろなことをアセスメントすることになるので、できるだけたくさんの情報を知りたいと思っています。そのことを思い、報告するようにしましょう。
・緊急性を要するものか判断する
嘔吐が見られた場合は、その時に最も重要なこととして緊急性を要するものであるのか判断をします。緊急性を要するものとしては、患者さんのバイタルサインに変化がある時です。発熱している、チアノーゼがある時には処置が必要となります。 発熱している場合は、輸液をして抗生剤等を投与することがあります。また患者さんの状態に応じて酸素投与も必要となりますね。看護師は、その緊急性を順次に判断して対処することと、医師への報告が重要です。嘔吐が頻回に有り、血圧が下がる事もあるので臥床させて足をあげる等対処するようにします。
・体位を工夫する
嘔吐があった時には、まず大切なこととして誤嚥を防ぐことがあります。嘔吐物が喉に詰まってしまう事もあるので、それに対して必ず対処します。まずは、体位を工夫します。できれば横にさせるようにします。体全体を横にして、枕等で患者さんの体位が崩れないように固定をします。 その時、患者さんができるだけ楽に過ごすことができる体位が大事です。そして必ず顔が横を向いているように固定をします。
・口腔内をケアする
嘔吐があった時には、とても不快な思いをしてしまいますね。それはなんといっても、口の中がねばつくなどの不快感があるのです。そのことから、口の中をさっぱりさせて上げるようにします。 うがいをさせる、口の中を拭き取る等の対処をしましょう。
・脱水予防
嘔吐があり、心配されるのはやっぱり脱水です。脱水は、直ぐに起こしてしまう事もある注意が必要です。脱水を起こしやすいのは、水分を取っていない時、お年寄りである場合などがあります。特にお年寄りの場合は、自分で脱水になっていることを気づかずにいる事も多いので、看護師が気づくことが大切です。皮膚が乾燥している、口渇感がある、だるさを歌える等は脱水の危険性があります。
まとめ
いかがでしたか?嘔吐はよくあることですが、その一つの症状により患者さんが悪くなってしまう事もあります。その時、早期にアセスメントしてそれを防ぐことが大切です。 看護師のアセスメントとその時の対処の仕方により、患者さんが早期に回復することを思い、嘔吐に対するアセスメント能力を現場で鍛えるようにしましょう。
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