看護アセスメントで失敗しないために押さえておきたい前提知識

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#2221 2023/06/15UP
看護アセスメントで失敗しないために押さえておきたい前提知識
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看護アセスメントは看護師にとって難しく、失敗するリスクがあると思われがちです。しかし、基本的なポイントを押さえておけば、誰でも正しくおこなうことができます。この記事では看護師が知っておきたい看護アセスメントの前提知識を解説するので参考にしてください。

#看護アセスメントには国際ルールや国内ルールがあるわけではない

看護アセスメントは正しくおこなう必要があるのは確かです。
ただ、国際ルールが定められているわけではありません。「この方法でやらなければならない」というルールがないので、勤め先の病院やクリニックによってやり方に違いがあります。つまり、看護アセスメントは就職先に合わせてやり方を学ぶのが大切です。
看護アセスメントをしたときには書類としてまとめて保管します。患者の看護計画を立てるときの参考になる書類なので、患者の看護を他の看護師に引き継ぐときには看護アセスメントのデータを見て何をすべきかを考えるのが一般的です。
そのため、病院やクリニックのルールに従って看護アセスメントをすることで引き継ぎが簡単になります。意味がわからない、読みづらいなどといった原因でトラブルが起こることもあるので注意しましょう。今まで看護師として働いてきた人も、転職したら看護アセスメントのやり方や書き方は変わることがあるため、入職後に確認することが必要です。

#看護アセスメントの理論はたくさんある

看護アセスメントをするときにはフレームワークを用いるのが一般的です。ヘンダーソンの14の基本的要求や、マズローの欲求5段階説、ゴードンの11の機能的健康パターンなどがよく看護アセスメントに用いられています。
勤め先によってはどの理論に基づいて看護アセスメントをすべきかが決まっているので、理論を勉強してから進めるようにしましょう。どの理論も枠組みや思想が異なるだけで、基本的に看護に必要なポイントをカバーできるようになっています。
患者の欲求の捉え方や、健康についての考え方がやや異なるだけです。特に勤め先で指定がないとどれを使っても良いと思うかもしれません。
しかし、実際には暗黙の了解でどの理論を使っているかが決まっていることがあります。先輩や看護師長に参考にすべき理論についてアドバイスをもらってから看護アセスメントを進めるのがおすすめです。
特に看護師長や副看護師長がこだわりを持っていて、現場では当然のように特定の理論に基づいて看護アセスメントをしていることがあるので気を付けましょう。

#看護アセスメントの書き方は理論が違っても同じ

看護アセスメントをしたら書類として残すのが一般的になっています。看護アセスメントの結果を踏まえて、看護師が何をすべきかを考えることになるため、看護内容を決めた根拠書類として重要だからです。
看護アセスメントの書き方は勤め先によってはフォーマットができていて、書き込むだけで書類を作れます。
特にフォーマットがない場合にも、看護アセスメントの書き方はどの理論を使ったとしても同じなので簡単に書けます。看護アセスメントを書くときには、患者の観察などを通して得られた情報に基づいて記述していきます。まずは患者の症状を確認したり、訴えを聞いたりして情報を得ることが必要です。
検査結果や患者の声を事実として書きましょう。そして、患者の悩みや症状について原因が何かを分析して記述します。

次に、原因に基づいて、この段階で看護をして改善を図らなかったらどうなるか、ケアができたとしたら患者にどのようなベネフィットになるかをまとめます。看護介入をすることによって改善になる根拠を添えて記述することが必要です。最後に、具体的に何をすれば改善の可能性があるかを考えて書きます。
その結果によって、看護介入しなかった場合と比べて患者にどのようなベネフィットを与えられるかを推察して記述します。このような看護アセスメントの書き方はどのような理論を用いても同じです。勤め先に看護アセスメントのフォーマットがないときには、この流れで書いておけば問題ありません。重要なのは事実をまとめた上で、原因を示し、看護介入によって何が変わるのかを根拠を持って記述することです。

#看護アセスメントの有無で患者の満足度が変わる

看護アセスメントは看護師が今後、患者のケアで何をすべきかを考察するためのステップです。患者の視点では医療の満足度が大きく変わる要因になります。
投薬や手術などの直接的に病気の治療になる医療行為については、医師が診察結果や検査結果に基づいて決めます。看護師は医師の指示に従って医療行為をすることはありますが、診療看護師などの一部の例外を除くと看護師は自分の判断で医療行為をすることはできません。あくまで医療の補助となるケアをするのが看護師の役割です。
しかし、看護の内容によって患者の満足度は大きく左右されます。
看護によって患者のメンタル面に訴えかけられるからです。病気で体を支えるのがつらいときに身体介助をしてもらえると助かるでしょう。気持ちが沈んでいるときに話し相手になってくれると心が安らぎます。
病気によってはメンタル面の影響で改善できるかどうかが変わる場合もあるので、いつも身近にいる看護師が治療効果の向上に貢献できることもあります。

看護アセスメントは根拠に基づいて何をすべきかを判断するためにおこないます。
きちんと考えて患者のためになる看護をする方法だと考えて取り組みましょう。患者の満足度が変わったかどうかはコミュニケーションを取ってみればきっとわかります。
看護アセスメントをして看護の内容を変えた後、しばらくして患者から喜ばれていたなら成功です。
誰もが素直に喜びの声や感謝の声をかけてくれるわけではないので、様子を観察して良い結果だったかどうかを見極めましょう。

#看護アセスメントに正解はない

看護アセスメントは正しくやらなければならないと思いがちです。確かに正しい看護アセスメントをして、的確な看護をすれば患者の満足度が高まります。治療効果も上がる可能性が高いでしょう。
ただ、看護アセスメントが正しかったかどうかは後になってからわかることです。アセスメント結果に基づいて看護をした結果として、患者の病気が治ったり、患者が満足してくれたりしたら成功と判断できます。
看護アセスメントでは根拠となる事実は同じでも、その根拠に基づいて何をしたら良いかを考えるのは看護師自身です。明確なガイドラインがある場合にはその通りに看護をすれば問題はないでしょう。
実際にはガイドラインがなく、臨機応変に対応しなければならない場合がほとんどです。看護師は経験や知識を活かして何をしたら患者の将来がより良くなるかを考える必要があります。
改善すると考えて実行しても特に変わらないということもあります。100点の回答はないと考えて、自分なりの答えを導き出して行動に起こすのが大切です。もし自分の考えたことに不安があるなら、他の看護師に相談してみましょう。もしメンターやプリセプターがいるなら看護アセスメントの結果を示して、アドバイスをもらうのがおすすめです。
制度上で質問できる人がいない場合にも、不安なまま行動に起こさずに先輩や看護師長に聞いてみるのが大切です。明らかに誤っている点については指摘してくれるので安心して看護を始められます。

まとめ

看護アセスメントで失敗しないためには、正しいやり方が決まっているわけではないことを認識して、患者のために何をすべきかを考えるのが大切です。根拠に基づいて何をするかは看護師が考えなければなりません。自分の判断が正しいかという視点ではなく、患者にとってベネフィットになるかをよく考えて行動に移すようにしましょう。

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