病院での実践的な看護アセスメントのコツを例を使って紹介!

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#770 2019/07/21UP
病院での実践的な看護アセスメントのコツを例を使って紹介!
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看護師を目指しているみなさん。看護師になったみなさん。日々アセスメントに悩むことがあると思います。アセスメントをし、なにに関連があってどんな問題に焦点をあてて看護介入していくのか、ここで例を紹介しながらわかりやすくご紹介していこうと思います。
 

アセスメントは論理的に考えることが大切

問題志向システムは患者さんのデータを収集・分析して看護問題を導き出し、一つひとつの問題ごとにSOAPの形式で記述してケアにつなげていくものです。

SOAPの構成は

  • 「S=(患者さんの)主観的情報」
  • 「O=客観的情報」
  • 「A=アセスメント」
  • 「P=計画」

です。

このようにして看護記録を付ける目的は、患者さんの情報を共有してケアに役立てるためですが、記録を書くこと自体が目的化してしまってないでしょうか?

「とりあえず記録の体裁を整えればいい」なんて中身は二の次にしてしまうと、うまく情報が共有されないことになってしまいます。

「情報を共有」するためには、自分だけじゃなく他の看護師が読んでも内容を理解できること、「ケアに役立てる」ためには、適切な道筋で妥当なケアを導き出していることが大切です。


SOAPを記述するときにありがちなミスは、本来は「1つの看護問題ごとに」SOAPを書くべきところを、いくつかの看護問題を混ぜこぜにしてしまうことです。

これは自分の中でよく問題が整理されていない証拠でもあり、ほかの看護師が読んだときになおさら混乱するばかりです。

例えば、最初は「義歯のケア」に注目していたものが、途中で「誤嚥性肺炎の予防」の問題にすり替わってしまったら、目的とケアがちぐはぐになってしまうのは当然です。


「SOAPは1つの看護問題ごとに記述する」ということを大原則として意識します。

それから、SとOの区別をしっかりと付けるのは当然のことですが、SとOを何のために書くのかという原点を忘れているケースは多いと思います。

S(主幹的情報)とO(客観的情報)をもとにしてA(アセスメント)が書かれ、さらにはP(計画)が導かれるわけなので、SとOには判断のベースとして十分な情報が挙がっていなければならないです。


「このSとOからすれば、誰が考えてもAとPにつながる」ということが言えるように書かなきゃダメということになります。SとOの記述が不十分であればAを導いたことの裏付けができなくなるわけなので、論理的にAを導くために必要なだけSとOを挙げるように意識しましょう。多すぎても少なすぎてもダメです。

こうして、「S×O→A」の流れを整えることを意識すれば、意味のないSOAPからは抜け出せるはずです。

例えば、こんな感じで。

S(主観的情報)

痰が多く出て気になる。
咳払いを頻繁にしなければならない。

O(客観的情報)

5分ごとに吸引希望あり。
吸引量は多いときもあれば、まったく引けないときもある。

A(アセスメント)

患者の感覚と実際の吸引量にギャップがあることから、咽頭違和感の程度を確認するとともに、その原因を検討して対応する必要があると考える。

P(計画)

咽頭違和感についてチェックシートを開始する。
同時に、痰の性状・吸引量や呼吸状態についても確認する。

SOAPの記述はPで終わりますが、本当はその先に目指すゴール(いわばG)があるはずです。
「患者さんの状態をどういうところへ持っていきたいのか」ということが見えていなければ、適切なPは立案できないです。


「SOAP→G」までを一連の流れとしてとらえて、意味のある看護記録を書いていきたいですよね。

そういえば、書き始めたときに考えていたことと、書いている途中で思いついたことと、ごちゃごちゃになっていたかもしれません。慣れないうちは戸惑うかもしれないですが、慣れてくれば自然とポイントを押さえたSOAPが書けるようになってきます。

うまくSOAPを使うことができれば、問題が整理しやすくてパッと見てわかりやすい看護記録になるんです!

ここで、実践的な現場でよくあるような、例をあげていきます。

看護領域には、いくつものの領域がありますが、たとえば例として、腹痛による原因精査のために入院。大腸癌で苦しんでいるが、今後在宅医療を余儀なくされている患者さん。

アセスメントをするためには、まず、その人の今までの既往歴、生活環境などを聴取します。


要するに、情報収集を行うということです。

情報収集を行わなくてはその人をアセスメントすることができません。キーワードとして、大腸癌の患者さん、在宅医療がありますが、これだけでは生活環境がわかりません。

たとえばこの患者さんが身寄りがなく、一人暮らしだったとします。

その時に誰がこの人を支えるのか、キーパーソンを探し出さなければいけません。

サービスを導入するためには介護保険の申請や、医療費のことなど、サービスを入れることのできない時間をどのようにするのか、一つ一つ問題を解決していかなければいけないのです。


そのために情報収集は大切です。

では、ここで、大腸癌のある患者さんですが、妻は患者と同い年の80歳で専業主婦であり、献身的に面会に来ているとしましょう。

それに対してのアセスメントは、キーパーソンは妻がいるが、年齢が高齢であるため老老介護の問題があげられる。
  • そのため、サービスを導入する際に、妻の負担を緩和しなければいけない。
  • 介護等級を上げ、妻の負担を減らすためのサービース導入が必要である。
こういったアセスメントになります。


現在の日本では入院したその日から退院についてをカンファレンスし、考えます。

アセスメントは難しいという概念があるかもしれませんが、決して難しくはありません。なぜならば、情報収集をしっかりとして、今まで学生時代にやってきた知識があればできるのです、

ここで注意なのは、全ての人が共通認識して理解できるアセスメントにすることです。

これは、看護記録を見る人は自分だけでなく他の人も見るからですね。ぜひ、このことを元にアセスメントをやってみて下さいね!

まとめ

①SOAPを考える時はまず情報収集から!なぜならば、情報がないとアセスメントができないからです。

②記録を書くこと自体が目的化しない!「とりあえず記録の体裁を整えればいい」なんて中身は二の次にしてしまうと、うまく情報が共有されないことになってしまいまうため、「情報を共有」するためには、自分だけじゃなく他の看護師が読んでも内容を理解できることが大切です。

③「ケアに役立てる」ためには、適切な道筋で妥当なケアを導き出していることが大切です。SOAPを記述するときにありがちなミスは、本来は「1つの看護問題ごとに」SOAPを書くべきところを、いくつかの看護問題を混ぜこぜにしてしまうことです。これは自分の中でよく問題が整理されていない証拠でもあり、ほかの看護師が読んだときにわかりません!プランまでしっかりとたてましょう!

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