看護アセスメントのコツを伝授!「心身機能と退院後の生活をイメージ」

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#722 2019/06/03UP
看護アセスメントのコツを伝授!「心身機能と退院後の生活をイメージ」
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私は、回復期リハビリテーション病院で働く28歳の看護師です。
この病院では、沢山の事を経験し、学ばせてもらいました。
私の看護師観の原点でもあり、アセスメントの方法もここで学んだ物です。
私の経験や、患者様のエピソードを含めながらアセスメントの際のコツを紹介したいと思います。

アセスメントをする前の情報収集

患者様の担当になり、始めに行うのが情報収集です。

もちろん、疾患についてや既往歴も大切なのですが、アセスメントをしていく中では、患者様のバックグラウンドも大切になってきます。

どんな生活を行い、どんな家で、誰とどのように過ごしてきたかを知る事はとても大切な事です。これを知ることによって、退院後の生活をイメージしながら看護を行う事が出来るのです。

入院中ただ、食事や着替え、排泄の介助を行うだけでは、退院後の生活で困る事も出てくるのです。これらは、カルテ等の紙媒体から全て知れるとは限りませんので、家族様や本人からの情報収集がとても大切になってきます。

退院後の生活をイメージしながらリハビリを行う理学療法士や作業療法士、患者様との付き合いの長いケアマネージャーや情報を持っているソーシャルワーカーからの情報収集を行う事も多いです。

退院後は居宅か施設か方向性を考慮してアセスメントを行う

患者様が退院後にどこへ行くのかもアセスメントでは必要な情報になってきます。
例えば、居宅で独居なのであれば、着替えや排泄、食事から服薬管理まである程度は全て1人で行わなければなりません。

そこに一緒に住む家族様がいるのであれば、どの程度家で過ごしていて、患者様本人と過ごしてもらえるのか、どの時間なら介助をしてもらえるのか等と考え方が変わってきます。

それに、居宅は難しく施設への入所になると、介助してもらえる事も多いですし、入院中に獲得しなければいけない生活動作は減ります。

このように、退院後の生活をイメージしながら看護を行う為には方向性の確認が大切になってきます。

発症前後の生活を含めてアセスメントを行った事例①

いくつか簡単な事例でアセスメント内容を紹介していきます。

脳梗塞を患い、軽度の右片麻痺となった70代男性Aさん。
元々は、独居で1人で年金生活を送っていました。
退院後は、自宅へ戻り1人で生活を再び送る事になったのですが、麻痺も軽度だったので認定調査では要介護1となりサービスはあまり利用出来ないの状況でした。


これらを含めた上で、アセスメントを行い看護師の方では服薬管理の練習を行う事にしました。服薬は毎日の事なので、自力しなければヘルパーや訪問看護等の訪問が必要となってきます。

自立した生活を送る為に始めは、食事のトレーに薬を置いて1人で飲む練習を、次に週毎のカレンダーに薬を入れて自分で薬を取り飲む練習、最後には自分で服薬カレンダーをセットし飲む所まで行ってもらいました。

これにより服薬は自立となり、在宅でも1人での生活が送れています。

発症前後の生活を含めてアセスメントを行った事例②

廃用症候群と股関節の骨折があり入院をした80代女性のBさん。

元々施設へ入所していたのですが、離床拒否があり、1日の大半をベットで過ごされている状態となっていました。
その為に、廃用症候群となり骨も折れやすくなっているのだと考えられました。


再び、同じ施設へ退院すると方向性も決まり、看護師では離床時間を増やすようにして行く事になりました。

ですが、Bさんの離床拒否は強く、車椅子に座っても部屋へ帰りたいと言ってきかないのです。ですが、私達看護師は部屋へはなるべく帰さずに、Bさんの興味のある事を探しました。

病棟で行う、レクリエーションの参加やイベントに参加してもらいましたが拒否あり。
そこで、私達の業務の手伝いを行なってもらいました。

タオルを畳んだり、封筒を作ったり簡単な作業だったのですが、Bさんは「他にはないの?」と自ら作業の追加はないか聞いてくれる発言も聞かれるようになっていました。

食堂での手伝いが日課となりつつあったので、退院カンファレンス時に、施設のスタッフの方が来ていたので、病棟での様子を伝え、手伝いの作業をしてもらえば離床出来る事を伝えました。

すると、退院後Bさんは施設の方の手伝いを行いながら、車椅子に座り、起きている時間が増えたとの事でした。起きている時間が増えた事で、血圧も安定し、心身ともに状態は良いそうです。

発症前後の生活を含めてアセスメントを行った事例③

脳梗塞を患い、左片麻痺となった60代男性Cさん。

独居で過ごしていたのですが、今回の発症を機に娘家族との同居が決まりました。
ですが、娘さんの家族様は全員、日中は働いているのでCさんは日中1人の時間が多くなります。

それを含めた上でアセスメントを行なった結果、Cさんにはポータブルトイレを使ってもらう事になりました。

まず、ベットサイドでのポータブルトイレの動作を自立させる事。

そして、排泄後はナースコールを押して排泄が終わった事を伝える事を目標にしました。


ナースコールは、退院後1人で過ごしている際に何か変わった事があった際に助けを求めるための練習です。

Cさんは、若かった事もありポータブルトイレはすぐに使えるようになりました。
ナースコールも押し忘れ無く使えていたので、安心して退院する事が出来ました。

これらのように、私達の病院では入院前の情報と退院後の情報を組み合わせてアセスメントを行い、病棟での看護の方法を検討していきます。

私達の病院はリハビリテーション病院なので、リハビリ的要素が多いですが、目標を達成出来た際には患者様から喜びに満ちた嬉しい声を聴く事が出来ますし、私達看護師も達成感があります。

病院や看護師によってアセスメントの考え方も多少違ってきます。

もちろん看護師として疾患に対してのアプローチも大切ですが、このように入院前や、退院後の生活をイメージして看護を行う事もとても大切な事なので、意識してみて下さい。

まとめ

看護師として、どのような看護計画を立てるかアセスメントを行う際には、疾患だけでなく病前や退院後の生活を含めてアセスメントを行う事が大切です。
それを踏まえた上で、食事や着替え、トイレ動作等のADLを介助してしまうだけではなく、退院後の生活を過ごしやすいようにリハビリ要素を含めながら病棟での看護を進めていく必要があります。

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