看護アセスメントと看護診断の関係は?NANDA-I看護診断は必要?

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#2403 2023/12/09UP
看護アセスメントと看護診断の関係は?NANDA-I看護診断は必要?
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看護アセスメントは看護診断と密接なかかわりがあります。看護診断について理解していないとアセスメントに苦労することが多いので注意しましょう。この記事では看護アセスメントと看護診断の関係を解説します。有名なNANDA-I看護診断が重要なのかどうかも説明するので、今後の看護スキルアップに活用してください。

#看護診断とは

看護診断とは看護過程の中でアセスメントの次におこなうプロセスです。看護の観点から患者が負っている問題を分類して、どのような看護計画を立てれば良いかを判断する次のステップにつなげるステージになっています。看護診断ではNANDA-Iなどのモデルを使用して、患者の抱えている問題点をカテゴリーに当てはめていきます。現場によって使用されている看護診断モデルは異なりますが、NANDA-Iの場合にはヘルスプロモーションや栄養などの13領域に分類して患者の状況を表現します。

・看護アセスメントとの関係

看護診断は看護アセスメントの結果を受けて、看護問題を明確にすることが目的です。看護アセスメントでは患者の主観的情報と客観的情報を収集して整理し、詳細を分析して患者の状況について評価します。検査結果や患者の主訴などを総合的に見ると、患者が抱えている問題を正確に把握することが可能です。看護アセスメントを通して把握した患者の問題点を、看護の視点から分類して看護介入の方針を立てるための情報整理をするのが看護診断のプロセスです。看護アセスメントの結果は医師や薬剤師などがそれぞれの専門的見地から分析する資料として活用できます。看護アセスメントをして看護師が何をすべきかを考えるための基礎を作り上げるのが看護診断です。

#NANDA-I看護診断とは

NANDA-I看護診断とは「The North American Nursing Diagnosis Association」(NANDA、北米看護診断協会)の提唱する国際的な看護診断基準です。NANDA-IのIはInternationalの頭文字を取っています。システマティックに看護診断をおこなえるように領域や構成要素などを明確化していて、一元的で画一性があるのが特徴です。NANDA-Iは世界的に取り入れられている標準的な看護診断のアプローチなので看護師は理解しておくことが大切です。看護アセスメントをするときには、NANDA-Iに基づいて看護診断をすることを念頭に置いておくとスムーズに看護過程を進められます。

#NANDA-Iの13の領域

NANDA-Iを看護診断に活用するうえでまず重要なのは領域の理解です。NANDA-Iの領域は患者の状態をアセスメント結果によって看護の観点から正確に見極められるように作られています。NANDA-Iでは看護診断の領域を以下の13個に分類しています。
・ヘルスプロモーション
・栄養
・排泄と交換 
・活動と休息
・認知
・自己知覚
・役割関係
・セクシュアリティ
・ストレス耐性
・生活原理
・安全
・安楽
・成長
看護アセスメントをした結果をNANDA-Iの13分類に落とし込むのが看護診断と言い換えることも可能です。アセスメントの際に得られた情報をNANDA-Iの領域と照合していくことで、アセスメントが正しいかどうかも判断することができます。また、患者の主観的情報と診察や検査による客観的情報に齟齬がある場合には、看護診断の時点で矛盾が生じるのでよくわかります。もしNANDA-Iの両機に分類したときに、首尾一貫していなくて腑に落ちない部分があるなら、アセスメントに戻ることが大切です。

#NANDA-Iの看護診断の種類

NANDA-Iに基づく看護診断は以下の3つのタイプに分類されています。看護アセスメントの段階で見出した看護課題と紐づけることができるため、すべてのタイプについて看護診断をすることが重要です。

・実在型看護診断(問題焦点型看護診断)
・リスク型看護診断
・ウェルネス型看護診断(ヘルスプロモーション看護診断)

3つのNANDA-I看護診断を総合して最終的な結論を導き出すことが必要です。ここでは3つの診断タイプについて、アセスメントとの関係と合わせて解説します。

・実在型看護診断(問題焦点型看護診断)

実在型看護診断は問題焦点型看護師軟とも言われています。実在型看護診断では患者の反応について好ましくない点について臨床診断の視点から判断をするのが基本です。
看護アセスメントでは患者の容態を主観的・客観的に理解できるように情報を収集して整理します。今の患者の主訴や診断結果をもたらしている原因がアセスメントを通してわかります。客観的な看護の視点で患者の反応を見たときに得られる結果は看護診断名につながります。そして、患者の反応を解釈するために用いた根拠が診断の根拠に相当します。そして、看護アセスメントで看護師が分析したことにより明確になった内容は、看護診断の関連因子としてまとめることが可能です。
実在型看護診断が問題焦点型看護診断と呼ばれるのは、患者にとって問題になっている反応に焦点を当ててアセスメントの結果を診断につなげるからです。看護過程に慣れていない看護師にとっては実在型と言ってもイメージが湧きにくいですが、問題焦点型と言われると意識すべきポイントがわかりやすいでしょう。

・リスク型看護診断

リスク型看護診断では実在型看護診断に基づき、リスクファクターを診断します。リスク型看護診断は患者にとって将来的に状態が悪化してしまうリスクのある危険因子を診断することが主な目的です。実在型看護診断によって看護診断名や関連因子が明確になります。この結果とアセスメントを照らし合わせることでリスク型看護診断が可能です。
看護アセスメントでは患者にとってストレスになっていることや、苦痛をもたらしていることなどの、患者に好ましくない要因を客観的な視点でピックアップします。その結果が看護診断名につながります。一方、患者の反応を分析することで、患者の主訴などが悪化するリスクのある要因を見つけることが可能です。アセスメントによる分析結果は患者にとっての危険因子の診断になります。

・ウェルネス型看護診断(ヘルスプロモーション看護診断)

ウェルネス型看護診断はヘルスプロモーション看護診断とも言われていて、患者がウェルネスや健康についてどのようにしたいかを診断します。ウェルネス型看護診断は患者の主観に基づいておこなうことが必要で、看護アセスメントの中で患者からヒアリングした主観的情報が診断の基本情報になります。
ウェルネス型看護診断ではリスク型看護診断と逆転の発想をします。患者の反応から今後のウェルネスや健康にどのような変化が起こるのかを考えて診断するのが基本です。患者の反応から症状や不安の改善が見込まれるといった看護診断をします。また、患者へのヒアリングを通して患者の健康増進に対する意欲や願望の内容に基づき、看護診断後の看護計画を立てる上で必要な指標を明確化します。患者だけでなく家族や社会によって、求められる健康の水準は異なります。特に治療が功を奏しているときにはウェルネス型看護診断を優先して、患者の願望に合わせた看護計画を立てることが大切です。

まとめ

看護アセスメントと関連が深い看護診断について詳しく解説してきました。NANDA-Iの看護診断と看護アセスメントの関係が理解できたでしょうか。NANDA-Iによる看護診断をする前提でアセスメントに取り組むとどんな情報を得て分析すべきかがわかりやすくなります。看護師にとってNANDA-Iは看護過程を進める基礎なので十分に理解して活用しましょう。

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