アセスメント能力が看護パフォーマンスの鍵!!

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#1450 2021/05/18UP
アセスメント能力が看護パフォーマンスの鍵!!
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看護師の仕事って何だろうと思うことありませんか?
看護師とは、療養上の世話をすること、医師の診療補助業務をする者とされています。もちろん、マニュアルがあれば出来ることも多々あります。しかし、私が経験して感じた看護師とは、人を看ることが出来る者だと思います。
患者様の状態を正しく把握、理解し、それに応じて必要な看護とは何かを考え、提供する過程においてアセスメント能力が必要なのです。

はじめに

看護師ってどんな仕事だろう?看護って何だろう?と感じることありませんか。
私は看護師として働く前や働いてから、何度もそう感じることがあります。厚生労働省の定義では「厚生労働大臣の免許を受けて、傷病者若しくはじょく婦に対する療養上の世話または診療の補助を行うことを業とする者」とされています。
療養上の世話や診療の補助とは実際どういった事をするかというと…
・トイレの介助やオムツ交換
・移動の介助
・清拭や入浴介助
・食事介助
・傷の手当の介助
・治療上の患者管理
・治療上必要な薬剤の投与
などがあります。
このような看護の業務には、もちろんマニュアルがあります。手順や注意点が書かれた参考書、院内のマニュアル、先輩からの指導で、ある程度の看護は提供できるようになると思います。
しかし、対象は患者様。患者様は人ですよね?
例えば、対象となるものが車の部品だったりすれば、手順や注意点通りにきっちり組み立てるだけで完璧な車を作ることが出来ます。それは部品それぞれに違いがないからです。でも、看護の対象となるものは患者様です。つまり人。患者様は個々それぞれ相違点を持っています。そこで必要な能力がアセスメント能力なのです。
患者様の状態を正しく把握、理解し、それに応じて必要な看護とは何かを考え、提供する過程においてアセスメント能力が必要なのです。

では、具体的に事例を挙げてお話します。

私は、整形外科病棟で長く勤務していました。そこで経験した事例です。
80代の男性 左大腿骨頸部骨折で入院、手術後3日目。既往歴に脳梗塞があり左上下肢不全麻痺あり。意思疎通は良好。もともと内服していた抗凝固剤を手術に伴い、ヘパリン点滴に置換していました。
術後でまだ入浴できないため清拭をしようと訪室しました。前日と同じように清拭しようと思ったところ、表情を見たときに違和感を覚えました。右広角にやや下垂がありました。患者様は自覚症状はなし。しかし、右上肢を清拭しようと思い、手を挙げてもらおうとしたら、保持しづらそうな様子でした。異常があると感じ、清拭は中断。バイタルサイン測定、瞳孔所見の確認、MMTを実施。血圧は130/90mmhg脈拍80/回台で異常はなし、瞳孔所見も問題なし。MMTは右上肢が悪くなっていました。呂律には変化はありませんでした。念のため、すぐに医師への報告を実施しました。
その後医師の診察の上、頭部CT、MRI施行し新しく脳梗塞を発症していることがわかり治療開始となりました。

この事例では、いつも通り、術後だから清拭をしようと思ったが、患者様の状況の変化を感じ取りアセスメントを行い、清拭よりも優先度の高い問題が発生し対処した事例になります。
ただ、清拭するだけではなく、しっかり患者様を看ることによって、優先度が高い、必要な援助を行うことができた事例だと思います。しっかりと患者様を看て、アセスメントを行い、看護パフォーマンスを上げることが出来ました。
この事例では、過去に脳梗塞を発症していたため血栓溶解療法は適応ではありませんでした。しかし、もし初めての場合であれば血栓溶解療法は時間との勝負になります。予後にも影響することになります。こういったことから看護師のアセスメント能力は、看護だけでなく医療の質への影響もあるのだと感じました。

アセスメント能力に必要なものは、幅広い知識と患者様の変化に気づく力が、まず基本的に必要だと思います。
整形外科の病棟に勤めていても、既往歴に糖尿病があったり、膠原病があったり、脳梗塞や心筋梗塞があったり様々な基礎疾患をもった患者様が入院してきます。
そのため基本的な病気の知識や薬剤の知識、手術による影響などを勉強しておく必要があります。これは急性期の場面だけでなく、慢性期でも同じです。糖尿病のコントロールで入院している患者様が転倒して骨折することもあるかもしれません。
看護師として、働きながら思うことは、いつも知識や情報を学ぶ、得ることが重要だと思います。
もう一つは気づく力です。気づく力は経験と患者様と向き合う姿勢で養われると思います。一人の患者様に対して適当に看護を提供するのではなく、一人の患者様に一生懸命、実習の時のように注視すると、日々の変化に気づくようになると思います。経験は先輩のしていることを記録から読み取り、カンファレンスなどの情報共有の場でたくさんの事例に触れるといいと思います。

そして、幅広い知識と気づく力がある程度備わったらアセスメントを繰り返すことでアセスメント能力が高まっていくと考えます。
学生時代に関連図を書きましたよね?それはアセスメントの基本だからです。得た情報や知識を系統立てて、分析し評価し今一番必要なことは何か考える、必要なことに対して何を援助したらよいか考えることがアセスメントです。バラバラのピースを集めて形にしていく作業ですね。
しかし、はじめは一人では難しいですよね。カンファレンスで話し合ったり、一緒に働いている先輩に相談したりしながらアセスメント能力を高めていくと良いと思います。
何度も繰り返しアセスメントしていると自分の中の引き出しが増えてアセスメント能力がいつのまにか向上していると思います。

今回、挙げた事例では治療につながるような重大なものでしたが、患者様の気持ちに寄り添うような場面でもアセスメント能力は看護パフォーマンスを上げます。
例えば、人工股関節置換術をした患者様の退院指導でマニュアル通りに、この姿勢は脱臼の危険性があるのでしないでください、という一般的な指導だけでは効果的な指導とは言えません。
患者様の自宅の構造や自宅でよくしてしまう動作などの情報や、退院したら家庭菜園をまたやりたいなど、そういった情報をもとにアセスメントします。
具体的に、しゃがんでの家庭菜園の作業はできないので腰くらいの高さで台を作り、プランターで家庭菜園をするようにしてくださいといった退院指導すると患者様に伝わりやすく、効果的な退院指導になると思います。
マニュアルだけではない個別性のある看護を提供するためにはアセスメントをする必要があるということです。アセスメント能力が看護の質を決めるということです。

最後に

マニュアル通りの仕事でも、看護師としてある程度働くことは出来ると思いますし、基本はマニュアル通りきっちりと看護業務ができなければなりません。
注射や点滴交換、基本的なトイレ介助などの生活援助の技術がないと仕事になりませんもんね。でも!看護師はそれだけではダメだと思います。それは対象になるのが人だからです。
そのためにアセスメント能力が必要になるのです。
患者様の状態を正しく把握、理解し、それに応じて必要な看護とは何かを考え、提供することが看護の質をよりよいものにするのだと思っています。それが看護師の仕事だと私は感じています。
つまり…アセスメント能力が看護パフォーマンスの鍵!!なのです。

まとめ

マニュアル通りの仕事でも、看護師としてある程度働くことは出来ると思いますし、基本はマニュアル通りきっちりと看護業務ができなければなりません。
注射や点滴交換、基本的なトイレ介助などの生活援助の技術がないと仕事になりませんもんね。でも!看護師はそれだけではダメだと思います。それは対象になるのが「人」だから。
そのためにアセスメント能力が必要になるのです。
患者様の状態を正しく把握、理解し、それに応じて必要な看護とは何かを考え、提供することが看護の質をよりよいものにするのだと思っています。それが看護師の仕事だと約10年働いて、私はそう感じています。
つまり…アセスメント能力が看護パフォーマンスの鍵!!なのです。

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