内科への就職・転職を考えている看護師さんや、内科と外科のどちらを選ぶか迷っている看護師さんは多いでしょう。内科では薬を使用して治療を行うため、看護師は長期的に患者さんに寄り添ってサポートしていく役割を担っています。
この記事では、内科と外科の違いや内科看護師の仕事内容、内科を選ぶメリット・デメリット、内科看護師に向いている人などを総合的に解説。内科に転職する方法についても紹介します。
内科とは
内科は全身の状態を確認し、幅広い病気の治療を行う診療科です。頭痛やめまい、吐き気、腹痛などの日常的な体調不良に対応しています。体調不良の原因が分からない患者さんは、最初に内科医に相談することが多いため、診断結果に応じてほかの診療科に引継ぎをする場合もあるようです。内科の患者さんは慢性疾患のある方が多く、年齢層が高めの傾向にあります。
内科は患部や疾患によって診療科目が分かれており、主な種類は下記のとおりです。
消化器内科:食道や胃、腸、膵臓、肝臓などを扱う
循環器内科:心臓や血管などを扱う
脳神経内科:脳や脊髄、神経、筋肉を扱う
呼吸器内科:喉や気管、肺などを扱う
上記のほかにも、内分泌内科や腎臓内科、心療内科など多数の種類があります。
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内科と外科の違い
内科は薬剤を用いて身体の中から治療を行うのに対し、外科は手術によって身体の外部から病変部を取り除いて治療するのが特徴です。外科の診療科目には、消化器外科や整形外科、脳神経外科、呼吸器外科などが該当します。
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内科への転職な
内科看護師のお仕事は、病棟勤務と外来・クリニックの勤務とで取り組む内容が異なります。ここでは、それぞれの仕事内容についてまとめました。
内科病棟勤務の場合
内科病棟における看護師の仕事は、注射・点滴・与薬などが基本です。内科病棟では症状の重い患者さんが入院しているため、バイタルサインのチェック・食事や排泄の介助・清潔面のケアなどの業務にも対応します。内科疾患は目で見て分かる急激な変化が少ないので、異常を見逃さないためにも、患者さんの様子を日々確認することが重要です。患者さんの症状によっては、生活習慣の指導を行う場合もあるでしょう。
看護師は患者さんの看護のほかにも、引継ぎや会議、ソーシャルワーカーとの連携、夜間巡回、カルテ・看護記録の記入などの業務を行っています。
内科外来・クリニック勤務の場合
内科外来や内科クリニックにおける看護師の仕事は、診察の介助が中心です。検温・血圧測定・問診・採血・点滴などを行い、内科医の診察をサポートします。外来に訪れる患者さんの多くは薬剤による治療を行っているので、内服の確認も重要な業務の一つです。職員数が限られるクリニックでは、備品の発注や医療器具の洗浄、心電図の測定などの業務にも対応する場合も。患者さんの誘導やカルテ整理、清掃などを行うときもあります。
内科看護師に必要とされるスキル
内科看護師として活躍するには、注射や点滴などのスキルや、医薬品・医療機器に関する知識が必要です。内科看護師に必要な勉強について知りたい方も参考にしてみてください。
なお、ここではスキル・知識の概要を紹介していますが、「内科に関する看護師技術Q&A」でさらに詳しく解説しています。
注射や点滴などの手技
内科看護師は、注射や点滴、採血をスムーズに行うスキルが求められます。内科の場合はほかの診療科よりも注射や点滴に携わる頻度が高いため、スキルを磨く姿勢が問われるでしょう。
医薬品に関する幅広い知識
内科では幅広い疾患や症状に対応するため、治療に用いる医薬品の種類も豊富です。看護師は各々の薬の効能や副作用について正しく理解しておく必要があります。患者さんに分かりやすく伝えられるよう、医薬品の知識を自分なりに整理しておくことも求められるでしょう。
患者さんの症状を把握する力
内科を受診する患者さんの症状は1つだけとは限りません。複数の疾患があったり、合併症が生じたりすることもあるため、内科看護師は常に複数の病気を想定しておく必要があります。患者さんは不調をうまく表現できない場合もあるので、症状を詳細に把握する観察力が重要でしょう。
消化器内科の場合:内視鏡の扱い
消化器内科では、胃カメラや大腸内視鏡、超音波内視鏡などを用いた検査を行います。機器の準備や洗浄、管理などは看護師の業務なので、機器を取り扱う知識が求められます。内視鏡検査・治療に積極的に携わりたい方は、消化器内視鏡技師免許を取得していると有利でしょう。
循環器内科の場合:心電図読み取り
循環器内科で働く看護師は、心電図を読み取るスキルが必要です。適切に患者さんの健康管理を行うためにも、心電図の波形を見てアセスメントを行うことがポイントとなります。
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内科看護師になるメリットとデメリット
この項では、内科看護師になるメリットとデメリットを解説します。内科を目指すかどうか迷っている方は、自分の希望する働き方に沿っているか確認してみてください。
内科看護師のメリット・やりがい
内科看護師のメリットは、基本的な知識・技術が身につく点や、患者さんとじっくりコミュニケーションを取れる点だといえます。以下で詳しく見てみましょう。
基本的な看護技術や知識が一通り身につく
内科では、点滴や採血といった基本的な看護技術や、主要な薬の知識などが身につきます。ほかの科に異動した際にも役立つスキル・知識が多いため、看護師としての基礎をしっかり学びたい方におすすめです。新人看護師にも適した診療科といえるでしょう。
患者さんやご家族と会話する機会が多い
内科看護師は薬の説明や生活指導を行うため、患者さんやご家族とコミュニケーションを取る機会が多い傾向にあります。患者さんとこまめに会話しながら働きたいと考える看護師は、やりがいを感じられるでしょう。
緊急対応が少ない傾向にある
緊急対応が比較的少ないことも、内科看護師の仕事のメリットとして挙げられます。緊急対応時の緊迫感やプレッシャーが苦手な方も働きやすい職場といえるでしょう。
内科看護師のデメリット・大変さ
内科看護師には大変なことや苦労することもあります。以下を参考にしてみてください。
患者さんに説明するための医療知識が必要
内科では、患者さんに薬や検査の説明をする役割を看護師が担っています。そのため、最新の医療知識を常に学ぶ姿勢が求められるでしょう。多くの知識のインプットが必要なことは、人によってデメリットと感じられるかもしれません。
治療の成果を見た目から判断しにくい
内科の患者さんは外科の患者さんと比較すると、治療の成果が見た目で判断しにくいといえます。成果がはっきり見えることにやりがいを感じる方は、もどかしく思うときもあるかもしれません。
内科看護師に向いているのは、コミュニケーションを円滑に取れたり、長期的な視点でケアを行っていけたりする人です。詳しくは、以下を確認してみてください。
患者さんとしっかりコミュニケーションが取れる
内科看護師は患者さんの状態を的確に確認するため、会話や観察をしっかり行えることが重要です。また、患者さんが安心して治療を受けられるように声を掛けるのも、看護師の大切な役割といえます。患者さんと信頼関係を築けるコミュニケーション能力があれば、より良いケアを提供できるでしょう。
長期的な視点で患者さんをサポートできる
内科には長期にわたって治療が必要になる患者さんが多いので、根気良くサポートしていける看護師が活躍できます。たとえば投薬治療では、薬の効果が現れるまでに数週間の時間を要することも。そのため、看護師は患者さんの容体の変化を長期的に見ていくのが大切です。せっかちな方や、ケアより処置をしたい方は内科向きではないかもしれません。
ほかのスタッフからの情報や意見を取り入れる
内科では、医師や周囲の看護師とこまめに情報共有を行い、協力して患者さんをサポートする協調性も求められます。ほかのスタッフからの意見も取り入れ、患者さんのケアに役立てる柔軟性がある方は頼りにされるでしょう。
内科の看護師に転職するには
ここでは、内科の看護師に転職する際のポイントを紹介します。
自分の経歴や得意なことを整理する
まずは自分の経歴やスキル、得意なこと、看護観などを書き出して整理してみましょう。自分の強みが分かれば、職場選びや選考の際に役立ちます。
職場に求める条件を明確にして優先順位をつける
つづいて、転職先に求める条件を明確にしておきましょう。看護師としての目標や希望する働き方、生活の状況などをもとに考えてみるのがおすすめです。現職の悩みや、転職したい理由から希望条件を考える方法もあります。すべての条件を満たす職場は見つかりにくいこともあるため、条件に優先順位をつけておくと良いでしょう。
応募先に合わせて志望理由・志望動機をまとめる
気になる求人を見つけたら、求人票や公式Webサイトなどをよく読んで情報収集を行いましょう。内科が初めての看護師さんは、教育・研修制度が充実した職場を選ぶと安心です。応募の際には、応募先の求める人物像に合致するように志望理由・志望動機をまとめるのがポイントです。
内科の看護師になる方法転職エージェントを活用する
初めて転職活動をする看護師さんは、分からないことや不安なことも多いでしょう。内科への転職を成功させたい方は、転職サイトや転職エージェントを活用するのがおすすめです。
転職サイトなら条件を絞って求人情報をチェックできるので、効率良く応募先を探せます。転職エージェントでは、希望条件に合った求人を紹介してもらえるほか、応募書類や面接練習といった転職活動のサポートも無料でしてもらえるのが一般的です。
看護師に特化した転職エージェント「レバウェル看護」では、職場に関する詳しい情報提供や職場見学にも対応。職場の雰囲気を確かめられるうえ、応募先に聞きにくいことがあってもキャリアアドバイザーを通して質問できます。
内科看護師に関するQ&A
ここでは、内科看護師に関する質問にQ&A形式で回答していきます。
内科看護師と外科看護師はどっちが大変ですか?
どちらが大変とは一概にいえません。内科では専門知識を理解し、患者さんへ分かりやすく説明するのが大変だと感じる人もいます。外科では入退院が多くて忙しくなったり、急変時の対応が求められたりすることが大変といえるでしょう。転職においては双方のやりがいと大変なところを比較し、自分に向いていると思う分野を選ぶことが重要です。
内科看護師に向いてるのはどんな性格の人ですか?
聞き上手な人や根気良く物事に着手できる性格の人は、内科看護師に向いているでしょう。内科では慢性的な症状にお困りの患者さんも多いため、聞き手に回って不安を和らげたり、長期的にサポートしていく姿勢を示したりすることが大切です。
まとめ
内科では、幅広い疾患に対して薬剤を用いた治療を行います。病棟で働く内科看護師の仕事内容は、点滴や注射、与薬などが中心です。外来やクリニックで働く内科看護師は、主に診察の介助を担当します。内科看護師は患者さんやご家族に治療や薬の説明をするため、コミュニケーション能力が求められます。内科は慢性疾患を扱う場合が多いので、外科と比較すると症状の改善を判断しにくいですが、患者さんを長期的にサポートしていけることはやりがいにつながるでしょう。
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