看護アセスメントにかかる時間が長くてつらいと思っていませんか。残業する原因が看護アセスメントの記録を付ける作業に時間がかかるからだという人もいます。どのようにしたら無駄な時間をかけずにできるようになるのでしょうか。効率を上げるためのコツを紹介するので、ぜひ取り組んでみてください。
#看護アセスメントの記録の効率を上げるために必要なこと
看護アセスメントの記録はかなり時間がかかる人もいます。ベテラン看護師になるとあっという間に書き上げている場合もありますが、新人看護師のうちは1時間くらいデスクの前で頭を抱えてしまうこともあるでしょう。看護アセスメントの記録の効率を上げるには何をしたら良いのでしょうか。まずは以下の三つから取り組むのがおすすめです。
・ルーチンにできるフレームワークを用意する
看護アセスメントはいかにしてルーチンにできる範囲を広くするかが重要になります。考えなければならないことをできるだけ減らし、さっと終わらせられる作業の割合を大きくすると効率が上がります。ルーチンにできるフレームワークを用意するのが最も近道です。
看護アセスメントでは分析や判断をするための情報が必要です。情報に基づいて評価をするのがアセスメントで、その結果に基づいて今後の対応を決める根拠にします。
この考え方を基本としてわかりやすいフレームワークを用意するのがおすすめです。SOAPによる看護アセスメントが一般的になっています。SOAPと言われると難しそうに感じるかもしれません。しかし、単純に言えば、患者の訴えていることと医療従事者が見出したことを情報として、アセスメントをするだけです。ただ、情報整理をするときに患者の主観なのか、検査結果や医師の診断なのかは分けた方がアセスメントをしやすいので、SOAPがフレームワークとしてよく用いられています。
・情報収集に時間がかからないように工夫する
看護アセスメントを効率化するには情報収集に時間をかけないように工夫することが必要です。同じ情報を二度取得していたら時間が二倍かかってしまいます。患者から聞いた情報、検査結果、医師や他の医療従事者からの所見は聞いた時点で書き留めましょう。データベースに入力して一元管理をすると、アセスメントのとき以外にも情報収集に時間をかけずに済みます。スマホを使える職場なら情報をスマホやアプリで管理するのも良い方法です。
・コミュニケーションを取って他のスタッフから情報や考察を得る
看護アセスメントは情報があったとしてもなかなか分析や評価ができずに困ることもあります。一人で悩んでいても解決できず、時間が無駄に過ぎていってしまうだけになりがちです。少し考えてわからないことがあると思ったら、すぐに周囲とのコミュニケーションを取りましょう。経験豊富なベテラン看護師に質問するのが最も手っ取り早い方法です。ただ、具体的に何がわからないかが明確になっているなら、情報収集のために他のスタッフに問い合わせをした方が良いでしょう。医師や臨床検査技師などに問い合わせて情報を聞き出したり、それぞれの見地からの考察をしてもらったりすると糸口が見えてきます。たくさんの人に問い合わせていると途方もない時間がかかりますが、正確なアセスメントをするのは重要です。疑問点があったときには必ず解決してアセスメントを完了しましょう。
#アセスメントを楽にするコツ
看護アセスメントをもう少し楽にできるようになりたいと思う看護師もいるでしょう。効率が上がったとしても、アセスメント自体が大変でつらいと嫌になってしまうはずです。スムーズにアセスメントをできるようになるにはどうしたらよいのでしょうか。
・頻繁にメモを取って思い出す労力を減らす
仕事をしている間にできるだけ頻繁にメモを取りましょう。スマホで管理することもできますが、さっと記録を残したいときには手書きのメモの方がわかりやすい場合もあります。付箋を利用して看護アセスメントに書いたものは捨てていくというやり方をすると情報の取りこぼしがなくなります。あのとき患者は何と言っていたかな、と思い出そうとするケースが多いとアセスメントはなかなか大変です。誤りがないようにカルテに戻ってチェックするのも大切ですが、スピードを上げつつ、ストレスを減らすにはメモを徹底するのがおすすめです。・
・アセスメントを溜めこまずに日々取り組んでいく
アセスメントは患者ごとに一定の看護や治療が終わった時点でその日のうちに書き上げるようにしましょう。つい後回しにしてしまって、何日も過ぎてから書き始めようとする看護師もいます。そのうちにまた一人、担当の患者の看護が終わってアセスメントをする段階になるかもしれません。担当している患者が多い人ほどアセスメントを溜め込まないようにするのが大切です。人によっては毎日アセスメントを書いています。看護を始める時点で患者の訴えていることや初回のバイタルチェックの結果などを記載しておき、その後、看護を進めていく過程で気になった点を追記していくというやり方です。まとめて全部書こうとすると時間もかかり、記憶を呼び戻すのも大変です。毎日10分くらいは時間を取って少しずつ書き進めていくと良いでしょう。
・他の人のアセスメントのやり方を聞いてみる
看護師のアセスメントのやり方は大枠は同じでも、実際にどのように進めているかは人によって違います。看護アセスメントを苦にしていない看護師を探して、どのようなやり方をしているかを聞いてみましょう。楽にやる方法に詳しい人もいれば、とても丁寧で書く楽しみを知っている人もいるでしょう。いろいろな人の話を聞いてみると自分にとって良さそうな方法がだんだんと見えてきます。良さそうだと思ったことは実際に試してみて、素早く楽にできるやり方を作り上げていきましょう。特に看護師になって間もない頃はやり方が具体的にわからなくて頭を抱えてしまいがちなので、どんどん周りの看護師に聞いて学ぶのがおすすめです。
#看護アセスメントにかかる時間を短くできないときの対策
看護アセスメントの工夫をしているのに、かかる時間がまるで短くならないという場合もあります。考えて書類を作成する仕事なので、得手不得手があって苦労してしまう人もいるのは確かです。単純にタイピングが苦手で遅いというだけでもアセスメントにかかる時間は長くなってしまいます。どうしても時間がかかってしまうときには以下の2つの対策を試してみましょう。
・他の看護師のアセスメント記録をフォーマットにする
短くきれいにまとめている他の看護師がアセスメント記録を見つけてフォーマットにしましょう。分量を少なくまとめられれば看護アセスメントにかかる時間は短くて済みます。同じ書き方をすると意外なほどに時間がかからなくなることも多いので試してみましょう。いくつかピックアップして比較してみると自分にとって書きやすいフォーマットを見つけ出せます。自分なりの書き方が必ずしも早いというわけではないので、他の人の記録をチェックするのは大切なポイントです。
・システムやツールの導入を上司に相談する
看護アセスメントにはカルテに書かれている内容から転記する部分もあります。自動で入力できたら楽だと思うのではないでしょうか。医療システムの導入がよくおこなわれるようになり、電子カルテも使われています。電子カルテからアセスメントのフォーマットにデータを自動入力するシステムを組むのもカスタマイズすればそれほど難しいことではありません。上司に相談してシステムやツールの導入を検討してもらうのも良い方法です。同じような悩みを持っている看護師が何人もいる場合には前向きに検討してくれるでしょう。
まとめ
看護アセスメントにかかる時間は工夫をすれば減らせるし、楽になるということがわかったでしょうか。情報をきちんとまとめてあれば評価・分析をするだけでアセスメントは終わります。仕事をしながら情報をメモして集めておいて、すぐにアセスメントをできるようにしましょう。他の看護師の記録も参考にすればきっと簡単に書けるようになります。
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