幅広い知識を持った診療看護師になって、活躍の場を広げよう

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#2067 2023/01/13UP
幅広い知識を持った診療看護師になって、活躍の場を広げよう
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今後も医療の現場は様々なニーズを求められます。看護師として働いてみて、もう少し幅広い知識があれば、もっとよい看護ができるのでは?と思った方もいるはず。今回は診療看護師という、新たなフィールドで活躍できる方法をお伝えします。

①診療看護師とは

決められたカリキュラムのある大学院で学び、修士課程を終えた看護師が取得できるものです。様々な事情によって医師が不在であるときに、迅速な対応ができます。厚生労働省が定める特定行為と呼ばれる21区分38行為を行うことができ、医師の直接指示または特定行為手順書に沿って、患者の容態に合わせて素早く処置を開始することができます。腹腔穿刺、気管内挿管、ERでの救急対応、手術助手などの本来は看護師は行うことのできない処置を、医師に代わって行うことができます。これはあくまでも一部です。診療看護師ができることは後述の通りです。

②診療看護師になるための方法

最短で7年を要します。
1.看護師養成の専門学校・短期大学・大学にて必要な単位を取得し、国家試験を受験し、看護師免許を取得後に臨床にて5年間の経験を積みます。

2.診療看護師養成過程のある大学院へ2年間進学し、所定の単位を取得し、各大学院の定める試験に合格、論文の審査に通過します。

大学院入学試験では、主に面接、筆記試験、書類審査があります。また、大学を卒業していなくても、卒業したと同等の学力があると認められた22歳以上であれば、受験することが可能となります。夜間に開講している大学院を選択すれば、働きながら通学することも可能です。また奨学金制度もあります。病院によっては、資格取得を支援して貰えるところもあります。2年間で総額300万円程度かかるため、制度を利用するのも一つの手です。資料請求できる、またオープンキャンパスを開催している大学もあります。学生生活のこと、お金のことをよく相談して、イメージしてみると良いと思います。
現在診療看護師養成過程のある大学院は、全国で以下の11校です。全国で学校数は多くないため、転居・転勤など必要な方もいるかと思います。
・北海道医療大学大学院
・国立大学法人 秋田大学
・東北文化学園大学大学院
・国立大学法人 山形大学大学院
・東京保健医療大学大学院
・国際医療福祉大学大学院
・佐久大学大学院
・藤田医科大学大学院
・愛知医科大学大学院
・公立大学法人 島根県立大学大学院
・公立大学法人 大分県立看護科学大学大学院

3.日本診療看護師教育大学院協議会が指定する試験に合格します。
また診療看護師は5年ごとの更新が必要となります。更新のために、教育現場を含む臨地実践2000時間以上、診療看護師としての教育や研究活動、社会活動の実績として基準を満たす必要があります。

③診療看護師ができること

診療看護師になり、実際にできる21区分38行為は次の通りです。
(1)呼吸器(気道確保に関わること)関連・・・経口用気管チューブ又は経鼻用気管チューブの位置の調整

(2)呼吸器(人工呼吸療法に係るもの)関連・・・侵襲的陽圧換気の設定の変更、非侵襲的陽圧換気の設定の変更、人工呼吸管理がなされている者に対する鎮静薬の投与量の調整、人工呼吸器からの離脱

(3) 呼吸器(長期呼吸療法に係るもの)関連・・・気管カニューレの交換

(4)循環器関連・・・一時的ペースメーカの操作及び管理、一時的ペースメーカリードの抜去、経皮的心肺補助装置の操作及び管理、大動脈内バルーンパンピングからの離脱を行うときの補助の頻度の調整

(5)心嚢ドレーン管理関連・・・心嚢ドレーンの抜去

(6)胸腔ドレーン管理関連・・・低圧胸腔内持続吸引器の吸引圧の設定及びその変更、胸腔ドレーンの抜去

(7)腹腔ドレーン管理関連・・・腹腔ドレーンの抜去(腹腔内に留置された 穿刺針の抜針を含む。)

(8)ろう孔管理関連・・・胃ろうカテーテル若しくは腸ろうカテーテル又は胃ろうボタンの交換、膀胱ろうカテーテルの交換

(9) 栄養に係るカテーテル管理 (中心静脈カテーテル管理)関連・・・中心静脈カテーテルの抜去

(10)栄養に係るカテーテル管理 (末梢留置型中心静脈注射用カテーテル管理)関連・・・末梢留置型中心静脈注射用カテーテルの挿入

(11)創傷管理関連・・・褥瘡又は慢性創傷の治療における血流のない壊死組織の除去、創傷に対する陰圧閉鎖療法

(12)創部ドレーン管理関連・・・創部ドレーンの抜去

(13)動脈血液ガス分析関連・・・直接動脈穿刺法による採血、橈骨動脈ラインの確保

(14)透析管理関連・・・急性血液浄化療法における血液透析器又は血液透析濾過器の操作及び管理

(15) 栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連・・・持続点滴中の高カロリー輸液の投与量の調整、脱水症状に対する輸液による補正

(16) 感染に係る薬剤投与関連・・・感染徴候がある者に対する薬剤の臨時の投与

(17) 血糖コントロールに係る薬剤投与関連・・・インスリン投与量の調整

(18) 術後疼痛管理関連・・・硬膜外カテーテルによる鎮痛剤の投与及び投与量の調整

(19) 循環動態に係る薬剤投与関連・・・持続点滴中のカテコラミンの投与量の調整、持続点滴中のナトリウム、カリウム又はクロールの投与量の調整、持続点滴中の降圧剤の投与量の調整、持続点滴中の糖質輸液又は電解質輸液の投与量の調整、持続点滴中の利尿剤の投与量の調整

(20) 精神及び神経症状に係る薬剤投与関連・・・抗けいれん剤の臨時の投与、抗精神病薬の臨時の投与、抗不安薬の臨時の投与

(21) 皮膚損傷に係る薬剤投与関連・・・抗癌剤その他の薬剤が血管外に漏出したときの ステロイド薬の局所注射及び投与量の調整

このような特定行為を行うためには、実践的な理解力・思考力・判断力と、高度かつ専門的な知識・技能を身につけている必要があります。

④診療看護師に求められる7つの能力

NP協議会によって以下の能力を身につけることを提示されています。
1.包括的な健康アセスメント能力・・・必要な情報を効率よく迅速に収集し、その人に必要な医療行為を判断することができる力です。
2.医療的処置マネジメント能力・・・効果的で公平な医療行為を臨機応変に行うことができる力です。
3.熟練した看護実践能力・・・医師の視点、看護師の視点から幅広い知識と視野を持って患者にとってより良い医療行為を行うことができる力です。
?4.看護管理能力・・・ほかの医療職種との連携を図るなど、問題解決能力、コミュニケーション能力を高めることによって、医療チームをまとめる力です。
5.チームワーク・協働能力・・・他職種とのスムーズな連携を図る力です。
6.医療・保健・福祉システムの活用・開発能力・・・ICT化が進む医療現場でそのシステムを有意義に利用することができるために、整備を行う力です。
7.倫理的意思決定能力・・・患者にとって1番近い存在となる看護師として、「その人らしさ」を大切にした看護・医療を提供するために、本人にとって最善の方法を考えることができる力です。
診療看護師として看護にあたるためには、より高度な能力が必要となります。以上の力を養うことが求められています。

⑤診療看護師が活躍する場所

大学病院、総合病院、診療所、訪問看護ステーション、老人介護施設と多岐に渡ります。現在は高齢化も進み、今後はますます在宅医療のニーズが高まってきます。そのことから、急性期だけではなく、在宅医療の現場でも活躍の場が広がっています。自分の活躍するフィールドはたくさんあります。自分の看護に合った場所で、高度な知識を活かして患者さんや利用者さんと関わることができます。また、診療看護師として勤務するとその分の手当てがつき、看護師として勤務するよりも給与が多くなります。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
看護師として働いてきて、そろそろスキルアップをしたい…という見通しを持っている方に、選択肢として考えて見てほしいと言う思いでこの記事を書きました。看護師としてスキルアップを目指すのにひとつの手段となる診療看護師。現場でも重宝される立場となるでしょう。この機会に、目指してみませんか?

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