適切なアセスメントを行うためのポイント

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#1993 2022/11/04UP
適切なアセスメントを行うためのポイント
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看護師の仕事において、アセスメントは患者様に適切なケア・看護を提供するためにとても重要なものです。的確なアセスメントには①正確な情報収集、②収集した情報を正しく分析する、③看護記録SOAPを理解することが重要。また情報収集力、観察力、分析力に加え、症状や疾患等の専門的な知識も必要となってきます。

看護師の仕事において、アセスメントは患者様に適切なケア

・看護を提供するためにとても重要なものです。
的確なアセスメントを行い、患者様の全体像をしっかり把握することによって、患者様の抱えている苦痛やストレス・負担の軽減、早期治療にもつながっていきます。そのため、看護学生時代には、“アセスメントの考え方”については何度も教わりますし、看護実習の際にも実習記録・ケアプランを立案するのにも必要となってきます。しかし、看護学生や新人看護師など経験のまだ浅い看護師の中には、アセスメントが苦手だと感じている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。そこで、ここではアセスメントとは何か、アセスメントを適切に行うためのポイントを説明していきたいと思います。本文を読み終えたときに、少しでもアセスメントに対する苦手意識が薄れ、翌日からの学業やお仕事のなかで活かすことが出来るようになれば良いなと思っています。

1.アセスメントとは

アセスメントとは、看護過程におけるプロセスの中の一つです。看護計画の作成に必要な情報を収集し、分析・診断することを指します。看護過程とは、アセスメント、看護診断、看護計画、看護の実施、評価の5つの要素から成り立っています。この5つの要素はそれぞれが関連しあっています。一般的に看護過程は一度行ったら終わりというような単純なものではありません。患者様へ看護ケアを行うにあたって、「看護過程」を繰り返し行っていくものになります。看護過程を展開する目的として、看護師が患者様の状態・状況を正しく把握して、患者様にとって必要な看護ケアを適切に判断し、どのようにしてケアを行うか決定したうえで、実際に看護ケアを実施していくことになります。

1)アセスメント…情報収集を行い、それらの分析を行う。
2)看護診断…アセスメントで得られた情報や分析内容をもとに、問題の要因を特定する。
3)看護計画…問題解決までの目標を設定し、実施計画を策定する。
4)看護実施…策定した計画に基づき看護ケアを実施する。
5)評価…実施した看護ケアから実際に、どのような結果が得られたのか評価する。評価の内容によっては看護計画の見直しを行う。
この5つの要素の中でも特に重要となってくるものが、「アセスメント」です。アセスメントは、情報収集し分析を行う過程ですが、分析にあたって必要な情報をいかに正確に収集できるかが重要となってきます。患者様に関する情報には、①主観的情報(患者様本人が感じる痛みや不調など訴えている情報)、②客観的情報(バイタルサインや、所見・問診・検査の結果といった数値化・視覚化できる情報)があります。これらの情報を収集し、整理したうえで、患者様の症状や疾患についての知識と照らし合わせながら分析をしていきます。そのため、十分な情報収集ができなければ正確に分析することは困難ですし、十分に情報収集ができても、分析するために必要な知識がなければ、これもまた正しく分析することは困難となります。的確なアセスメントを行っていくためには必要な情報を収集し、分析に必要な知識を持ち合わせている必要があります。そこで、的確なアセスメントをするために押さえておきたいポイント・コツを紹介していきます。

①正確な情報収集を行う

アセスメントをするにあたって、情報量が不足していると、患者様の一部分しか見えずに全体像を把握することが出来ません。また情報量が多くあっても、情報が正確でないと、正しく分析・評価することが出来ません。そのため、正確な情報をしっかりと収集していく必要があります。情報収集する上で看護理論をもとに収集することで、身体的な面だけでなく、精神的・社会的な側面など多方面から情報を収集していくことができます。看護理論には、ヘンダーソンの「14の基本的欲求」やゴードンの「11の機能的健康パターン」、マズローの「欲求の5段階」などがあります。看護学校では必ず習いますし、実習でも看護理論に沿って実習記録があったと思います。現場では使用される看護理論は異なってくるでしょうが、本質的な考えは一緒です。情報収集を苦手としている看護師さんは一度、看護理論について振り返るといいかもしれません。

②収集した情報を正しく分析する

正確な情報を収集したら、分析していきますが、情報をまとめ、読み解き、現状を判断・原因を特定し、今後を予測する力など考察力が必要となります。主観的情報だけではなく、客観的情報と合わせ、患者様の置かれている状態を判断していくことが必要です。患者様の置かれている状態が見えたら、現状から考えられる問題点・原因を特定していきます。そして、今後予測されるリスクや必要な看護ケアを考えていく必要があります。ここで、正確なアセスメントをするためには、症状や疾患、治療などの専門的な知識の有無でアセスメントの幅が全く異なってきます。専門的な知識がなければ十分なアセスメントをすることは難しくなります。症状や疾患、検査値に関する知識を日々学習していくこともとても重要となります。症状や疾患、治療内容などが理解できていれば、自然とアセスメントが繋がってくると思います。

③看護記録SOAP

アセスメント力を向上させるためには「SOAP」を理解し、意識した情報収集をすることが大切です。SOAPとは、S(Subject):主観的情報、O(Object):客観的情報、A(Assessment):アセスメント、P(Plan):看護計画であり、患者様の問題にフォーカスした看護記録です。S情報は患者様が実際に訴えてきたものです。実際に話した言葉以外にも、筆談や手話などの非言語的コミュニケーションも含みますし、また療養に関することであれば患者家族の訴えもS情報に含まれます。O情報は、看護師が目で見て、手で触れ観察したこと、検査データの結果などから得た情報です。O情報を記載していく時には、すべての情報を記載していくのではなく、考えられる問題に関する情報を選び記載します。必要な情報の取捨選択が難しい部分と思いますが、ある程度患者様の看護問題を意識しながら情報を取捨選択していき情報に統一性を持たせることが重要です。Aでは、S情報とO情報から、患者様の状態の問題点を明らかにしていく段階です。なぜ問題・異常であると考えたのか、また問題ないと判断したのか、その理由、また思考過程がアセスメントになります。看護学校では関連図を学ぶと思います。関連図を思い浮かべれば、現在の状態・予測される事態、必要となるケアも見えてくると思います。Pでは、看護師が実際に患者様に行うケアを記載します。SOAPではS情報やO情報が十分でなければ、的確なAはできませんし、それに伴うPも立案できません。そのため、情報収集力、観察力、考察力が必要になります。

まとめ

アセスメントは患者さんを身体的側面だけでなく、精神的・社会的側面など多角的な面から観察をし、十分な情報収集を行い、現在の状態、今後に予測される事態を分析・評価していく必要があります。的確なアセスメントをおこなうことは、患者様の苦痛・ストレス・負担等の軽減につながり、早期治療にもつながってきます。そのためには、必要な情報を収集する力、観察力、分析する考察力が重要になります。また、もちろん症状や疾患、検査値などの専門的な知識も重要になりますので、日々の学習もアセスメントを深めていくためにはとても重要となります。

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