卒業後に訪問看護を目指すためには何をしておくべきだろうか

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#1922 2022/08/27UP
卒業後に訪問看護を目指すためには何をしておくべきだろうか
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病院で臨床経験を積んだ後に、訪問看護師に転職する人はいるけれど、学生を卒業してそのまま訪問看護師になる人はまだまだ少ないのが現状です。しかし決して無理なことではありません。卒業後訪問看護師になるためにはどんなことをしておくべきかということを紹介します。

看護学校や看護大学では、地域医療について学ぶ機会があり、訪問看護での実習が行われます。しかし、看護学生は内科や外科といった分野での実習もあり、それに比べると訪問看護での実習はとても少ないのが現状です。

著者である私の訪問看護ステーションでも実習を受け入れていますが、4日間という短い間でどんなことを学んでほしいか、どのように実習に同行してもらうかということがいつも課題になっています。それは、短い期間でも貴重な実習時間で多くのことを学んでほしいと思っているから、また地域医療や訪問看護の魅力を知ってほしいと思っているからなのです。

そんな短い期間の地域実習でも、卒業後は訪問看護に携わりたいと思う看護学生もいないわけではありません。絶対数としては少ないですが…。ではどのように訪問看護師になるためにどんな方法があるのか、どのように看護の勉強を行い、実習などに取り組むべきかということを紹介していきます。

・思いきって地域を歩いてみよう

最近は都市部では電車やバスを使用するなど公共の乗り物を使用することが多く、地方都市では車を利用する人が多いですね。そのため、歩くということ自体が減っているような気がします。しかし、地域のことに携わるには、まずその地域のことを知る必要があります。そこで時間があるときには、地域を歩いてみましょう。そうすることにより、地域の人や生活、道路事情が見えてくるはずです。歩いてみると、それまで見えなかったもの、気が付かなかった景色が見えてくることが多いのです。

地域の高齢者というのは、免許を返納してしまったら、歩くしか方法がありません。道路の段差や交差点の危険性など感じていることを私たちの地域を歩いてみることによって感じることができるでしょう。
また花や木などの景色や気温、風などの自然を感じることによって、高齢者との会話のキッカケをつかむこともできますね。

私たち訪問看護師は、実は車で移動することがほとんどであり、ゆっくり景色を楽しむなんてことが出来ません。利用者との散歩により、こんなところにこんな場所があったのか、こんな花が咲いていたのかということを改めて発見することがあり、時には自分自身でも地域を歩いてみるということも重要だと感じています。

地域に暮らす人を支えるという仕事である訪問看護師。まずはその地域を歩いて探索してみませんか?きっとこれまで見えてこなかったものが目に映るはずです。

・実習前にどんなことに取り組むべきか

これまで外科や内科といった診療科の実習や臨床経験を積んできて、医療の現場を知っている看護学生や看護師でも、在宅の世界は全く違う世界であるという人が多いです。
しかし、基本的な考え方は同じです。ただそれが病院か地域かという違いでしょう。言葉で表すと簡単ですが、病院と地域では大きな差があります。その差に驚いて訪問看護を敬遠してしまう人も少なくありません。訪問看護師になる方法もそれほど難しくはありません。看護師になるための勉強をして国家試験に合格し、訪問看護に関するところに就職できるよう就職活動をすればいいのです。

ただ訪問看護という世界は、病院とは異なり、さまざまな生活環境で暮らす利用者に寄り添って在宅生活を支える仕事です。地域に根差した活動をすることで、病院にはない面白さがあるのです。それがわかるにはとても時間がかかるかもしれませんが。

ではそのような訪問看護の面白さを少しでも垣間見ることが出来るように実習をするためにはどのようなことに注意して取り組むべきでしょうか。
まず一つは、ありのままの生活を受け入れるということが重要です。少なからず病院での看護経験があると、病院ではこうするのになんで在宅はこうしないのか?と、病院での看護と比較する傾向にあります。

しかし在宅では、環境も資源も病院とは大きく異なります。また全く異なる経験をした時には、悪い点ばかりが目についてしまうこともあります。そのため、出来ればあまり病院と在宅を比較することなく、あるがままを受け入れるという姿勢で実習に取り組むとよいのではないでしょうか。
驚きも多いかもしれませんが、こんなこともあるのかと実情を受け入れることが出来るはずです。

・訪問をするというマナーを身に着ける

私たち訪問看護師は、いつも利用者の家に訪問させていただく、そしてそこで使用するものは使わせていただくという気持ちでいます。そのため、始めからあれこれ手を出すのではなく、一つ一つ使わせていただいていいか許可を得ながら、私たちの使うことが出来るものを探していくのです。そしてお互いに慣れたら、スムーズにケアができるようになるのですね。

訪問するお宅は、きれいに整頓されているお宅もありますが、中にはゴミ屋敷というところも少なくありません。しかしながら、そこの住民でもある利用者は、どんな家に住んでいようとも、来客者の立ち振る舞い、マナーには意外と厳しいものなのです。
言葉遣い、歩き方、座り方など、利用者は見ています。そのため、私たちはまず訪問するときのマナーをわきまえていくようにしています。話し方は丁寧に、そして自宅内では正座を崩さずといった感じです。

このようにどんなお宅でもマナーを守って訪問することで第一印象がよくとられると、あとで訪問したときの受け入れがよいのです。そのためにも、社会人として基本となるマナーは必ず訪問看護師は身に着けておくといいといえます。

・こんな訪問看護師になりたいと目標を決めてみよう

著者である私には、こんな訪問看護師になりたいと思うような目標の人がいます。それは現在勤務している訪問看護ステーションの元所長。現在は所長としては引退しましたが、訪問看護師としては現役です。

これまで長年訪問看護師として勤務し、どんなケースにでも速やかに対応する、決して受け入れを断らないという姿勢が尊敬できる点です。訪問看護師の場合、入れ替わりも激しい世界なので、20年を超えて地域にかかわる訪問看護師を続けているという点では、本当に素晴らしいと思っています。

このように私には目標とする訪問看護師がいるわけですが、もしも病院で実習したときも同じようなことはあるのではないでしょうか。その看護師は仕事ができる、いつも丁寧で医師にも他の看護師にも一目置かれている…すごいな…こんな看護師になりたいなというような。

もしも自分の目標となる看護師がいれば、自分の仕事のモチベーションにもなります。反対に目標とする看護師がいなくても問題ありません。看護師はたくさんいます。そのため、あの看護師のいいところはこんなところ、この看護師はこんなところがすごいなど、いろいろな人の良いところを自分の目標にすればいいのです。
誰か目標の人がいるのといないのでは、仕事への取り組みも異なってくると思います。また一緒に仕事ができることに楽しさを感じることもできるでしょう。

・学生生活にできることはボランティア

将来的に訪問看護師になりたいと思っている人は、学生の時から少しずつそれにかかわるようなことが出来るといいですね。具体的なこととしては、地域のボランティアに参加するといったことでしょう。
大学のサークルなどでも高齢者施設に訪問したり、一緒にアクティビティを行うなどのボランティアをしているところも少なくありません。そのため、訪問看護師を目指す人は、学生生活の時から少しでも高齢者に接しておくことがおすすめです。そうすることにより、高齢者の特性などを知ることが出来ます。

ただし私たち訪問看護師が訪問するお宅は、高齢者の家ばかりではありません。障がい者や医療的ケア児のお宅もあります。そのため、高齢者にかかわらず、障害や小児を対象にするボランティアの参加もおすすめです。大切なことは、自分の視野を広げておくということです。

まとめ

いかがでしたか?学校を卒業後、訪問看護師を目指すために何をしておくべきかイメージが出来たでしょうか。地域医療の実習を充実させること、また学生の間に社会人としてのマナーを身につけたり、ボランティアに参加するなどさまざまな方法があります。少しでも地域医療に興味がある人や訪問看護師を目指す人は、参考にしてみてください。

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