病院や高齢者施設などに勤務している看護師においては、患者さんや入所者さんを守ると言うことは当たり前ですね。それプラス、と自分の身を守ることも考えておく必要があります。ここでは、感染症に罹りやすい理由とその対策についてお話します。
・感染は怖いと認識すること
看護師の場合は、感染について学校でしっかり学んでいるので怖いということをよく理解しています。その時、自分の身に迫っていることについては、よく理解できていないこともあります。机上でしっかり勉強をしていても、実践の中でその詳細についてアセスメントをする機会が少ないし、忘れることがあるのです。
しかし一回感染してしまうと、自分が苦しくなりとても辛い思いをすることになります。発熱、嘔吐、倦怠感などが見られることになりとても辛いです。
また感染してしまうと、その後に劇症肝炎などの命に関わるとても恐ろしいことになることもあります。そんなリスクと隣り合わせで働いていることになり、仕事の中ではしっかり自分を守ることはとても重要です。自分を守ることにより、患者さんに感染させないことになります。また自分の周りの人たちにも感染させないように予防することができます。
・いつ罹ってもおかしくない
感染症は身近にあるものの、まさか自分がかかってしまうと思う人はいないと感じます。感染は、患者さんがかかることがあっても自分はなしと思うこともあるのです。
元気な看護師の場合は、特にその気持ちが強くあります。自分は感染しないと、知らず知らずのうちに考えているのです。
しかしそれは大きな間違いです。感染をしてしまう危険性があるのは、なんと言っても看護師です。まずは、患者さんから移されることがあります。患者さんは、いろいろな人が入院してきます。その中には、検査をしていない人もいます。どの人が感染しているのか、全くわからない状態でケアをすることもあります。
とても危険な状態であるのです。看護師の仕事が危険であると言われているのは、そのように感染のリスクが高いことも裏付けています。
・抵抗力が弱っている
看護師が感染症にかかりやすいのは、やっぱり相当疲れていることも関係しています。毎日クタクタになりながら、仕事をしているのでかなり免疫力が下がっています。
看護師の中でも、感染症にかかりやすいのはなんと言っても新人看護師です。新人看護師の場合は、まず免疫力がありません。ほかの看護師の場合は、いろいろな人と接することで自然と得られる免疫もあります。
その反面、新人看護師の場合は全くまっさらの状態で仕事をすることになります。免疫が備わっていないところに、感染のリスクのある患者さんと接することになるのです。
また新人看護師の場合は、無理をしたりストレスがマックスになっていることからも感染しやすくなります。
・子供との接触
子供がいる看護師の場合は、それだけでかなりのリスクを伴うことになります。それは子供がかかりやすい感染症にかかるリスクがあるのです。子供がかかりやすいのは、ノロウィルス、インフルエンザ、コロナ、ムンプス、プール熱等があります。それらは感染力が強いので、直ぐにかかってしまうこともあります。
子供がいる家庭では、本当に細心の注意をしてかからないようにしたいですね。
また小児科外来では、外来受診していた子供から感染してしまうこともあります。
・緊急入院の患者さんのリスク
緊急入院してくる患者さんの場合は、検査をしていないこともありその対処に特に注意をすることが大切です。通常の入院患者さんの場合は、入院をすると決まった時点で、いろいろな検査をしてその感染症を知ることができます。そのことからも、しっかり感染を予防する事についてアセスメントする時間があるのです。
ところが、緊急で入院をしてくる患者さんや、ほかの病院などから搬送されてくる患者さんの場合は、検査をしていないこともあります。その患者さんに接する事になるので、とてもリスクがあるのです。
リスクがあるのは、救急車で運ばれてきてベッドに移動する時、採血をするときなどです。特に採血をしていて直接患者さんの血液に触れることがある場合はとても危険です。採血をする時には、手袋をして実施することになっているのですがそれでも素手で行うこともあります。
緊急性が伴う場合は、手袋を装着することができないこともあり、そのような行動になってしまいます。
・手洗いができていない
病院などの中で、感染を予防する為にはどうしたらいいのでしょうか。一番いい方法としては、なんと言っても手洗いをすることなのです。手指消毒剤がありますが、それよりも手洗いをすることが一番感染から身を守る方法となっています。
病院では、そのことが一番とわかっているものの実際にできているのかというと疑問があります。まず患者さんに接触した時点でリスクがあるのですが、そのことを十分捉えていないことがあります。
そして、一番気をつけたいのは自分が気をつけていてもほかの看護師や医療に従事している人たちが気をつけていない場合はどこでも感染してしまう可能性があることなのです。手洗いをしないでそのままほかのところにタッチすることにより、そこに触ると間接的に感染に触れることになります。知らずに、別の患者さんに触れることもありとても危険です。
手から感染してしまうことが一番多いので、そのことをアセスメントして手洗いで防ぐことが大切です。
・自分を守る意識が薄い
感染をしてしまうのは、やっぱり自分を感染から守るという意識が弱くなっていることがあります。病院という感染リスクが高いところで仕事をしていることはわかります。
しかし感染を予防しているので、大丈夫と思ってしまいその結果、広めることもあります。自分が感染してしまうと、まわりに広めてしまう事になるのでそれは悲惨です。広がる事により、病棟閉鎖になってしまうこともあります。
・家族にも影響あり
感染をしてしまうと、そのことを自宅に持ち帰ることもありそのリスクも伴います。子供に移したりお年寄りに感染してしまう事により、重症化することもあります。
医療従事者の家族は、その様な感染のリスクがあることは間違いありません。
・研修に参加しよう
感染について、常に自分を守り移さないようにするためにはどうしたらいいのでしょうか。それは、意識をしっかり持つことなのです。仕事をしていると、そのことがわかっているものの、やっぱり意識として薄れてしますこともあります。そうなると危険なので、定期的に感染の研修を受けることをオススメします。感染の研修を受ける事により、そのリスクを自分の中でしっかり捉えて再確認をすることができます。
また、研修で得た知識を病棟に持ち帰りカンファレンスを行いアセスメントすることもオススメします。
・委員会に注目する
感染症に関しては、新しいものがどんどん出ています。それは、医療従事者としてしっかり知識をいれておくことが大切です。感染に関しては、病院やほかの施設で重要性を感じているので、委員会を設置しているところが多いです。
その委員会では、多くの情報をまとめて病院内などに発信しています。それらの内容については、しっかり確認して新しい情報に遅れないようにしましょう。
まとめ
いかがでしたか?感染と隣り合わせの看護師の仕事は、人ごとで捉えるのではなく自分のこととして毎日意識をして行動することが大切です。
意識をすることにより、自分を守ることが出来るし患者さんや家族を守ることになります。
感染を防止することは、決してむつかしいことではありません。看護師はそう捉え、簡単なことなので確実に定着できるようにしたいですね。
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