働きながら看護師の資格を取った話をしたいと思います。

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#1868 2022/07/04UP
働きながら看護師の資格を取った話をしたいと思います。
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私が看護師になった経緯をお話させてもらおうと思い、文章にしてみました。苦労した点や良かった事などあくまで私の主観ですので、働きながら資格を取ったという1つの例として見ていただけると嬉しいです。

*働きながら学校に通うと決めたきっかけ*

高校生の頃、就職をするつもりで進路を決めていたのですが、元々は医療とは全く関係のない職種に行くつもりで、勉強はしたくなかったこともあり進学をするつもりもなかったですし、医療系は全く頭にありませんでした。ですので、初めは他の所に面接を受けに伺ったのですが、残念ながら落ちてしまいました。そのため、他を当たらないといけないなと思って困っていたら、進路指導の先生が声をかけてきました。
『病院に勤めながら、職場から看護学校に通わせてもらうのはどうか』という話をしてきて、聞けば卒業した先輩の何人かが私に進められたやり方で進路を決めた人がいるらしい事と、奨学金という形で病院が学費を出してくれるうえ、働いた分のお給料も勤労学生としてあまり高額ではないけれど貰えるという話でした。学費を出す代わりに資格を取ったら2年間はそこの病院に勤め、形上はお礼奉公というような感じの制度になるそうだという話でした。正直、勉強も気が進まないのと、医学の道は重たすぎて困ったなぁと思いながらも、後々の将来の事も考えたら資格を取っていた方が良いのではという家族の意見もあり、医学の道に進む事にしました。

*学校のタイプ*

一口に看護学校とはいっても、大学・専門学校・高校生の看護科5年間など色々と通う学校の種類やタイプはあるかと思いますが、私は高校は普通の学校だったという事と、働きながら学ぶという選択だった為、まずは准看護師養成学校に2年間通って准看護師資格を取るという方法になるという話でした。無事に准看護師の資格試験に受かれば今度は正看護師養成学校に3年通えるという事になります。

*1年目のサイクル*

働きながら勉強もするとなると、結構目まぐるしい1日になります。1日の内半日は学校でもう半日は仕事というサイクルでした。
午前中は仕事です。資格がないため医療行為は出来ません。ですので、あくまでも先輩看護師の補助的な役割をしていました。患者さんの介助や物品の準備などが主でしたが、合間にどんな器具があり、どういった方法で使用するか、また、どんな薬があり、どの病気にどれを使うか、副作用や飲み合わせなども全て覚える必要があります。
高校を卒業したばかりの私はまだまだ不馴れな上に子供だったので、先輩達も優しく教えてくれていました。午後からは学校で、実際に地域で働いている医師や看護師達が講義に来ます。講義に来る先生達は、色んな科のお医者さんだったりするので、それぞれ特化した科目を受け持ちます。1科目毎の講義が数回あると、最終日にテストがあります。私が通っていた頃は60点以上取れなければ再試を受けなければならず、1つでも落としてしまえば冬にある戴帽式でナースキャップをもらえませんし、年始から始まる実習に出ることも出来ません。難しい用語も病気の数も多く、講義する先生によってもテストの出し方も違うので、先輩からもらった過去問を参考にしながら勉強していました。
生徒の割合としては、やはり圧倒的に女性が多いです。年齢としては私のように高校を卒業してから入学した人が半数以上で、あとは主婦をしながら学びに来ている人が占めていました。

*2年目*

いよいよ本格的に実習が始まります。一般病棟で受ける実習がメインで、オペ室・産科・小児科・精神科・老人ホームなども回ります。実習はそれぞれ2~3週間あり、大人数では行けないのでチームに別れてそれぞれの階に行きます。実習の最中は1日がかりなために仕事には行く時間がありません。その代わりに実習がない週は仕事に行くという感じです。仕事に行っている時は、知識も増えてきたこともあり、先輩からのしごき?というか当たりがきつくなってきました。もちろん、人の命を預かる仕事ですので、甘い考えや心の持ちようでは失敗に繋がります。それは非常に危険な事なので強く教え込まれるのは致し方ありませんでしたが、当時は私の精神の未熟さと、勉強が中々追いつかなかった事もあり、かなり辛い時期を過ごしました。同じように働きながら資格を取ってきた先輩で優しい看護師さんも何人かいましたが、当たりの強い人は本当に強く、時には理不尽に叱られる事もあるので、端の方で泣きながら器具を片付けたりすることもありました。

実習の最中は受け持ちの患者さんの病名や背景などをカルテやご本人、ご家族から情報を貰って勉強させていただきますが、相手は人であり、入院に至る背景に個人差もあるためにコミュニケーション1つ取るのも気を使います。実習の間は指導看護師もいて、助言をもらったり評価をしてもらいます。1日に書くレポートの量も多く、どんな病気でどんな不便さがあり、患者さんの心理状態も含めてどんな援助が必要か、症状も個人差があるのでそういった所も注意深く観察しながら実りの多い内容を記さなければなりません。ですので、教科書だけではなく色んな参考書も見ながら勉強することになり、時には色んな看護師さんにアドバイスももらいます。1年を通し実習を行い、全ての実習が終わるとそこで初めて資格試験を受けるための資格が貰えます。
合格した時の為に学校の先生が色々と手続きをしてくれますので、それには自分の戸籍と、看護師業に支障がないか病院の先生からの診断書を提出しておく必要があります。
2月に入ってから資格試験があり、3月に合否がわかります。合格発表の日は学校に出向いて、そこで初めて免許証を受けとりますので、そこで初めて看護師になったんだという実感が湧いてきます。それに加えて、苦労が報われる瞬間でもあり、なんとも言えない気持ちが込み上げてきました。免許証を受け取ったら、勤め先の病院に提出してコピーを取ってもらい、病院に在籍する看護師として働く事になります。

*3年目*

ここからは、個人の判断になりますが、そのまま正看護師養成学校に通う人と1度准看護師として働く人に別れます。今はどうなのか分かりませんが、私が学生の時は、正看護師の学校は自分で学費を出す必要があったので、一旦お礼奉公も兼ねてお金を貯める為に学校は断念して准看護師として働く事に決めました。とりあえず、何より二つのわらじが苦手だった私にとっては一旦勉強は休憩して働く事1本に絞る方が良いと感じたので進学は一旦諦めました。
個人的な考えですと、私の様に不器用で二刀流が苦手な人は少々苦しい勉強方法かもしれません。ただ、現場で直接医療に触れたいと意欲があり、尚且つ人と触れあう事が好きな方は魅力的な働き方、学び方だと思いますので、そういった方はおすすめの進路先だと感じました。
進学先はどこの学校でも構いません。人の役に立てると言えば聞こえも良いですし、時には見知った方の命の火が消えていくのを見なければならず苦しい仕事でもありますので、決して楽ではないけれど、なければならない仕事です。患者さんやご家族に寄り添える、優しい看護師さんになって欲しいなと思います。

*現在*

今現在の情勢を見ると、コロナの影響で家族が面会するのが叶わない状況ですので、学生の方々も実習に行けないのでは?と不意に感じました。私は今、諸事情で現場から離れている状況なのでそのあたりはよく分からないのですが、勤めに出ていない学生の方にとっては特に学びの現場がないとしたら残念だと思います。直接自分の目で見て耳で聞くというような事でしか学べない事も多いですので、色んな面から見ても今の状況が少しでも良い方向へ向かえば良いなと祈ります。

まとめ

あくまでどういった流れで勉強したかを書きましたが、私個人の感想だと、自分自身が不器用で多方面の事柄を上手くこなせるタイプではないので、働きながら勉学に励むというのは向いていませんでした。学校だけに来てる子もいたので勉強に専念できて羨ましかったです。ですが、実際に現場に出て直接色んなものに見て触れて、覚えられる事もあるので、利点と欠点と言えばそこではないかと感じます。現場に出て覚えながら勉強もしたいのか、それとも先に資格から取る為にひとまず勉強に打ち込むかは個人の選びたい方でされたら良いと思います。

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