精神看護にあったっての理解とコツ

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#1760 2022/03/20UP
精神看護にあったっての理解とコツ
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これから、看護師になられる皆さんに、精神疾患を抱える患者案への理解と看護実習を行うにあたり、精神科病棟の特徴と構造の目的押さえたうえで、実際の看護実習で役立つアセスメントのコツと心理的コミュニケーションについて伝授していきたいと思います。

日本は、世界の医療機関の中でも精神病大国といわれるほど、精神科病院や精神科病棟が多いです。今や、日本人の4人に1人以上がうつ病を経験していること、特に高齢化社会に直面しています。5年後には5人に1人が認知症になるという予測がされています。
今後、精神科病棟の看護師でなくとも、精神科のアセスメントが看護師に求められるでしょう。
そこで、今回は精神科病棟とはどのような場所か、どのようにして患者様とかかわりを通して看護計画を立て、アセスメントを実践していくのかを考えていきます。

精神看護の実習では、まず、オリエンテーションにて、精神病棟全体の構造や特徴を見学を通して知ることなるでしょう。
精神科病棟には、閉鎖病棟と解放病棟があります。 閉鎖病棟は、出入り口全てが施錠され患者さんが勝手に出入りできないようになっている病棟ですが、それには理由があります。
精神科患者様の中には、中には、恐怖間や妄想によって、体調が安定していない状態で帰宅や退院を要求される方、病状の悪化などで、で離院される可能性のある患者さんがいます。 

特に、自身を傷つけてしまう患者さん、過食、拒食の方等も状態がある患者さん、様々な病状の患者さんが入院されている中で、鑑定入院、医師による措置入院、医療保護入院などの理由で任意の入院でない患者さんもいることから、患者さんの入院生活の安全面を守るために、施錠された、閉鎖病棟で経過観察を行っています。 
また、精神科病棟の特徴として、保護室(隔離室)という部屋があります。その部屋は、外から施錠できるけど中からは鍵を開けられない仕様になっていることや、地方の病院や古くからある病院の中には、窓に格子があったこともあり、看護学生さんの中には、「暴れる人とか危険な患者さんをは牢屋みたいな部屋にいれて閉じ込めるイメージががある」とよく聞くのですが、現在は、日当たりもよく、開放感のある保護室が多いです。この保護室は主に他害、自害、迷惑行為等が度の超えた患者さんが医師の指示の元使用するとともに、複数名の職員で対応して、いち早く患者さんの症状を落ち着けるためにあることを患者さんとそのご家族に説明するためにも覚えておきましょう。
また、皆さんが看護師になった際、保護室の患者さんを1人で看護することは基本的にはありません。実際、私の経験からすると、ご体調状態が安定していないことから、他者を傷つけるという患者さんより、ご自身をを傷つけてしまう患者さんが多いのです。自身を傷つけてしまう患者さんが、離院された場合どのようなリスクがあるでしょうか。考えてみると、施錠の重要さがわかると思います。そのような患者さんお健康面や安全を守るためにも、精神病棟への理解と実習に向けての準備を学んでおきましょう。 

実習で、受け持ち患者さんが決まったら、ケアがありますが、精神の患者さんは比較的ADL自立度が高い方が多いです。しかし、ご高齢の認知症の患者さんなど、人によって、ADLに援助が必要な場合もあります。
その中でもケアで一番大切なのは、コミュニケーションによる心理的ケアと治療的コミュニケーションです。まずは患者さんの人生背景因子を理解する必要があります。
背景因子とは、患者さんご自身の幼少期からの生活環境、成育歴、価値観、家族関係、病前後の社会との関係性や生活の変化等を示します。特にご家族との関係は、患者さんご本人のパーソナリティ形成にたいし、大いに影響を与えているため、それらを知ることで、具体的でエビデンスのあるケアの方向性を見出すことができます。
それらを考慮したうえで対応し、かつICFや看護計画を立てていく必要があります。なかには、コミュニケーションが取りにくい患者さンもいらっしゃるでしょう。
自分の意志が周囲に伝わっていないことへの不安感を抱える方もいます。 そこで、看護学生としてできることは、患者さんお話を『傾聴』・『共感』・『受容』する姿勢を持ち、患者さんが看護学生にかかわるにあたり、安心してもらうことを第一の目標としましょう。

次いで、今後の看護をアセスメントを検討する際には、できるだけ早い段階から、患者さんの精神状態と症状を把握しておきます。実際に表れている症状を患者がどのように受け止め、理解し、現場の看護師さんたちが対応しているかなどの情報も得ておきましょう。
①症状の現れる時間帯やパターン
②具体的な症状とその行動化の有無と程度
③患者の症状に対する理解と対処行動
④本人に病識がどのていどあるのかの4点は抑えておきましょう。
入院している患者さんとの関わりや看護計画の中で最も重要なのは、「退院後どのような生活を送りたいか」ということも視野に入れて、検討していくことが重要です。
市進化病棟の患者さんに重要なのは『自立』です。3か月ごとに入退院を繰り返す『巣ごもり入院』、『病院の自宅化』は、実際の精神病棟の現場でもかなり多い事例として扱われておりますが、実際、解決することは多くありません。
しかし、はやいうちから、患者さんの看護計画の中でコミュニケーションお通し、入院に至った経緯を一緒に振り返り、今後について具体的に話し合いをしをしていくのも看護の一つです。
入院の経緯を振り返ることは、時に患者さんを苦しめてしまうこともあるでしょう。しかし、患者さん自身が過去を振り返ることで、症状が悪くなってしまった原因や背景因子を知ることができる患者教育の機会となり、病識を高めるとともに、今後の患者さんの生活の中での対処方法を共に考えることができるケアとなるでしょう

精神看護を学ぶ際には、少し冷ややかな視点を持つことも患者様のために大切なことでもあります。場合によっては、患者の考えに否定も肯定もしない対応も指導者とともに検討してみましょう。 例を挙げると、統合失調症、認知症の患者案などで、妄想が強い患者さんの発言に共感してしまうと妄想や症状がさらに悪化することがあります。その際、患者さんの考えを否定すると関係性が崩れることもあるので、 「〇〇さんはそう思っているんですね」というようなオウム返しを取り入れた 肯定も否定もしないコミュニケーションもとってみましょう。
患者さんとのコミュニケーションが重要な、精神科実習では『プロセスレコード』がとても役に立ち、実習の指標となります。プロセスコードは、患者さんとの関わりや出来事を振り返り記録するとともに考察をしていくことを指します。それをいかに積極的に実践するかにより、自身のコミュニケーションの傾向や、改善点などを把握し、患者さんの理解が深まるとともに、コミュニケーション力の向上が図れます。自分の気持ちを素直に書き綴っていきましょう。
この『プロセスレコード』を用いると、毎日行われるであろう、カンファレンス時に、「患者さんの安全対策」、「患者とのコミュニケーションでの工夫」「受け持った患者さんの看護計画」などについて、話し合うときに有効活用できますので是非やってみてください。

まとめ

精神看護の領域は、精神科病棟だけではありません。精神科病棟を退院された方の生活を支援する就労移行支援作業所、精神障害をお持ちの方の自立を支援するための地域福祉施設お数多くあり、皆さんの中には、病棟以外の実習に行かれる方もいらしゃると思います。 
精神疾患を持ちながら病棟で加療される方、そして、その方々が「地域社会で生活していくにはどのようなケアが必要なのか」をぜひ学んでみてください。

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