訪問看護では細かい指導は嫌われる?

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#1735 2022/02/23UP
訪問看護では細かい指導は嫌われる?
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訪問看護師も病棟看護師のように、常にアセスメントを行いながらケアをしています。しかし、訪問は生活をしている在宅に行く仕事なので、病棟とは異なる注意すべきことがあるのですね。ここでは訪問看護のアセスメントのコツをご紹介していきます。

訪問看護で在宅訪問をしていても、利用者のバイタルサインや一般状態を観察してアセスメントすることは重要です。ただ訪問看護ならではの難しさもあります。それが看護計画の展開です。例えばアセスメントで、るい痩が著明であり、栄養も水分もともに充足ではないと判断したとします。しかし、それを改善するために、私たちは何ができるでしょうか。

毎日訪問する利用者の場合は、家族が用意してくれた一食分を私たちが介助しながら、食事摂取量、むせりなどを観察することが出来ます。また食事時の訪問とは重ならない場合は、栄養補助食品を利用して栄養を補充することも可能です。
しかし訪問が一週間に1~2回の場合、家族にお任せすることが大部分であり、私たちが実際にケアを行うことが少ないのです。そこで大切になるのが、家族をどの程度巻き込んでいけるか?少しでも利用者の状態を改善できるようにするためにはどうしたらいいのかを一緒に考えるということなのです。

・クリニックから紹介を受けた利用者

あるクリニック受診中の利用者。長年通っているクリニックであり、主治医とも良い関係を築いていました。
利用者は高齢となってきており、体調を崩すと食事がとれなくなり点滴をしなければいけないという状況が増えてきたそうなんです。しかし、その回数が増えてくると、通院介助する家族の負担にもなります。また通院することが本人の体力消耗にもつながりますね。
そこで訪問看護に依頼がありました。私たちが訪問を開始したときには、発熱や下痢などはなく、体調は悪くはありませんでしたが、ただ食事摂取量が少なく、体力の低下とるい痩があることが問題視できました。

家族も「以前に比べてトイレに移動するのに時間がかかってきた。食事量が減ってきたので、痩せてきたように感じる」と心配をしていました。
病院からは自宅でも簡単に栄養が取れるようにと栄養補助食品をすすめられ、自宅でも食事と併用してなるべく摂取できるようにいくつも用意してありました。

・利用者の担当になった新人訪問看護師

その利用者の担当になったは、まだ訪問の経験は浅い看護師でした。看護師としては経験が15年以上ありましたが、訪問の経験はまだ半年程度。しかし訪問看護師としての経験を積んでいくために受け持ちになったのでした。

その看護師が利用者の情報、家族からの聞き取りを行って得た情報をもとにして、アセスメントを行いました。アセスメントというのは、看護師としては基本なことです。私たちは患者を目の前にして、さまざまなことの観察行ったら、無意識のうちにアセスメントをしているものです。どうしてこんな状態が起こっているのだろう?どうしたら改善するだろうかと。そして自然とその時のケアを実践していることを繰り返しています。
ただし細かいアセメントをしなければ、判断できないこともあります。この利用者の場合は、栄養状態に関することでした。

受け持ちになった訪問看護師は、これまでの病棟での看護師経験を生かして、カロリーや水分摂取量などを計算し、一日に必要な量を打ち出し、それを摂取するための食事を家族に協力してもらおうとしました。
私たちもその計画を見ましたが、果たして家族がどれくらい受け入れてくれるか?ということを不安に感じました。

・アセスメントしたことを言葉にして伝える

新人の訪問看護師は、情報からアセスメントをしたことをまず家族に伝えました。家族はそれを聞いて、今の状況を把握できたようでした。
もちろんこれまでも医師から利用者の身体の状態についてはいろいろと説明を受けていましたし、低栄養はこれまでも繰り返していたので、その原因や対策については理解していたのでしょう。

しかし訪問看護師が説明したときに、高齢者に必要な栄養や水分摂取量については詳しく聞いたことはなかったのでしょう。その問題を解決するために必要なこと。それはその栄養・水分摂取量を取れるように家族で協力してほしいということを伝えたのです。そこで家族は不満を漏らしました。

・家族はこれまで努力して介護を続けていたことを評価する必要があった

訪問看護師が説明したとき、家族の反応は微妙でした。どのような反応があったのでしょうか。第一声は、「家族だって、これまでできることを頑張ってきたんですよ」ということでした。それでも体調不良や体力の低下、食事量の低下があって、ここまで来たんですと。
確かに、家族の協力があったからこそ、点滴などのために通院しながら在宅生活を続けることが出来たんですよね。それはとても評価できることだといえます。そこに私たちの訪問が開始となったわけです。

これまでのかかわりがなかった訪問看護師がきて、いきなり栄養や水分はこうしたほうがいいですよとアドバイスしても、簡単に受け入れることが出来るはずはありません。家族にも家族の生活や仕事がありますし、介護力の問題もあるので、細かいことを指導されてもそれを実践することは難しいのです。

訪問看護でよく言われることは、「家族は細かいことを言うと嫌がる、だからざっくり説明するのが一番よい」と。在宅生活の中に介護があり、細かいことを言いすぎると介護が中心となり家族が辟易していまうことはよくあるのです。
程よく介護をしながら、出来るだけ在宅生活を続けることが出来る、これが一番の目標であるため、家族に説明することはざっくりでいいのです。

一つの例としては、「一日にこれくらいのカロリーが必要だから、食事量としてはこれくらいが理想です。それに足りない分を栄養補助食品で補っていきましょう」といったら、家族は正直混乱してしまうのです。看護師の指導としては理想的なのですが、訪問看護師として家族に説明する時には、受け入れられないことも少なくありません。

ではどうすればいいのか?「食事は好きなもの・食べやすいものを食べればいいです。ただこの栄養補助食品を最低一日1本だけは飲みましょう」と。これなら、家族もあまり負担を感じることなく、受け入れることが出来そうです。
現実としては、あまり食べることのできない利用者が、一日一本の栄養補助食品として十分であるかといえば、やはり十分ではありません。しかし少しでも高カロリー、高たんぱくのものが体に入ってくると、少し元気が出るのですね。元気が出てくると、少し食欲のわいてきます。そして食事摂取につながるのです。
食べるということは、意外に体力を使います。そのため、元気がない時には食べることもできない。しかし口からものが入り、胃腸が少しでも動くようになると、少しずつ活気が出てきて自然と食事がとれるようになることも少なくありません。

訪問看護では家族の協力が不可欠です。そのためには、家族が生活の中で継続して出来るようにアセスメントをして計画を立てることが重要なのです。
そのためには、最低一本でもいいから、といったざっくりとした指導が案外受け入れられることが多いのが現実です。

まとめ

いかがでしたか?普段から行っているアセスメントですが、細かければ細かいほどより分析して計画に生かせるというわけではありません。訪問看護では、利用者にも家族にもわかりやすいように、意外にざっくりとして、継続してできるような指導方法が受け入れられることが多いのです。ぜひこれからのアセスメントに生かしてみてください。

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