社会人から看護師を目指す方に職場を決める前に考えておいた方が良いことについて

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#1550 2021/08/25UP
社会人から看護師を目指す方に職場を決める前に考えておいた方が良いことについて
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大学や看護学校に通う際に奨学金を利用する方は多いですが、奨学金をもらおうとしている病院のことはよく理解していますか?
また、働こうとしている病院はよく理解していますか?
働きたいという気持ちだけでは無く、どのような職場か、を知ったうえで選ぶのが長く働き続けるためにも大切です。

私は出産して子供が小さい時に30代で大学に入りました。
看護師になるためには大学や看護学校に入らなくてはなりませんが、まず、入学して先生に言われたことは「国試落ちたらただの人だからね!」ということです。入学当初から看護師として働いている今でもその言葉は抜けません。

学校に入る年齢にもよると思いますが、現役で入ってくる子達はいろんな意味で若いです。体力あります。学びもすぐに吸収します。徹夜しても元気です(笑)
学生になると実習がとにかくあって、提出物に追われます。試験もあります。

社会人からの入学となると大抵は自分で学費を払い、生活費も自分で払い、となってくるのではないでしょうか。私はシングルマザーなので高等技能訓練促進費という制度と日本学生支援機構の奨学金を組み合わせて大学4年間を乗り切りました。

お金的な援助はこのほかにも病院からの奨学金や、市町村からの奨学金など様々です。看護師資格取得のための奨学金は様々あります。
病院からの奨学金は借りた年数を働くことで返す制度ですが、正直あまりお勧めしません。
理由は病院のシステムや配属される病棟の人間関係や仕事内容によって、やってみて初めて会うか合わないかがわかるからです。
その職場が自分に合えば良いですが、病棟や仕事が合わずに仕事は続けなくてはならず、鬱になる人を見てきました。奨学金を受けてきた3年なり4年は結構長いです。
病院からの奨学金という縛りがなければ、次の職場に移動することができます。
私は病院からの奨学金は受けずにいましたが、実際初めに働いた大病院は新卒看護師が多く入る病院で全体的に平均年齢が若いです。
社会人から看護師になる人は子供がいる人も多いです。
平均年齢が若い、ということはスタッフも子供がいる人は少ない、ということです。
子供は小さかったので体調を崩したり、インフルエンザや学校閉鎖などで職場に連絡がかかってきます。
わたしの配属先は小児病棟でしたが、こどもをみている病棟であってもスタッフはスタッフです。
子供が体調不良になろうが、自分が体調不良になろうが、学校閉鎖等で子供が1人でいることになろうがそこに容赦はありませんでした。
「出てきてもらわないと困る。」
そう言われても子どもを1人にはできないし、頼れる人はいない、小学生以上になると病院についている保育園も使えない、学童保育や普段支援を受けている団体も子供が元気でもインフルエンザなどの学校閉鎖や学年閉鎖だと受け入れはしません。コロナも同じです。
結局行き場がありません。看護師が体調不良でも熱があっても休まずに薬を飲みながら働く話はよくある話です。
でも体調不良でも子どものことで休みたいとか、そういう状態の時にどうしているのか、休みやすい環境なのかは事前に確認した方がいいことだと思います。

支援してくれる家族がいる方は良いですが、そうでない1人で頑張る方もいますよね。
市町村によっても、支援方法は様々ですが、利用できそうな社会資源を早い段階で調べておいて損はありません。
そういうサービスはこちらから聞きに行かないと、あったところで教えてもらえないのが役場ですから。

ワークライフバランスを全面に出している病院でも現実は違います。
わかりやすく病院を見るには職員の看護師の年齢に偏りがないことだと思います。

働く場所によって特徴は様々なので、勤める前によくその働き先を見てから決めてください。
私も決める前に5回は看護部長と話しました。
「家族がいる人も多いし、残業はほぼ無くてあっても30分くらい」
その病院の看護の考え方が好きだったことと、部長との話し合いでその病院に決めましたが、実際のところは毎日残業5時間ほど、残業代はつかない、定時上がりは年に2、3回、加えて研修が多く、研修時は勤務時間外にありますが勤務時間外の残業代も交通費も出ない、という超ブラックでした。残業代の申請がないから残業を把握していない、ということもあるかもしれません。
残業代を上司に申請すると
「新人で教えてもらっている立場なんだから残業代は出ない。非常識だ」
と言われます。
労働基準監督署に確認しましたが、教えてもらっている立場であろうと時間外報酬は出るのが当たり前、とのことでした。
体も壊し、心も病み止めるまでに一年以上かかりました。もちろん年休は消化させてもらえませんでした。

結局2年半でその職場は退職しましたが、これで奨学金制度を利用していたら退職できずに病んでダメになっていたかと思います。
奨学金は月に10万の支援を受けていれば、働いた時にみんなより10万円高く給料が支払われているということです。
そこの部分をよく考えてください。

以上のことから病院からの奨学金はよくよく考えてから利用するかしないかを考えたほうが良いと思います。
方法は一つではないし、奨学金のポスターだけでは決めない方がいいと思います。

病院のことを知っていると思いがちな看護師の転職サービス、たくさんありますよね。私もいくつか利用したことがありますが、実際そのアドバイザーが働いていたわけではないので、アドバイザーから聞いた話と実際にそこの職場で働いている職員から話を聞くと大きく違う点がよくありました。
社会人から看護師を取って働く場合、できる限り職場選びで失敗したくありませんよね。ですので事前情報はしっかり取ってください。

現在の職場は看護師が30代でも若い部類で、平均年齢が40代半ばです。ほとんどの人に家族がいて、ベテラン揃いなこともあり、残業はほぼゼロ、残業は事前に告知され、その時間だけ残業する感じで残業代もしっかりもらえます。
もちろん研修時も手当が出ます。
自分の体調や子供の都合で休みたいときもお互い様、なため休みや早退などの申請がすぐに通ります。
中には、これはどうなの、という部分もありますが上に疑問を投げかけやすい、という点ではいいと思います。

疑問点を全て応募の面接時に投げかけるともしかすると嫌な顔をする人がいるかもしれませんが、応募前の段階だったら答えてくれる部分も広がるのではないでしょうか?
また、学校の先生は意外といろんな病院の情報を持っていますし、卒業生からの情報も持っています。先生繋がりで情報を得られることも多いでしょう。
私の現在の職場も卒業後に学校の先生の個人的に紹介してもらったところです。
病院のパンフレットから読み取れることもたくさんあると思います。

ただ、ここは少し難しいところにはなりますが、病院や施設といった大きな組織の場合、いろいろ課があるわけです。そこにいる人たちで課の雰囲気が大きく変わります。ここの課は人が良くて面倒見もいいけれど、ここの課は厳しい、などやはり細かく見ていくと全然違った、という部分もどうしても出てくるかと思います。

でもどういう雰囲気の病棟であっても、間違っていたらすぐに謝り言い訳をしない、次は失敗しないという気持ちを見せること、初めのうちはわからないことがわからないものですが小さな疑問を大切にしてすぐ確認すること、患者さんやスタッフに対して丁寧に接すること、悪口を言わない、など基本的な部分ができていれば大丈夫かと思います。

給料、自分の時間、学ぶ時間、家族との時間、職場環境、人間関係など沢山の大事なことがありますよね。総合的に働く前に情報があれば、働いてからも大変だと思うことを少しでも減らせるのではないかと思います。

まとめ

良いところ、悪いところはそれぞれどこの職場にでもあるでしょうが、何を優先したくて、ダメな部分は妥協できるか、というところだと思います。
奨学金を決める前、職場を決める前にしっかりと相手のことをアセスメント(笑)してから心を決めてくださいね。
あとは基本的な体の生理を学んで頑張って、ただの人から看護師になってください!

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