新卒看護師が就職する病院選びする際に着目したい5つのポイント

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#1488 2021/06/25UP
新卒看護師が就職する病院選びする際に着目したい5つのポイント
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新卒看護師が就職する病院選びをする際のポイントとは何でしょうか。「看護師として勤める最初の職場は何を基準に選べばいいんだろう」と悩む方もいるでしょう。病院選びでは、自分の看護師としてのビジョンを明確化することが大切です。
このコラムでは、新卒看護師が病院選びをする際のポイントや各看護分野における役割の違いなどを解説します。要点を掴んだ病院選びを行い、自分に合った職場を見つけましょう。

新卒看護師が後悔しない病院選びをするには?

新卒の看護師が就職先を探す際には、どのようなポイントに留意すれば良いのでしょうか。
看護師といっても、分野はさまざまです。「自分に合う科目は何だろう」「どんな病院が働きやすいかな」など、的を絞りきれずに迷う方もいるでしょう。
自分にあった病院選びをするためには、自分の目標や興味の矛先を知ることが必要になります。自分の方向性を見定める方法を確認して、病院選びをスタートさせましょう。

自己分析で看護師としてのビジョンを明確にする

病院選びをするにあたって、まずは自己分析をすることが大切です。自己分析とは、自分の性格的特徴や興味、価値観などを洗い出し、自分の「強み」は何かを知るための作業を指します。
意欲的に取り組んできたサークルやバイト、趣味も分析材料になるため書き出してみると良いでしょう。活動を通して得た経験やスキルをエピソードとともに浮き彫りにすれば、より具体的に自分の特徴を熟考できるはずです。
自己分析は病院選びの軸を作れるだけでなく、面接や履歴書の作成時に必要な自己PRや志望動機の基盤にもなります。「自分の強みや興味の方向性はどのような看護分野で活かせるか」を考え、自分の目指す看護師としてのビジョンを見出しましょう。

実習やインターンシップ、職場見学を積極的に行う

学校のカリキュラムである実習は、リアルな看護現場を知ることができる貴重な機会です。また、インターンシップや職場見学には積極的に参加すると良いでしょう。
現場での体験を通して、自分のイメージしていた看護業界との一致点や相違点をクリアにすることができます。さらに、実際の病院の雰囲気に触れ、先輩看護師の働きぶりを見たり、話を聞いたりすれば、自分の将来像も描きやすくなるでしょう。
学校の情報やWebサイトをこまめにチェックして、就職の情報にはアンテナを張るよう心がけてください。複数の病院のインターンシップや見学会に参加すると、病院選びの際に比較検討できるためおすすめです。

新卒看護師が病院選びする際に着目したい5つのポイント

自分の看護師としてのビジョンを描けたら、それに沿った病院選びを進めましょう。病院選びには、勤務地や研修制度、待遇面など着目すべきポイントがいくつかあります。以下を確認して、病院選びを行う際の参考にしてください。

1.病院の場所や周辺環境

入職後に勤務地がどこになるかは確認しておきましょう。
病棟勤務で夜勤がシフトに組まれれば、通勤に困らないかは気になるところです。また、入職したては、必要な業務フローの勉強が必要となる場合もあります。自宅からのアクセスが良ければ、その分時間を有効に使え、通勤に体力を奪われる心配もありません。
「スーパーやコンビニが近くにある方が良い」「自然に囲まれていて静かな方が良い」など自分の理想とする環境がある方は、入職前に病院の周辺環境も把握しておくと良いでしょう。ただし、看護業務と直結する病院の職場体制よりも周辺環境を優先して病院選びをすることは、入職後のミスマッチにつながる恐れがあるためおすすめしません。

2.新人の教育制度

病院によって新人看護師への教育制度は異なります。看護業界で実施されている主な教育制度として、以下が挙げられます。
・プリセプター制度
従来のプリセプターシップ制度は、プリセプター(先輩看護師)がプリセプティ(新卒看護師)をマンツーマンで指導するのが一般的でした。しかし、プリセプターの負担軽減や看護師間のトラブル回避のため、病棟全体がチームとなりプリセプターシップ制度に関わることも増えているようです。

・ジョブローテーション
ジョブローテーションは、新卒看護師が配属された病棟以外の部署を一定期間をかけて複数ローテーションする教育制度です。病院全体の把握やスキルアップが望める反面、看護業務に慣れないうちに多部署を経験することの有効性も問われています。

・各病院独自の教育制度
「保助看法」などの一部改正により、「新人看護職員への臨床研修等」に対する努力が義務化されたのを受けて、厚生労働省が研修ガイドラインを作成。これにより、どの病院においても一定したレベルの研修を行えるようになりました。
病院によって、このガイドラインを基に独自の教育制度を組み立て実践しているところもあります。病院の資料やWebサイト、説明会で確認できるケースが多いでしょう。

教育制度は病院によって異なります。充実した教育制度はスキルアップや働きやすさにつながるため、自分の看護師としてのビジョンと照らし合わせながら検討すると良いでしょう。

3.夜勤体制やシフトの組み方

看護師として病棟に勤務するのであれば、基本的に夜勤がシフトに組み込まれます。夜勤には、2交代制と3交代制があるのが一般的。どちらの夜勤体制を採用しているかは病院によります。
以下は、2交代制と3交代制それぞれの勤務時間の1例です。

・2交代制…日勤8:00~17:00、夜勤16:00~9:00
・3交代制…日勤8:00~16:30、準夜勤16:00~24:30、深夜勤24:00~8:30

2交代制の勤務時間は日勤と夜勤の2つに分かれ、夜勤を16時間に設定したシフトになります。3交代制の勤務時間は日勤・準夜勤・深夜勤の3つに分かれ、各勤務8時間を基本に時間が組まれるのが特徴です。
3交代制夜勤に比べて、2交代制夜勤の方が勤務時間は倍になります。その分、夜勤明けから翌休日までとプライベートな時間を確保しやすいといえるでしょう。3交代制夜勤は勤務時間が短いため、仕事での集中力を保ちやすく精神的プレッシャーを軽減しやすい点がメリットです。
病院によって勤務時間の設定は異なるため、各病院における新卒看護師のシフトスケジュールを必ず確認しましょう。それぞれの特徴を掴み、自分のライフスタイルを考慮したうえでよく検討する必要があります。

4.福利厚生や待遇

病院選びで、給与や休日数、福利厚生などを基準にする新卒看護師もいるでしょう。給与は基本給を確認し、夜勤や特別手当、賞与がどれくらい付与されるかを確認してください。
年間の休日数や有給消化率なども、ワークライフバランスを重視するなら大切なポイントです。福利厚生は社会保険にくわえて、家賃補助や社員旅行、資格取得支援など病院独自の待遇に、どのようなものがあるかを比較検討すると良いでしょう。

5.職場の雰囲気

職場の雰囲気が良いかどうかは、働きやすさにつながります。働きやすい職場にいると、仕事へのモチベーションが保てるとともに知識や技術を周囲と共有しやすいでしょう。自己の成長やスキルアップに最適な環境だといえます。
先述したインターンシップや職場見学、実習などは、職場の雰囲気を知るための良い機会です。病院内では、職員間のフォロー体制やコミュニケーション、患者さまや外部関係者への対応などに注目して、その職場の風土や人間関係を感じ取るようにしましょう。

看護師に必要とされる素養は病院の種類で異なる
病院の規模や科目によって、看護師に求められる役割は異なります。
以下で、それぞれの詳しい違いを確認しましょう。

大学病院と地域病院の違い

病院規模による看護業務の違いとは何でしょうか。ここでは、大学病院と地域病院におけるそれぞれの特徴や、主に求められる看護業務についてご紹介します。

・大学病院
幅広い診療科がそろい、各医療従事者に求められる役割も専門的で分業化されているのが特徴です。新しい医療の開発・研究や医師の育成を担う役割も。最先端の医療技術が実施され設備も充実しているため、小規模病院では対応できない患者さまも多く来院します。
看護師の業務は、患者さまの日常生活や心身状態の把握・ケアに伴う点滴管理やバイタル測定などが主です。スキルアップを図れる研修会や勉強会も充実しています。最新医療や多種多様な患者さまに対応する必要があるため、看護師にも豊富な知識や高度な技術が求められるでしょう。病院によりますが、給与や待遇、福利厚生は基本的に充実している傾向です。

・地域病院
その名のとおり、地域に密着した医療を提供します。疾病予防や健康増進、地域住民との関わり方など包括的な医療を求められるでしょう。診療科目が少なく、大学病院ほど仕事が細かく分業化されていないこともあります。大学病院に比べて、医療や設備の高度性は劣るでしょう。
看護師の役割には、点滴管理やバイタル測定にくわえ、注射や採血といった業務が含まれることもあります。看護師として幅広い看護業務への対応が必要になるでしょう。そのため、総合的な看護師スキルを身につけられる可能性があります。
待遇や福利厚生の充実性は、病院規模や地域性によって差が出ます。就職前によく確認し比較検討しましょう。

病院の診療科目による違い

病院にはさまざまな医療分野があるため、どの診療科に所属するかで看護業務にも違いが出ます。以下は、主な診療科目とそれぞれの特徴です。ぜひ参考にしてください。

・内科
消化器、循環器、呼吸器など複数の科目があります。基本的な看護技術が身につき、患者さまとの関わりも多めでしょう。

・外科
外科手術を施して治療にあたる分野です。脳外科、心臓外科、小児外科などがあります。患者さまの状態改善を認識しやすいため、医療の効果を間近で感じることができ、やりがいを持ちやすいでしょう。

・整形外科
患者さまの年齢層に幅があるのが特徴です。骨や筋肉に関する治療が中心で、急変対応は少ない傾向にあります。

・産婦人科
助産師と連携して、出産や妊婦の心身ケアに携わります。生活指導などを行う場合も。生命の誕生に携われることにやりがいを見出す看護師もいるようです。

・小児科
子どもの命や心身状態の維持に関わります。患者さまやその保護者とコミュニケーションを図ることも重要な役割です。

・精神科
患者さまの日常生活ケアや管理が主です。患者さまの訴えに耳を傾けるなど精神的サポートにくわえて、必要に応じた看護ケアの検討が求められます。業務内容が病院方針によって異なる傾向が強い診療科でしょう。

「初めから診療科目を限定すると看護師としての方向性が狭まるのでは…」と心配に思う新卒看護師もいるでしょう。しかし、自分のやりたいことが見えているのに、異なる分野を選ぶと入職後に後悔する可能性もあります。
看護師として携わりたい専門分野があるのなら、そこに的を絞って専門性を極めていくのも1つの手です。また、「方向性は定まっているけれど、さまざまな技術やスキルを身につけたい」と考えるなら、最初は志望する診療科以外の病院で働き、一定程度の経験を経てから自分の志望分野に移るという方法も良いでしょう。

まとめ

病院選びで肝心なのは、「どうしてその病院で働きたいのか」という目的意識を持つことです。就職活動のさいには自分の看護師としてのビジョンに近づくにはどのような病院で働くと良いのか、という視点で病院選びを行うと、入職後のミスマッチ防止につながるでしょう。

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