キャリアアップ 認定看護師になるためには

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#1353 2021/02/12UP
キャリアアップ 認定看護師になるためには
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私たち看護師のキャリアアップとして認定看護師、専門看護師、診療看護師が代表的でしょう。
認定看護師は特定の看護分野における熟練した看護技術・知識を用いて、あらゆる場で看護を必要とする対象に、水準の高い看護実践のできる認定看護師を送り出すことにより、看護ケアの広がりと質の向上を図ることを目的としています。そのため、自分がどの分野に興味があるのかという所をよく知っておく必要があります。

1、教育課程の変化

現在、認定看護師教育課程も特定行為を含む教育課程へと変遷をされつつあり、今までは21分野あった認定看護師も今後は19分野に編成されます。例えば、救急看護と集中ケアが統合されクリティカルケアと名称が変更になります。今までに救急看護認定看護師の資格は取ったという人は、特定行為研修を受ければ「クリティカルケア看護認定看護師」として名称変更が出来るようになっています。
しかし変わらない部分は、認定看護師の役割である①実践②相談③指導です。

2、認定看護師を目指すための道のり

認定看護師の受験資格は、看護師経験5年以上、かつその分野での3年以上の経験が必要です。
どんなに「私は脳卒中看護の認定看護師になりたいわ」と思っていても、看護師経験5年以上は満たしますが、脳卒中の経験がゼロなら受験できません。そのため、もし興味のある分野があり、認定看護師を目指そうと思っているのなら、上司に相談するなど、その特定の分野に特化した病棟に異動を希望するなどのアクションを起こす事をお勧めします。
また病院や看護部の組織分析をして自分の病院がどのような認定看護師を欲しがっているのかなど事前に調べておくこともお勧めします。病院の利益に繋がるような、加算がたくさん取れる認定看護師の教育課程には是非行かせたいという病院も今では多くなっているようです。
看護師経験も5年以上、特定分野も3年以上経験したし、認定看護師の試験を受けようと思っても簡単に受験は出来ません。
実務経験書というものがあり、本当にその分野の経験が基準を満たしているかなどを記載し、看護部長又は院長などの推薦状をもらい、そして試験を受ける分野での症例を5例取らなければなりません。
症例検討も看護学生さんがデータベースなどを作って関連図を作り患者さんをアセスメントしていたように行い、自分が実践した看護でどういう結果になった。など考察まで書く必要があります。
ですから、認定看護師教育課程の受験を考えている人は、その教育課程がいつ頃受験の発表をして受験日がいつでと逆算しながら症例検討を進めていき、同時に上司へ自分の思いを話せるような面談の場を設けるようにしてください。モチベーションが高い時に行った方が、過程に入ってからもモチベーション高く勉学に励むことが出来ます。
入学試験もありますので、私は仕事をしながらガイドラインを読んだり、実際の現場の中で自分が勉強したものとすり合わせるなどの方法で入学試験への勉強は行いました。
教育課程へ入学してからも死ぬほど勉強しなければなりません。試験を乗り切るだけの丸暗記方法では筆記試験は良くても実習で落とされることもあるので注意してください。

3、認定看護師教育課程在学中のお金のリアル

無事に認定看護師教育課程に受験が決まったらいよいよ受験・入学に向けての準備です。看護協会は本当にお金がかかります。
まず、教育課程受験料:5万円。これを納付したら受験が出来ます。
晴れて教育課程への入学が決まりました。
ここでまた入学金5万円です。それと課程の授業料(分野で違うと思いますが)80万~90万円を一括納付です。
病院が負担をしてくれたり、病院からお金が出ない人は看護協会に奨学金の制度があります。(私は、病院が負担をしてくれました)私の時は特定行為を含んでいない課程でしたので半年間の学生生活になるのですが、病院からは基本給のみの支給でした。家も教育課程から遠かったため近くにレオパレスを借りて住んでいましたので、この半年間は2重に家賃の支払いなどが発生してきます。生活苦のため辞める人もいました。
家から新幹線などで通学する人もいましたが、1か月の電車代だけで10万程度は無くなると言っていました。
食費もかかるため本当に半年間はリアルに極貧生活を送ることになります。実習が始まると実習先への通勤代も必要になってきます。
特に実習中は、患者さんのケアをするにも根拠を持ってケアを行うため文献検索や新規に本を購入したり、指導者へ記録を提出するためのコピー代やプリンターのインク代など湯水のようにお金は出ていき、自分の食事のお金を削って生活していました。
毎日もやしやカイワレ大根など、いつも空腹だった記憶があります。
実習に行く前には、科目修了試験がありそれに合格しないと実習には行けません。再試、再再試もありますが1科目3000円で、再試にならないように不眠不休で勉強していました。私はその時冬のボーナスをいただくことが出来たんですが、施設によっては基本給の支給もなく勤務も出張扱いではなく欠勤扱いとなるところもあるようなので、そこは確認のポイントだと思います。
実習や卒業試験を終えて晴れて教育課程を卒業しても、つぎは本試験です。
本試験の受験代5万円。試験に合格したら認定看護師としての登録料5万円というお金がかかります。
それぞれの病院でも認定看護師教育課程へのお金の出し方が違うみたいなので、そこは自分の施設に確認した方がいいと思います。
もちろん、病院からお金が出た人は、お礼奉公を一定期間することになります。病院によっては認定看護師合格後はお手当が追加支給されるところもあるようです。

4、現在の認定看護師

現在は特定行為を含む過程であることから、学習期間は1年間です。但し、入学してしばらくはオンラインでの学習です。日勤が終わり家に帰ってパソコンで3~4時間の授業を受けます。そして科目試験です。地獄のようです。睡眠時間は削られ、それでも仕事もしなければならない。という苦しみが待っています。オンライン授業がすべて終了すると、特定行為の実習です。1つの項目につき5症例取らないと終わりません。
医師の業務を軽減するための取り組みが、看護師の業務に回ってきているような気がしてなりませんが、いちいち医師を待たなくても手順書さえ作成しておけば看護師でアセスメントし、呼吸器の設定が変更できたりするのはいいところではあると思います。
しかし、この特定行為研修は経験年数がなくても誰でも取ることが可能です。極端な話し、新卒の看護師でも取れるということです。実務経験も全くない看護師でも特定行為研修だけは受けることができ、合格すれば特定行為も可能になります。これは少し怖いことだと私は思います。
やはり実務経験の中で培うものもありますし、その中で患者さんをアセスメントする能力も持ち合わせてくるものだと思っているので、全く実務経験のない新人看護師が特定行為が出来るというのは、看護協会や国で考え直していただきたいところではあります。
しかし、認定看護師にもならず実務経験豊富で素晴らしいジェネラリストナースの方には、認定看護師はお金や時間の問題もあるので無理強いはしませんが特定行為研修を何か一つでも持っていただければ、認定看護師とタックを組んでまた素晴らしい看護が出来て、看護の水準の向上と看護の質の担保が出来ると思います。
認定看護師を諦めてしまった方で特定行為だけでもと迷っている看護師のかたには是非特定行為研修を受けて頂き、私たち認定看護師と共に活動していっていただければ幸いだと思います。
認定看護師、特定行為研修修了者で患者さんにとって最高で最良の医療、看護を提供してくことが私の希望でもあります。そしてそれが、病院へ還元されれば私たち看護師の地位向上にもつながることと思っています。

まとめ

いかがだったでしょうか?認定看護師への道のりはご理解いただけましたか?認定看護師になるためには備期間などあわせると1年以上の年月がかかります。しかし、念願の認定看護師になった時、やり遂げた達成感とこれから患者さんのために根拠を持って、また自信を持って看護を提供することができます。この自信が患者さんやその家族との絆に繋がる素晴らしい資格だと私は思います。スタッフの育成にも携わることも出来ますし、認定看護師を見て憧れて自分も認定看護師になりたいと言ってくれる後輩が出てくることをうれしく思います。今、コロナで大変な中私たち医療者が、患者さんとその家族を繋ぐ綺麗な糸でありたいと思います。

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