整形外科領域において受傷期ケアのアセスメント介入について

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#1352 2021/02/11UP
整形外科領域において受傷期ケアのアセスメント介入について
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整形外科での患者様の心理やケアへの介入について看護師としてどのような配慮をしていかなければいけないか。またどのようなアセスメントが必要となっていくか説明していきたいと思います。
その交通事故など急な外傷などで入院になってしまったなど受傷のケアについて事例をあげて説明していきます。

看護師で働く病院は様々な科がある中内科病棟のみで勤務している看護師だと整形外科や外科などの分野に触れる機会が少なく、アセスメントに不安を感じている方々も多いのでしょうか。
私自身は混合病棟で勤務していた為整形外科の手術前、手術後など看護をする機会もありよかったと今思います。
そこで患者様が事故により突然発症する外傷を受けたところからアセスメントや看護ケアを伝えていきたいと思います。
普段私達はからだの不自由なく生活しています。
その生活から一変して転倒や交通事故などが原因で外傷を受けた患者様が整形外科病棟に入院する流れになります。

その患者様のケアのポイントを5つあげます。
1つめは幹部と全身状態の観察、アセスメントの実施
2つめは疼痛の緩和を積極的にはかり、痛みと不安の軽減に努める
3つめは身体的、心理的側面から患者を理解し心のケアを行う
4つめは安静によるセルフケア不足への支援を行う
5つめは患者の危機段階のプロセスの理解になります。

私が勤務していた病院でも高齢者の転倒により大腿部の骨折や鎖骨などの骨折、腰痛圧迫骨折などがほとんどでした。
痛みに対してはすぐに緩和してあげないと、高齢者は認知症を患っているため不穏になりやすいです。
また、治療の理解力に乏しいときもあり、暴言や暴力もときにはありました。
そのため上記に述べた5つのケアのポイントは必要となってきます。

受傷における患者の全身の観察は最優先となります。

重症の場合はショックの有無を確認する必要があります。
そして同時に高齢者ではたくさんの既往歴を持っている可能性もあり、しっかり既往歴を確認し、患部の状態、疼痛などの症状を観察する必要があります。
病棟の看護師は事故からなどの発症から来院までの状態を確認します。その他、高血圧や糖尿病などあるからもいるためお薬手帳や家族から持参薬や現在の服薬状態を確認します。
呼吸や意識など全身状態の観察後は必要であれば主治医の指示で輸液による体液循環の管理も行います。
また四肢骨折の場合などのアセスメントのポイントとしては、
骨折片で太い動脈を損傷すると、患部が冷感やチアノーゼ、疼痛、腫張や脈拍の消失が起こります。
橈骨動脈や足背動脈を触知することが必要であり、骨折による問題が起きていないか観察する必要があります。
その他ADLへの影響がどの程度の影響か把握しておく必要があります。
とくに歩行ができない高齢者などトイレにいきたいなどナースコールを押すパターンも多くバルンカテーテルを入れても、排便のときは便器を使用することになる為その都度わかりやく説明する必要があります。
体を体位変換などで動かす場合は疼痛が発生がある際も同様に対応していく必要があります。

そして次に大切なことが安静です。

起き上がろうとしたり、医師の指示を守れない場合もありますがそれだけ安静にすることはストレスを感じるということになります。
その中でも看護師は体動を最小限にする配慮が必要となり、安静によるセルフケアが不足や急な入院や痛みに対する全般的な心とからだの苦痛への配慮が必要となっていきます。
不安を少しでも取り除くためには説明する際はわかりやすく、ゆっくり現状のことを家族や患者様に説明することが必要です。
状態により説明は落ち着いたときや質問されたときにその都度行っていきます。
認知症で理解力がやや困難な場合は家族を通して説明してもらうと落ち着くときもあります。
疼痛により不穏や興奮があることもあります。
そのときは主治医へ指示をもらい鎮痛薬を用います。
他には急な入院により環境の変化や不安が募ること、安静を求められることで不眠になる可能性も考えられ睡眠導入薬も投与するときもあります。
それらの薬でも不眠に陥ることも考えられる為、担当の看護師が話を傾聴し不安の緩和に努める必要があります。
高齢者はとくに入院後せん妄状態になる可能性が高いです。
私が看護経験する中でも多々見られました。本人様はそのときのことは覚えていないことがほとんどです。
その安静にする時間が長く続くと時間の感覚がわからなくなったり、拘束感によりストレスでせん妄が引き起こされる可能性が高いです。
なるべくご家族との時間を増やしてもらったり、本人様の時計やカレンダーを使い時間を把握してもらうことが対応のひとつとなります。
また患者様の心理的なものとして痛みが起こることへの恐怖として、食べたくない、便などの排泄の介助をして欲しくない
など持たれる場合もあります。そのこと事態が心の負担にもなっている可能性もあり、看護師から声をかえてるなど配慮が必要になります。
そのため日頃からの患者様の食事量や飲水量、排泄状態、患者様の表情や言動にも注意し観察することが大切です。

次に骨折などの外傷では強い痛みが出現することがあります。

その強い痛みがあることでADLが低下するだけでなく、不安、不満などが生まれ、痛みがさらに増していくという悪循環になる可能性があります。
痛みはさらに睡眠障害に可能性もあり、鎮痛薬や罨法を利用して不安と疼痛緩和に看護師は努める必要があります。
痛みを押さえる鎮痛薬は湿布や内服薬、座薬などのほかに、効果が早い注射薬もあります。
薬には副作用もあることを理解したうえで血圧、呼吸、意識への観察を行います。
罨法として冷罨法が行われます。
温罨法は逆効果とあるため注意が必要です。
また外傷時の痛み除去に患部へのマッサージも禁忌です。
理由としては炎症を助長させたり、出血量が増える可能性があるためです。
心のケアとしては不安が入院時抱える大きな要因となります。
からだのみまらず今後自分がどうやって生きていくかなど考えます。
ほかには家庭や仕事、経済面のことは成人した方々だと大きな問題になります。

その際人間が感じる危機課程は
1、ショック(ストレス)
2、防御的退行
3、承認(ストレスの再現)
4、適応(適応と変化)
という課程があります。

たとえば急な事故により入院した成人の患者様が救命救急センターへ搬送されそのときは大きなショックを受ける混乱した状態にあたります。
その後事故におった傷から目をそらすなど防御的退行という課程をたどります。その際は看護師は患者のペースに合わせてケアを行う必要があります。
しばらくし、患者様も現実逃避は長く続かないことや、できていたことができなくなることなど自分の課題に直面することで抑うつ状態になることもあります。しかし、少しづつではあるも承認(ストレスの再現)し現実を見るようなり、不安を訴えるようになります。
そのようななかで自分自身のおかれた状態を受容し積極的に対応する。生き甲斐や目標を見いだしていくという適応(適応と変化)をたどっていきます。
整形外科の看護師の役割はそのような患者様がたどっていく心理状態を理解した上でのケアの介入や、看護の提供をしていく必要があります。

まとめ

いかがだったでしょうか。
整形外科領域での患者様の受傷期におけるケアやアセスメント、心のケア内容など事例を踏まえお伝えしました
現在は高齢者の方々の転倒による骨折も増えており、認知症ケアに対しての対応も行い看護を提供していく必要があります。
そのなかで大きな傷を受けたあとでも元気に社会復帰できるように支える整形外科の看護師のお仕事はとてもやりがいがあると思います。
この内容が少しでのお役にたてたら幸いです。

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