患者さんが入院した時に、その患者さんの状態によりいろいろな処置を行うことになります。その患者さんが重症であるほど、医療機器を使うことになりますね。ここでは、その医療機器についてどのようなアセスメントが必要なのかご紹介します。
・医療機器は定期的に点検する
医療の現場においては医療機器を使うことが多いので、その使いたい時に作動しないなどのトラブルがあると大変です。緊急性のある現場であると、そのことは尚更です。それを常に考えて、いつでも何が起きても安心して医療機器を使うことができるようにセットや転換をしておくことが大切です。
まずは、なんといってもその病院で働いているそれぞれの部署の看護師が使えるようにしたいですね。医療機器についてそれぞれ使い方がわからない場合は、本当に困ります。医師も看護師を頼りにしていることが多いので、看護師が使うことができないとたちまち困ってしまいます。その場合は、使用したい医療機器を使える看護師を呼んで来ることになります。すると、その時間がロスタイムとなり、患者さんの状態が悪くなることもあります。そのことからそこで働く看護師全員が、医療機器を使えるようにしておくことが大切です。
定期的に医療機器について、院内研修をしているところもありますね。その研修会には、必ず参加をしましょう。また研修会がない場合は、自分が使ったことがない機器についてマスターできるようにしておきましょう。それにより、緊急時に慌てることなく対処できるようになります。
そして一番大切なこととして、医療機器を安全に使うことができるようにそれらを点検しておきましょう。できれば毎日点検するといいでしょう。壊れている場合は、予備の機器を借りるなど、不足することがないようにしたいですね。
・心電図モニターについて
患者さんの状態が不安定な時に使用する機器として、心電図モニターがあります。心電図モニターは、心拍数、呼吸数、経費的酸素分圧などが測定できるようになっています。心電図については、心電図の波形を見ることができるようになっています。その波形により、異常を発見できることもあります。
モニターとして、定期的に点検を行うのは電源がしっかりONとなるか、電線は破損していないかなどを行います。そしてそれらを行って、実際に患者さんに装着した時は波形などをモニターします。必要時は、データを保存したりデータされた記録をペーパーとして出力したりすることも出来るのでとても便利です。
患者さんによっては、たびたび体動があり正確な波形が出ないこともあります。そのとき、その都度アセスメントをして、体動による波形の乱れなのか観察をするようにします。いつも体動などにより、波形が乱れたり正確なデータが出ない患者さんもいます。そのとき、いつものことだからと思わずアセスメントして対処しましょう。
・血圧測定器について
患者さんの血圧を測定して、その患者さんの状態を把握することも大切です。そして最近では、いろいろな測定器があるのでその機器を周知することが大切ですね。デジタルで直ぐに結果が出るものもあり、看護師でなくても測定できる機器もあります。一般の人が使うことができるように電池を入れて測定をすることができる機器も使うことがあるのです。
それらで異常値が出た場合は、別の血圧測定器を使用するようにします。総合的にアセスメントを行い異常の血圧値を判断します。
また血圧は、患者さんの腕にきちんと装着されていないと異常値が出ることもあります。
・体温計について
体温については、全ての患者さんに必ず行う観察項目です。そのことから、病院によっては患者さん自身が測定することもあります。そのときも、体温計の個数や測定値が異常な場合は直ぐに取り替えて測定をするようにします。その患者さんが発熱していない場合はいいのですが、発熱をしている患者さんの場合は、脇などにきちんと測定される位置になっているかなどをアセスメントするようにしましょう。
・ドレーンについて
手術後の患者さんの場合は、ドレーンが挿入されて病棟にかえってくることがあります。そのとき、どんなドレーンがどこに挿入されているのかしっかり管理をします。たくさんドレーンが挿入されている場合は、挿入されている部位について絵で書いて申し送ることによりとてもわかりやすいです。
また排液がされているか、その色や量についてもしっかり把握をしましょう。多量に排液されている患者さんが、少ない量になった場合はドレーンが閉塞しているなどをアセスメントします。ドレーンに異常がある場合は、患者さんのリスクもあがり発熱などの症状も見られるようになります。発熱とドレーンの排液状態をアセスメントして管理をするようにします。
・輸液ポンプについて
輸液ポンプは、患者さんの輸液管理をしっかりしたい時に使うことが多いです。その時、直ぐに使うことができるように日頃から点検を行います。まずは、患者さんに使用したあとはキレイに拭き取るようにします。輸液がついたり、血液が付着するなど汚れてしまうことがあります。その都度、キレイにすることが望まれますがそれができないこともあるのです。輸液ポンプを終了した時点で、キレイに清拭をしましょう。
また一つの輸液ポンプだけではなく、複数のポンプを使用している場合はどこに輸液ルートをとっているのか記載をしておきましょう。そうすることにより、患者さんのルートの観察がしやすくなります。ルート交換のときも、記載をしておくと便利です。また輸液流量の変更がある場合も、間違わずに実施することができます。
・人工呼吸器について
人工呼吸器については、特に点検を密に行うことが大切です。それはなんといっても、緊急時に使用することになるからです。作動するか、その人工呼吸器にあっている回路がセットされているかを点検します。また呼吸器回路を人工呼吸器にセットする時は、回路と接続部が間違っていないかなどを複数の看護師で確認をします。
・訪室時のアセスメント
患者さんを訪室する時は、患者さんの状態とともにその患者さんに使用しているドレーンや機器についても、確認をするようにします。それぞれ、指差し正常に作動しているか、指示通りの量や回数であるかなどを確認します。
・医療機器を過信しないこと
医療機器を使っている場合は、それに頼ってしまうこともあります。しかしそれはとても危険なことなのです。
例えば、人工呼吸器の場合はアラームが鳴る時はいいのですが、もしかしたら機器が壊れてしまいアラームがならない状況もあるかもしれないからです。そして処置をする時などに、アラームを切ってしまい、その後に再度セッティングを忘れてしまう事もあります。早期に気づくといいのですが、そのままになっていると大変なことになってしまいます。アラームは、必ず元のように鳴るようなセッティングにすることを肝に銘じておきましょう。忘れてしまうと、患者さんの命に関わってしまうのでそれはアラームONなどと記載した紙をその場所に貼るなど可視化をするなり、忘れない工夫を至るところに行うようにします。
まとめ
いかがでしたか?医療機器を管理することは、患者さんの命を守ることにつながります。看護師として、それはとても重要であることを認識し、それぞれの医療機器について抜かりのないように点検や管理を行いましょう。不明な場合は、その患者さんを受け持つ前後の看護師と一緒にアセスメントを行い不明な点を解消するようにしましょう。
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