訪問看護師に必要なこととメリット・デメリット

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#1318 2021/01/09UP
訪問看護師に必要なこととメリット・デメリット
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一般的に、訪問看護師は看護師としての経験が少ないと難しい分野だと思われています。素早い判断な仕事だからです。私もはじめは、自分にはこの仕事は難しいのではないか、と思っていました。しかし、仕事を続けるうちに大切なことに気付きました。
訪問看護師に必要なことは何か、メリットやデメリットを含めて、私の経験からおしらせします。

まず、訪問看護師の業務は、それぞれのスタッフが一日のタイムスケジュールに沿って個々で(または2人1組などもあります)利用者さんのお宅に訪問します。私が勤務していた訪問看護ステーションは、電動自転車での移動でした。看護師1人の訪問件数としては、1日の件数は少ない日で5件、多い日で10件近くありましたが、これは訪問看護ステーションの中でも多い方だと言われていました。車移動の訪問看護ステーションもありますし、訪問件数はステーションにより異なります。訪問する利用者さんの状態もステーションによって違います。
それぞれの利用者さんにより、訪問時に行う看護の内容・方法と時間は異なります。バイタルサインの管理、服薬確認はほぼ共通ですが、その他には、薬カレンダーへの配薬、マッサージやリハビリ、入浴介助や導尿、吸引、褥瘡処置などもあります。利用者さんそれぞれで看護の具体的な方法が異なる場合があり、それは個々のカルテのようなもので情報を共有したり、日々の記録に残すようにします。急な体調不良の場合は医師に報告したり採血して提出することもありました。
また、私の職場は電子カルテを使用していたのでipadを持参し、記録しながら業務を行います。訪問時に全て記録できなくても事務者で追記することができます。1日のはじめには、必ずスタッフの間で情報交換やカンファレンスを行います。困っていることがあればその時に話し、相談します。話合いで難しい場合は、実際に一緒に他のスタッフに同行をお願いしたりもします。主に、褥瘡の経過や処置について考える場合、写真で判断が難しければ上司に同行をお願いしたりします。そのほかで困った時は携帯を使いすぐに上司や他のスタッフに連絡・相談します。

訪問看護師という仕事のメリットとしては、自分の実力を活かせること、自分のやりたい看護がじっくりと行えることです。決まった時間内ですが、利用者さんとは何度も接するため信頼関係を築くことができます。利用者さんと一対一で接するので反応も直接はっきりと返ってきます。次回はこうしよう、とか自分と利用者さんとで相談して看護を考えたりもできます。看護の具体的な方法は常に改善していくように努めます。自宅で行うため、物品を利用者さんにご用意頂くことがありますが、なるべく無駄が無いように手順・方法を何度も見直します。限られた物品と環境の中で、いかに良い看護をできるかを考えることはとても楽しいです。特に訪問看護ステーションは、総合病院のように物品の種類が多くなかったり数が少ないことがあります。
利用者さん宅を長く訪問していると、自分の家族のような気持ちになり、利用者さんに会うことが楽しみになってきたり、ちょっとしたことで利用者さんに励ましていただいたりするのは、この仕事のとても良いところだと思います。そして、利用者さんのちょっとした変化に気付くことができるのも訪問看護師ならではと感じます。
自分の実力を伸ばすために、日々、その利用者さんのために勉強することが多いです。それも看護に直接活かすことができるのでやり甲斐を感じます。常に自分の看護が正しいか、良い影響を与えているかを、他のスタッフも交えて評価していきます。

仕事のデメリットとしては、移動が多いので体力が必要であるということです。利用者さんの処置により必要物品も異なりますので、時には重たい荷物を運ぶこともあります。利用者さんのお宅の限られたスペースで準備や処置をしたりする時もあります。ベッドの高さが低く、処置が難しい時もあります。私もはじめは少し苦労しましたが、これも様々な工夫と他のスタッフとの相談で、アイデアを出し合いながら乗り越えました。移動時は大変だと思われますが、建物の中だけでなく外を移動するのは気持ち良いです。地理にも詳しくなります。そして自然と体力がついてきます。
もう一つのデメリットは、妊娠時や体調の悪い時は仕事を継続するのが難しいことです。体を動かす仕事なので少しの体調不良でもすぐに悪化してしまう可能性があり、中断すると利用者さんのスケジュールに影響するので体調管理はとても大切です。特に、少しでも体調不良を感じたら、早めに休むことが必要です。これはどの仕事にも共通しますが、訪問看護の仕事はスケジュールで動くので、朝のうちにスケジュールを組み直す方が利用者さんに迷惑をかけずにすむことが多いです。
また、妊娠時に訪問看護の仕事は控える方が良いと思います。これは私の個人的な考えで私の仕事場が自転車移動だったからでもあります。妊娠初期にこの仕事はとてもハードだし、リスクが高いと感じました。特に移動時の事故などを考えると、あとで後悔しないために通院中の産科医や自分の上司と十分に相談しながら勤務を続けるかの判断をして行って欲しいと思います。

<訪問看護師のメリット>

・自分の実力を活かせる。やり甲斐を感じる。
・自分の看護がじっくりと実践できる。
・限られた物品やスペースで工夫して看護を行うことで応用力がつく。
・利用者さんとの人間関係から学べる。

<訪問看護のデメリット>

・体力が必要である。
・体調不良の時、妊娠時に勤務を継続するかの判断が必要。
(移動時の事故や体調悪化の可能性を考え早めに判断すること)

最後に、訪問看護師に必要なことです。これは、単独で行動をするため個々の素早い判断が必要なのは間違いありませんが、一番は他のスタッフとの連携だと思います。何かおかしい、と異変を感じた時に上司や他のスタッフに報告・連絡をすぐにできること。そしてすぐ行動できることが大事です。そして、常に利用者さんの立場に立ち、現在行っている看護が正しいのかを考え続けることです。そのためには自分自身が新しい知識や技術を身につけることが必要だし、他のスタッフと一緒になってアセスメントすることが大事です。一対一で接する仕事だからこそ、常に自分の行っていることに疑問を持たなければいけません。
また、訪問していくうちに、自分と相性がよくない利用者さんがいらっしゃるかもしれません。これは人間対人間なので仕方のない面もあります。一度、何か失礼なことがありそれから利用者さんが拒否される、ということもあります。そういう時は、他のスタッフが交代したりします。なるべく起こらないように、と気をつけていても、人によっては感じ方が違ったりするので拒否された場合は他のスタッフへの連絡、引き継ぎを丁寧に行いましょう。
さらに、体力の必要な職場なので自分の体調管理をしっかりと行うこと。体調不良のまま仕事をすると感染の危険もあり、急なスケジュールの変更で利用者さんに迷惑をかけルことになります。少しでも体調の異変を感じたらすぐに上司に相談してお休みしましょう。
そして最後に、利用者さんへの接し方に気をつけることです。長く訪問していると家族のような気持ちが生まれ、馴れ馴れしくなったり敬語を使わなかったりする人がいますが、利用者さんに対しての礼儀を忘れないようにしましょう。これは、長くかけて築いた人間関係を維持するためです。
利用者さんは、訪問看護師への不満やクレームを言いにくいと思います。他のスタッフが時々訪問して意見や感想をいただくこともあります。そういう機会を設けることはとても大切です。

<訪問看護師に必要なこと>
・他のスッタフとの連携を取ること。報告・連絡・相談を必ず行う。
・常に自分の行っている看護を見直すこと。他のスタッフと一緒に評価する。
・自分の体調管理。体調不良の時はすぐに休む。
・利用者さんへの礼儀を忘れない。

まとめ

いかがだったでしょうか。訪問看護師の仕事は経験しないとわからいことが多いですが、できるだけ私の経験に沿ってお伝えしました。
他の看護師の仕事と同じですが、訪問看護師の仕事は大変ではありますが、この仕事の良さ、楽しさもたくさんあります。私はむしろ、大変なことより楽しいことの方が多かったと今は感じています。これからの時代は、在宅での看護、医療が増えてくると感じます。在宅での看取りも少しずつ増えています。自分の実力を伸ばすためにも挑戦するべき仕事だと思います。

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