在宅看護のアセスメントやケアマネジメントについて

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#1293 2020/12/15UP
在宅看護のアセスメントやケアマネジメントについて
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現在高齢化社会にて施設や訪問看護の需要が今まで以上に高まっています。
そして、経験のある看護師の方々が在宅看護へ飛び出し活躍できる場とも言えます。
そこで在宅看護にチャレンジしたけど、不安があったり、どのような視点で看護を行えばよいのか。という悩みから自身の経験も踏まえお伝えしていきたいと思います。

看護の仕事として現在在宅医療で活躍されている先輩方が沢山おられます。
そのなかでも訪問看護師や、介護施設で勤務する看護師は病院とどのくらい働き方の違いや、アセスメントやマネジメントの違いがあるのか。と思うこともあると思います。

現に私も病棟勤務が長くケアマネージャー資格を取得後に在宅分野
にキャリアを変更しました。
初めはギャップやカルチャーショックという言葉が当てはまることもあり、清潔や不潔の存在意義や、医師がいない中での夜勤業務の不安さなどは感じたことがあります。
しかし、ベースで病院で経験した看護技術や知識がまるごとそのまま在宅医療や看護、介護の世界で活かせるため病院で学んだものは財産だったと思えます。
私自身は訪問看護ステーションと老人保健施設や介護複合施設(デイサービスやグループホーム、有料老人ホーム、サービス付き有利老人ホームの集まり)と在宅看護を経験しました。
他にも特別擁護老人ホームや、小規模多機能ホーム、看護小規模多機能ホームと施設形態が沢山あり見学や実体験をした中での感想をお伝えしますと、アセスメント能力や、問題解決能力が強い看護師の方ほど在宅看護では活躍できるということが言えると思います。
在宅や施設分野では介護スタッフの方々が多く、医療に対する知識についてはよく質問されることも多く、医師の見解のように意見を求められることがあります。
しかし、看護師は医師ではないため自己判断での処置や、薬の投薬はしたらいけません。

在宅では医師がいないからといってプチドクターのような存在になってはいけないと思います。
必ず医療連携で、自己でアセスメントした結果を、各利用者様の状態を主治医の先生に報告し指示を受けることは病院の看護師と変わりありません。
ただいつも医師が常駐している訳ではありませんので、医師への連絡が必要なレベルかはその看護師が持ち得ている情報やアセスメント能力が鍵となってきます。
あとは看護師としての職業倫理を持ち業務を遂行できるかということになります。
では訪問看護師であればどのような機能を果たしているかお伝えします。
訪問看護師は患者様の生命力を最大限に引き出して、からだのしくみや病状をアセスメントした上でケアを導き出します。
生命と生活の両方から生活への障害や現に抱えている病気との因果関係を繋げて考えていきます。

例えをお伝えしますと、病院や大きな介護施設ではすべての生活環境が整っており、バリアフリーで高齢者の方々でも安心安全に療養生活や疾患を抱えながら穏やかに暮らすことができます。
それは医療、看護、介護からの他職種が1人に寄り添って最良なケアを提供しているからです。
では1人暮らしで、妻や夫に先立たれている、子どもや孫はいるが、遠方に暮らされておりなかなか様子を見に来ることができない。
または、過去に家族との関係を壊してしまったがが為に介護が必要な状態になっても寄り添う人が周りにいないなどの方が世の中には沢山おられます。
そのような方は成年後見人制度を使用したり、生活保護制度や地域のボランティアや介護・福祉を利用して、障害や健康不良になってその人らしく生活していく流れになります。

訪問看護師が各ケアマネージャーや、地域に暮らす住民のご家族より相談があったときに、はじめに自宅へ訪問しアセスメントすることは、その人や家族が自宅で生活する環境や、マンパワー、介護力や資金力など様々です。
生活環境から読み取れる部分も多く、そこから起こる体ややこころの不調など高齢者には経験から多いと言えます。
例えば一人暮らしの高齢女性が、認知症の症状が現れ糖尿病も併発し倒れた。
という話であればきっかけは先に夫に先立たれ、その次には自分より若い長男にまで先立たれ独居生活になってしまった。

生活も乱れ食事も不規則になり、自宅でひきこもりがちの生活が続いてしまう。 糖尿病があったが服薬も不十分にできなくなり、インスリンの導入になったがインスリンも打ち忘れも多く実際は自己管理できていなかったなどです。
病院で入院した当初は病棟の看護師であれば病気が発症して現在のからだの状態がどの程度機能に影響を及ぼしているのか、どのような薬を使用していたのか、食事や排泄状態や運動機能の状態など現在生命の危機として脅かしているものをアセスメントし情報収集していくと思います。
入院当初は患者様本人もまともに会話ができなかったり、意識が不鮮明な状態で運ばれたり、受診することも多く、情報収集する相手は遠方に住んでいたご家族であったり、施設の職員であることもあります。
ご家族が献身的に介護されている方なら患者様の生活状態や習慣などこと細かに伝えることができますが、大抵施設であれば紙媒体でA4 数枚で患者様情報を納められて送られてきます。

私の経験から病棟で勤務しているときはやはり患者様が自宅での生活を連想しずらく、患者様が回復していくなかでどのような生活をしているのか頭で想起しコミュニケーションをはかり情報収集して入院中や退院後のケアの為に情報収集していました。
しかし、在宅で訪問看護での仕事することでこの患者様がどのような生活をしているか、病気とどう向き合い、どのような考えや思いを持ち予後を暮らしているか理解することができました。
身体におけるフィジカルアセスメントや、病気や治療に関するアセスメントも必要ですが、病院を退院後はご自宅や、施設へ帰られるパターンもあります。中には医療的ケアが必要で医療や介護療養型で余生を過ごす方も多くおられます。
急性期のみのアセスメントのみでなく現在は地域包括病棟ができているということもあり、いつもの暮らしの中で入院前や、入院後の暮らしのケアマネジメントも看護師の役割として現在は大きな意味を指していると思います。
退院調整ナースも活躍されており、ソーシャルワーカーと協力しながら地域のケアマネージャーや、介護施設と連携をとれる視野の看護師も必要となっています。
在宅看護といえば医師が不在であるため現場では緊急事態への対応が頭によぎることが多いと思います。
実際はオンコールは思っている程多くはなく、基本その人らしく生活を支える仕事ですので、私仕事の中で介護の分野も大きく関わってきます。
ときにはCOPDの方で酸素をしている為、spo2が労作時に下がることに注意しながら入浴介助に入ったり、洗髪や清拭、手浴、足浴をしたりもします。
爪切りも行いますし、ときには褥瘡ケアやおむつ交換、点滴も行う機会もあります。
2次や3次救急のような緊迫した医療や看護とは違い、その人に寄り添った看護を感じることができます。
在宅で療養されている方々は、病院やクリニックへの通院が難しかったり、また生活しているなかで看護による援助が必要な方が対象です。
高齢者では沢山の疾患を抱えながら生活をしているため、肺炎などの病気から重症化してしまうなどの注意を払う必要があります。
そして療養中の高齢者や障害のある方々や家族は、自分の症状や不安の内容を訴えることもあり、それに対し丁寧に返答していくのも信頼関係を築くひとつの手段になります。

今回は在宅における生活のおいてのアセスメントを重点にお伝えしました。しかし、疾患におけるアセスメントも日頃の生活や、身体のアセスメントや本人言動、表情から読み取り、ポイントをしぼっていくことで対応できると思います。
常日頃から担当の利用者の疾患や障害からどうような症状や病状がおきるか予測し、それに対しての対策や準備を行っていくかが急変にも対応できる鍵となります。

まとめ

いかがだったでしょうか。
在宅看護は病棟で活躍されている看護師の方でも即戦力になりますし、アセスメント能力も活かせます。
生活の視点でのケアマネジメントなどは実際の実践を通して感じることで、その人やご家族の方々が望んでいる生き方や、どのような看護を必要とされているのか個別性のある看護を考えることができると思います。
このことで少しでも在宅看護に関心を抱いて頂けたら幸いです。

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