看護師は社会的に不可欠でやりがいのある仕事です。しかし多くの職場では慢性的な人手不足で、プライベートな時間が少ないと悩んでいる方も多いと思います。
そこで提案したいのが、夜勤専従看護師という働き方です。夜勤のみと聞くと不安になる方も多いと思いますが、実際はとても魅力的な働き方でもあります。
この記事では夜勤専従看護師へ転職したい方に向け、メリット・デメリットや夜勤専従にまつわる疑問について紹介します。
夜勤専従看護師のメリット
1.高い夜勤手当と少ない勤務日数
夜勤専従看護師は、少ない勤務日数でも高収入が目指せます。夜勤専従看護師の求人では都市圏ですと1回の夜勤につき3.5万円前後のところが多く、勤務日数は規定により「月144時間」となっていて、主流の非常勤・二交代勤務だと1回の夜勤時間は16時間程度なので、働くのは月9回までとなります。3.5万×9日=22万程度となり少ない勤務日数でも外来常勤程度の給与を得ることができますね。月の半分以上が休みになり、時間の余裕がかなりできます。常勤の夜勤専従看護師であれば基本給+夜勤手当の場合もありますのでさらに高額となることもあります。
2.自分時間が増えて副業も可能に!
夜勤専従看護師は夜勤が中心のため、平日の日中に時間がとりやすくなります。夜勤専従看護師で自分時間と収入を確保しつつ、他の仕事にチャレンジすることもできます。逆に夜勤専従勤務を副業にすることももちろん可能です。勤務先によっては禁止の場合もあるため、転職前に副業ルールについて確認しておくと安心です。
3.病棟役割や委員会からの解放!
常勤で働いていると、看護業務以外の役割を任されることがありますよね。院内の委員会活動や看護研究、ラダー制度、リーダー業務、受け持ち患者の退院調整など負担に感じていませんか?夜勤専従看護師の場合は勤務日数が少なく、看護業務以外の役割が免除されやすくなります。
4.人間関係のトラブルが少ない
苦手な上司や性格の合わない同僚など、人間関係で悩んでいる人にも夜勤専従看護師はおすすめです。夜勤は少人数勤務なので、勤務者同士のコミュニケーションがとりやすく協力して業務がしやすいといえます。また勤務回数が少ないので、苦手な同僚と同じシフトに入る回数が減り、仕事上の割り切った関係でいられます。
夜勤専従看護師のデメリット
1.夜型の生活になりがちで体調管理が難しい
看護師の交代制勤務は二交代制が主流となっており、夜勤専従看護師だと勤務1回の拘束時間が16時間と長くなっています。十分な休憩時間が確保できるよう配慮している施設がほとんどですが、診療科や病院の規模によっては夜間でも業務量が多いこともあるので転職前に十分なリサーチが必要です。確実に夜勤をこなせる、体調に自信がある人に向いているかもしれません。
2.常勤のような福利厚生はほとんどない
夜勤専従看護師の雇用形態には常勤・非常勤がありますが、夜勤専従看護師の求人の多くは非常勤です。非常勤はボーナスや退職金などは保証されないところがほとんどです。
3.患者さんの状態を把握しにくく、責任が重い
勤務日数が少ないことで患者さんの状態を把握しにくいです。入退院の多い施設だと、勤務するたびに患者さんがほとんど入れ替わっているなんてこともあるかもしれません。勤務前の情報収集や患者さんとのコミュニケーションをとるようにするなどして状態把握に務める必要があるかもしれません。また夜勤は少人数で行う場合がほとんどなので、ある程度の臨床経験が必要といえます。
4.スキルアップには向いていない
夜間の仕事ですので処置や検査などは基本的に少ないです。そのため新しい処置や、検査介助などの経験を積む機会は日勤よりも減ってしまいます。また昇給や昇進なども夜勤専従看護師にはありません。
どんな就業先があるの?おすすめは?
夜勤専従看護師の主な就業場所は「急性期病棟」「療養型病棟」「施設(老人ホームなど)」になります。その他にも「産婦人科病院」「精神科病院」などがあります。
「急性期病棟」では夜間の急変や緊急入院などが多いので、高い看護のレベルが求められますが1回の夜勤手当てが高額な場合が多いです。体力に自信があり、効率よく稼ぎたい方に向いています。「療養形病棟」や「施設」では服薬補助や排泄介助、睡眠状態の確認が主な業務となります。業務量は多くはありませんが当直医が不在であったり、一人夜勤の場合が多いので経験や判断力のある中堅看護師あたりにおすすめかもしれません。夜勤専属看護師での転職を望むのであれば、就労先を選ぶにあたってはこれまでの経験が活かせる場所が良いでしょう。
夜勤専従看護師についてよくある疑問
1.本当に夜勤だけでしょうか?
「日勤を研修的に数回行い、業務に慣れてから夜勤専従に」という考え方をする就労先もありますので、転職前に確認しておくと安心ですね。場合によっては非常勤・夜勤専従で採用して働いたのちに、常勤・日勤ありの交代制勤務を打診されることもあるので就労条件の確認や、就職先のリサーチはとても重要になってきます。
2.新卒でも夜勤専従看護師になれますか?
夜勤専従看護師は自分自身で判断して対応する能力が求められますので、一定水準以上の看護技術と経験は必要と思われます。例えば、介護施設では夜勤看護師が1人ということが多く、様々な判断を求められることがあります。新卒向けの夜勤指導体制をしっかりとって採用している施設はほとんどないのが現状です。もしあったとしても離職率の高い職場である可能性もあります。
3.夜勤専従看護師でもシフトは自由に入れられますか?
夜勤専従看護師の雇用形態で多いのは非常勤です。日勤と夜勤をこなしている常勤者の勤務希望の方が優先されやすいのが実情です。夜勤専従看護師は常勤者の夜勤の穴を埋める形でシフトを作成されることが多いので、全てのシフトを自由に希望できるというわけにはいかないでしょう。「○曜日・△曜日の固定シフト」などと勤務曜日について条件を決めて、転職活動をすることは可能です。
4.子どもがいるけど夜勤専従看護師になれますか?
意外とママナース向けの働き方かもしれないのが夜勤専従です。夫の休日前や週末を利用して働いたり、24時間対応の託児施設がある施設で働くなどの工夫をすればお子さんがいる場合でも夜勤専従看護師で働くことは可能です。日中の時間に余裕のある働き方なので、子どもの行事や学校関係の時間が取りやすいと言えます。
5.夜勤専従看護師には向いていないのはどんな人ですか?
やはり昼夜逆転の生活を続けると、様々な体調不良を来すことがあります。しかし体調管理に自信がない方でも、少ない勤務回数から始めることで自分にあった仕事のペースや体調管理がわかってくる場合もあります。
夜勤専従看護師の求人募集はどこでさがす?
ハローワークや病院のホームページの求人募集欄をチェックすることも大切ですが、なにかと忙しいのが看護師ですよね。効率よく転職先を探すのには、転職サイトを活用することをおすすめします。経験豊富なアドバイザーが担当になると、要望に沿った求人をピックアップしてくれるだけでなく、条件交渉や履歴書の書き方から面接サポートまでしてくれます。
施設との条件交渉を個人で行う場合はハードルが高く、遠慮してしまった結果不本意な条件で就職することにもなりかねません。転職サイトを利用する場合の成功の鍵はズバリ担当アドバイザーとの相性です!対応に違和感を覚えたりするのであれば遠慮なく担当変更希望を伝えたり、複数のサイトに登録してその中で相性のよいアドバイザーを探してもいいですね。
夜勤専従看護師に興味はあるが転職するにはハードルが高いと感じている方は、現在の職場が副業可能であれば、単発の夜勤バイトから経験してみるという方法もありますよ。
まとめ
いかがでしたでしょうか?夜勤専従看護師という働き方は、プライベートを充実させたいという人には非常におすすめな働き方だと思います。
しかしどんな働き方にも必ずメリット・デメリットは存在します。看護師の就労形態も多種多様になりつつあり、自分に合った働き方を見つけて楽しく看護師として勤めることが出来るようになるといいですね!
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