急性期病棟看護師がツアーナースへ転職|わたしの体験談

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#1232 2020/10/16UP
急性期病棟看護師がツアーナースへ転職|わたしの体験談
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転職を考えているけど、どういう働き方がいいか悩んでいる看護師の人も多いのではないでしょうか?今回はわたしの経験談をもとに、ツアーナースの働き方についてご紹介したいと思います。

わたしは急性期病棟やHCUで11年間看護師として第一線でバリバリ働いたあと、オーストラリアへの移住をきっかけにツアーナースの道を選びました。

1、ツアーナースって?

そもそもツアーナースとはなんなのか、とう人もいらっしゃいますよね。
ツアーナースとは、国内外問わず、旅行や課外研修に行く人たちに同行し、健康、体調管理を行う仕事をする看護師のことです。
主に小学生~高校生の修学旅行の同行、高齢の方の旅行の同行などがあります。
国内専従、海外専従、国内外対応、日帰り同行専門、長期旅行の同行専門など、働き方はそれぞれです。

2、ツアーナースの道を選んだ理由

わたしは総合病院の急性期病棟で10年半働き、その後少し休暇を取るつもりで10ヵ月間オーストラリアへワーキングホリデーに行きました。その後日本へ帰国し、また急性期病棟で働きましたが、オーストラリアでのたくさんの出会いに恵まれたこともあり、オーストラリアに行きたいという気持ちが強くなりました。そしてオーストラリア移住を決意し、帰国から半年後に病院を退職してオーストラリアに移住しました。
看護師の仕事は好きだったので、オーストラリアでも看護師をしたいと考えいろいろと調べた結果、ツアーナースの道に辿りつきました。
わたしは現在、オーストラリア専従のツアーナースとして働いています。

3、ツアーナースになるには?

ツアーナースの仕事を取り扱っている派遣会社に登録する必要があります。
病院の就職、転職同様に履歴書の提出や面接があります。
ツアーナースの募集は、転職サイトやハローワークなどではなく、インターネットで「ツアーナース、募集」などと検索をかけて、出てきた会社に直接問い合わせるのがおすすめです。
わたしは現在2つの派遣会社に登録をしていますが、実際に稼働しているのは1社のみです。もう1社はまったく仕事が入ってきません。問い合わせる前には、会社の下調べ、評判や活動状況を明確にしてからにしなければならないと強く思っています。
仕事がないのに登録だけしている会社では、ただ単に個人情報をさらしてしまっている状態でなんの意味もありません。

ツアーナースは、正看護師であることが条件なのは当然ながら、看護師としての経験年数も3~5年は必要になります。会社によって提示される経験年数は異なりますが、だいたいはこのくらい必要です。
なぜならばツアーナースは、基本1つの団体に1人、修学旅行生の同行であれば200人前後の生徒の健康、体調管理を1人で行わなければいけないからです。
瞬時に状況を判断し対応する能力が求められるため、ある程度の経験年数は必須となります。
わたしの場合は、海外のツアーナースなので、病院受診の付き添いがある場合などに備えて英語力は必須です。
英語力に自信がある人であれば、国内専従のツアーナースではなく、国内外対応可能のツアーナースを選ぶ道もあります。

4、ツアーナースのメリット

①いろんな場所に行くことができる
旅行や修学旅行の同行になるので、ふだん自分では行かないような場所や行ってみたかった場所に行けたりすることがあります。
もちろん仕事なので観光はできませんが、休憩の合間などに楽しむことができます。
海外対応のツアーナースであれば、さまざまな国に行くことも可能です。

おいしいものが食べられる

特に修学旅行生の同行であれば、団体で一緒に食事をしたりするのでおいしいご飯が食べられることがあります。
自由行動の食事でも、少しですが会社から食費代の支給があるので、「頑張っている自分にご褒美を。」と思いながらちょっと贅沢な食事を堪能したりもできます。
わたしは意外と食事を楽しみに仕事をしている部分が大きかったりします。

人間関係のトラブルが少ない

基本、1団体に看護師1人の体制になるので、病棟でよくみられる人間関係のトラブルはほとんどありません。
もちろん同行する対象、添乗員などとは関わるので、これは人間関係を気にしなくていいというわけではありません。
ただ、病棟のように常に同じ顔ぶれではなく、1つの仕事ごとに関わる人が違うので切り替えがしやすいんです。
いろいろな人と関わることができるのもいいなと個人的には思います。

5、ツアーナースのデメリット

①仕事が不定期
ツアーナースの仕事は、1回の仕事で1日~1週間程度となりますが、必ずしも定期的に仕事が入ってくるわけではありません。
どうしても9月~11月の修学旅行などの多い繁忙期には仕事が集中し、冬の閑散期などがあります。
「派遣」なので、福利厚生や有給、ボーナスなどもありませんし、毎月のお給料も異なってくるので、毎月同じ給料が欲しいという人にはあまり向かないかもしれません。

拘束時間が長い

ツアーナースのお給料は、時給制ではなく日当です。
同行の間は、24時間行動を共にすることになるので、緊急時には夜間でも対応しなければいけないこともあります。
そのため、24時間緊張して気が張った状態でいることが多いです。
特に修学旅行の同行になると、基本的に1日の終わりは職員会議に参加、終了が22時~23時、朝は6時集合と睡眠時間が短いことがほとんどです。それに加えて、夜間の呼び出しがあったりもするので、それに耐えられる体力は必須です。
1日中歩き回ることもあるので、湿布や浮腫み取りシートなどを持参して仕事中の疲れに対応しています。

提出する書類が多い

体調不良の人の対応や病院受診などをした場合には、時系列で看護記録、病院受診記録などを細かく記入して提出する必要があります。
拘束時間が長く、自分の時間にゆっくり記録を書くことは難しいので、仕事中に書類を持ち歩きその都度記録するようにしています。
修学旅行の仕事になると200人以上の生徒を相手にすることになるので、顔と名前を覚えるのが大変です。経過観察をしたくても、顔と名前が一致せず探してしまうなんてこともあります。

6、急性期病棟からツアーナースに転職して思うこと

わたしは急性期病棟での仕事がとても好きでした。大変で疲れるしストレスも溜まりましたが自分には合っていたと思っています。新人指導や看護教育にも携わりたくさんのことを学んで経験して、それがすべて今のツアーナースの仕事に結びついています。
急性期で経験したので、ちょっとやそっとのことでは動揺しません。
仕事中は相談相手がおらず、すべてを自分で判断しなければならないツアーナースの仕事は常にいろんなことを調べて勉強し、どんな状況でも冷静で臨機応変に対応しなければならない大変さがあります。

最初ツアーナースを始めたときは、白衣を着ることもなく、医療行為もほとんどなく、これは看護師なのか?と正直疑問に思ったこともありました。
しかし、ツアーナースの仕事をしていくうちに、たくさんの人の健康や安全な旅行、研修のためには「看護師のわたし」とう存在が必要不可欠気なのだと気づきました。そしてそれがわたしのツアーナースとしてのやりがいを見出すことにつながりました。
また、国内専従のツアーナースと違い、海外の専従ツアーナースは、仕事が1年の間の3~4ヵ月に集中することが多いです。そのため、それ以外の期間はほかの仕事をしたり自分の時間を有意義に過ごすことができます。仕事が入ってこない焦りやストレスが生じる場合もありますが、オーストラリアで日本の看護師として働くリスクは受け入れなければいけないと思っています。

まとめ

転職を考えている人の転職理由は、今現在働いている病院が合わない、病棟以外で働いてみたい、自分のペースで働けるところに行きたい、などさまざまだと思います。
そういった転職を考えている人、看護師の働き方にはどんなものがあるのかよくわからないと思っている人に、ツアーナースという働き方もあることを知ってもらえれば幸いです。

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