看護師が就職活動を始めるときにはまず自己分析からスタートすると良いと言われていますが、本当にそのタイミングがベストと言えるのでしょうか。就職で成功しやすくするためのコツを紹介するので少し視点を変えて取り組んでみましょう。
#自己分析の目的を考えよう
就職活動は自己分析から始めると良いと言われているのはなぜなのかを考えたことがるでしょうか。これは自己分析の目的を考えてみると納得できる理由を付けられるでしょう。自己分析は主に二つの目的でやるべきだと言われています。
一つ目は自分の適性や興味関心のあることを正しく理解するためです。自分は看護師としてどんな施設で働き、どの診療科を専門にしていくのが良いかは大きな悩みになる点です。その決め方一つで看護師人生が大きく変わることになりかねません。だからこそしっかりとした根拠を持ってこの病院を選んだ、この診療科を専門にすると決めたと言えるようにするのが大切です。自己分析をすれば何が得意で何が苦手かがわかり、何が好きで何が嫌かといったことも理解できるので、適切な判断を下せるようになります。
二つ目はエントリーシートや履歴書などに自己PRを書いたり、面接で自分の長所や短所を説明したりできるようにすることです。就職成功の可否を分けるポイントはエントリーシートや面接の内容を充実させ、志望先の求めている人物だということをはっきりと伝えることです。そのため、自分の取り柄をできるだけ広く深く理解し、志望先の求めている面と合っているところがあったら的確にアピールすることが重要になります。自己分析を通して網羅的に自分の能力を把握すると対策を立てやすくなるのです。
実際には就職活動のときには後者の目的が大きくなります。病院の規模が大きいことなどのわかりやすいところを重視して候補を選び、虱潰しにかなりの数の病院にエントリーすることが多いからです。
#目的から考える最適なタイミング
自己分析をするタイミングは上記のような目的から考えると志望先の候補を決める前、志望先にエントリーする前が良いとわかります。特に就職活動の段階でどの施設を志望したら良いかがわからないという場合には、一般的に言われているように就職活動の初期に行うのが重要でしょう。基本的には志望先の情報を集めて候補を決めるのが最初の段階になるからです。ただ、就活のときには特に必死に自己分析をしなくても、この病院で働きたいといったイメージがあることもよくあります。魅力がありそうなところをとりあえずエントリーしていって受けていきたいという場合には最初から自己分析をきちんと行う必要はあまりありません。むしろ適しているのはエントリーを始める前の段階だと考えられます。
最初に自己分析をしてあればエントリーを目前にして自己分析をしなくて良いから楽ではないかと思うかもしれません。しかし、エントリー前がタイミングとして最適なのには理由があります。
#エントリー前が自己分析のタイミングとして最適な理由
エントリー前に自己分析をすると良いのは、初期に比べて持っている知識がかなり変化するからです。病院やクリニック、介護施設や検診センサー、さらには一般企業まで情報を集めて勉強してからエントリー先を決めるでしょう。一言で病院と言ってもこんなに種類があるのかと驚いたり、実習などで関わってこなかった診療科について調べてみたら興味が生まれてきたりすることもあります。病院の見学に行ったり、就活フェアなどで医療機器メーカーのスタッフと話したりしているうちに驚くほどの情報が入ってきます。その影響で看護師として何をしたいか、どんな看護観を持って働きたいかといった点が変わってしまうことも珍しくありません。得手不得手や性格などには大きな変化がないとしても、自己分析の結果には違いが生じる可能性が高いには確かでしょう。そのため、エントリーする段階の知識や気持ちをベースにして自己分析をした方がより就活生として適切な分析ができます。
さらに職場の運営方針や求人に記載されている期待される看護師像などを読んでいるうちに、どんな切り口で自分の長所や短所を分析したら良いのかがはっきりとしてきます。より書類や面接の対策という意味合いが強い形で自己分析を進められるので、スムーズにエントリーシートを書いたり、面接の対策をしたりすることができるでしょう。
ただ、就職活動を始める段階で自己分析をして、さらにエントリー前にもう一回分析してみるというのでも問題はありません。時間的に余裕があるのなら両方のタイミングで自己分析をして内容を比較してみるのも良い方法です。その間にどんな形で考え方が変わったのかを分析してみると、もしかするとエントリーシートや面接で使えるエピソードが出てくるかもしれません。いずれにしてもエントリー前に知識が付いた状況で分析をし直して、的確な内容のエントリーシートを仕上げられるようにしましょう。
#エントリー前の自己分析のポイント
エントリー前に自己分析をするときには目的志向で分析を進めるのが最も大切です。自分を客観的に理解しようと努力するのも重要ですが、何枚ものエントリーシートを書かなければならない時期になっていると落ち着いて網羅的な分析はできないでしょう。この段階での自己分析はあくまでエントリーシートを書いたり、面接の対策をしたりするときに内容を充実させて効果的なアピールをできるようにするのが目的です。その視点から考えていくのが合理的で、志望先の施設でどんな看護師を求めているのかをまず調べましょう。そして、その看護師像と自分に重なるところがあるかを考えるという方向性で自己分析を進めるのが効率的です。一致する部分が見えてきたらそれが自己PRに記載すると良いポイントになります。逆にだいぶ違うと感じるところがあったら短所を聞かれたときに答えるポイントです。ただ、短所を伝えるときには言い換えて長所に見せることが重要なので、その短所を基点にして考えてポジティブに解釈できるかを考えてみるのが大切です。
エントリー前の自己分析は個々の志望先に対してその都度行うこともポイントです。施設によってどのような看護師を求めているかは異なるので、それに合わせた自己分析をした方がアピール力が高くなります。同じように自己分析した結果を使って色々な施設にエントリーするのは効率が良いかもしれませんが、エントリーシートが通らない、面接ですぐに落とされてしまうということになりかねません。きちんと施設の研究を行って、どんな看護師像が理想とされているのかを調査しましょう。その上で自己分析をしてみると、自分をどのようにしてPRすれば魅力的な人材と捉えてくれるのかが見えてきます。
#エントリー前に自己分析をするときの注意点
エントリー前に自己分析をすれば内定をもらえる可能性が高まるのはイメージできたでしょう。ただ、このような分析の仕方をするときには注意点があります。志望先が求めている看護師像にとらわれ過ぎてしまって自分の本当の魅力に気づけないこともあるのです。本当はあっと驚かせるような強みを持っていて、合わせてアピールすれば他の人よりも魅力があると思ってもらえるということもあるので、志望先の求める能力にこだわり過ぎずに自己分析を進めるのも肝心です。
また、志望先にとって魅力的な人物として自分を描き出そうと努力しすぎて、嘘を盛り込んでしまうこともあります。嘘は数回の面接で見抜かれてしまうのが普通で、採用後に発覚した場合にも問題になります。決して虚偽の内容は盛り込まず、客観的な視点で自分を分析した結果をエントリーシートや面接の回答に使うようにしましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。自己分析は就職活動の最初にやるべきとよく言われていますが、もし志望先をある程度絞り込めるのならエントリー前にやった方が効果的です。本気で志望している施設で採用してもらえるように、エントリーの直前に自己分析をして求められている看護師像を描き出しましょう。
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