訪問看護師になるには何が必要?メリットとデメリット

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#1214 2020/09/28UP
訪問看護師になるには何が必要?メリットとデメリット
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近年、医療機関での在院日数も短くなり、徐々に地域医療へ移行しています。自宅にいても医療が受けられるようになった一方、生活への不安く、家族の負担も大きい為、訪問看護のニーズはこの10年で倍増しています。そんな訪問看護の必要性が高まる中、訪問看護師になるにはどうしたらいいのでしょうか?実際に訪問看護ステーションに勤めていた経験をもとに、訪問看護の全容とメリット・デメリットをご紹介いたします。

医療機関で働く看護師のイメージは湧きやすいと思いますが、実際に訪問看護って知っているようで全容を知らないという方が多いと思います。実習に行ったっきり、あとは実情を知らないと言う方も多いと思うので、訪問看護の概要から説明していきたいと思います。

訪問看護とは?

訪問看護とは簡単に言うと「看護師が自宅へ訪問し、利用されている方の病気や障がいに応じて看護を行う」事です。主治医の指示を受け、病院で実際に実施している看護ケアや援助はもちろん、医療行為も自宅で実施します。また、自宅で最期を迎えたいという方にもターミナルケアや看取りも実施します。訪問看護を利用されている方は赤ちゃんから高齢者まで幅広い年齢層を対象としています。その中で障がいや病状を持っており、「急性的な病状は落ち着いたけれど、まだまだ生活に不安がある」、「定期的な処置やケアが必要」、「家族の介護負担を減らさないと生活できない」など様々な理由で訪問看護を利用しています。現在の訪問看護の利用で1番多いのは高齢の方で、障がいや疾患を複合的に持っている方も多く、長期的で多角的なケアが必要です。高齢者は介護保険を使って訪問看護を利用できることから、利用者数が多い理由の一つでもあります。また近年増えてきているのが、うつなど精神疾患をお持ちの方のニーズです。若年層に多く、仕事や社会復帰に向けてご自宅での生活を支える役割もあります。社会で孤立しがちな方々が、病院に戻らずどう自宅で生活していけるかを看護の役割からサポートします。

仕事内容

メインの仕事はバイタル測定や聞き取りで体調を確認し、その方の必要な処置・ケアを実施します。主な看護ケアの内容は入浴や清拭などの清潔援助、褥瘡のケア、摘便や浣腸などの排泄ケア、お薬の確認と管理、呼吸器の管理や吸引などの呼吸器ケア、胃ろうのケアや食事のケア、点滴の管理や医師の指示で実施する処置もあります。精神疾患のある方に対しては、入退院を繰り返さず、健やかに日常生活を送る為どうすればいいのか一緒に考え、傾聴することも大切な仕事の一つです。
全ての対象の方に当てはまりますが、日常生活をしていく上で困っている事についてアドバイスもします。ご本人だけでなく、ご家族のケア、特に精神的なケアは特に必要となってきます。目に見えない仕事ですが、訪問看護だからこそゆっくりケアができ、そして患者さんの自宅での生活を支えるキーポイントとなります。
また、ご自宅で最期を迎えたいと望むの方のお看取りもします。安らかな生活を送るための痛みのコントロールをしながら人生でやり残した事をサポートしたり、ご家族ともゆっくり過ごせるようにターミナルケアを実施します。
更に訪問看護施設によりますが、緊急時対応を24時間しているところもあります。オンコールサービスを受け付け、当番の人は携帯をもち、事務所か自宅で待機して向かい対応します。緊急時対応で多いのは、転倒、痛みが治らない、急な発熱や体調不良などです。そのような電話を受け、電話越しで解決できない時に実際に訪問しケアします。必要な時は24時間対応している主治医に相談することもあります。
看護職としてのメインの仕事ではないですが、訪問看護師ならではの「他職種との連携」が必要です。特にケアマネージャーやケースワーカーは患者さんの調整とまとめ役を担う職業なので密に連絡を取り、看護師としての視点からどのような役割をするべきか考えて介入していくのも大事な仕事です。そして患者さんと一緒に、「より快適な生活を送るために、どのような事を解決すればいいか」を問題点を考え、看護師としてどう解決していくか、その方法や計画を考えるのも大切な仕事で、月次のサマリーのようなものを、患者さん、主治医、ケアマネージャー・ケースワーカーさん宛に報告しまた次の計画を考案します。
このように仕事は多岐にわたります。患者さんの自宅への訪問手段は、徒歩、自転車、車移動がメインです。

どのような看護師が求められるのでしょうか?

1)臨機応変に対応できる看護師

医療設備の整ったところではなく、自宅の限られた資源を利用し、訪問看護を実施しなければいけません。例えば点滴スタンドがない代わりに、ハンガーをかけて代用するなど、身近なものを工夫して利用する方法も多々あります。また疾患ごとのケアではなく、その方がどのような生活を送りたいか包括的に考えて、患者さんやご家族と一緒にケアを考えていくことも大事です。これって看護師の仕事?っとなるような仕事もケアの一つとなりうるので、そこも臨機応変に対応していく事が大事です。

2)連携が取れる看護師

患者さんが自宅で生活していく上で多くの人が関わり支え合っています。ケアマネージャー、主治医、リハビリスタッフ、ケースワーカー、栄養士、役所関係の方、福祉用具の方、ご家族など多岐にわたる方と情報共有、意見交換をしながら密に連携し、その人をサポートする役割も訪問看護師にとって重要な役割であり、大切な人材です。

3)できれば経験を積んだ看護師

上記のことから最低3年以上経験を積んだ看護師が重宝されますし、看護師自身も不安が少なく仕事ができると思います。もちろん新卒でも働けますが、残念ながら雇ってくれるところは少ないと思います。当初の訪問看護師と言えば経験豊富なベテラン看護師しか働けないと思われがちですが、最近は20代半ばから30代前半でも働いている人が多いです。実際に私の職場でも7割の職員がが若手と言われる層が働いています。

以上の訪問看護の全容を総括して、訪問看護のメリットとデメリットを考えました。

メリット

1)患者さんとゆっくり長く関わる事ができ、その人にあったケアを提供できる

病棟では1日に複数人の患者さんを同時にみて、入れ替わりも早いため、ゆっくり話す時間が少なく、患者さんと向き合う時間も少なかったと思います。訪問看護では一人一人、その人にあった時間を確保できるので、お話もゆっくりできますし、実際に生活する場に訪問するので、その方らしい生活ができるように、看護もカスタマイズできるところが魅力的です。生活環境を見ることでその方の社会背景や人生を垣間見れて、更に患者さんのことを知るきっかけになります。また生活に沿うので数ヶ月、数年の付き合いになる方が多く、患者さんのニーズに合わせて長く関わる事ができ、「どうしたらより良い生活を送れるか?」その方法を一緒に考える事ができ、それを見守る事ができます。

2)仕事の時間調整が可能

訪問時間は単位性で20分、30分、60分、1時間半と時間で区切って看護を行うので、仕事の調整もしやすく、私の経験上で残業はほとんどありませんでした。また訪問時間も予約制なので、お子さんのいる方でも、送迎の時間は除いて働き、訪問件数で契約するなど仕事時間を調整することも可能です。職場によって対応が変わると思うので、自分の都合にあった職場選びができるのも魅力的だと思います。

デメリット

応援を呼びたい時にすぐに対応できないため、一人の負担や責任が大きい。
訪問は基本1人の看護師で対応します。緊急時、急変時に応援を呼びたいときにすぐに対応できません。電話での相談がすぐできない場合もあるため、結果的に患者さんへの負担も多くなりますし、看護師の精神的負担も大きく、責任を感じてしまうこともあります。また緊急時の対応はあらかじめ想像はしていますが、設備の整っていないところでできる限りのことをやらなくてはいけないので、経験力も問われます。

まとめ

いかがだったでしょうか?
訪問看護に興味があるけど、実際にどんなことをしているか、自分に合っているかと疑問に思っている方へのヒント、チャレンジの糧になれば幸いです。
訪問看護は患者さんとゆっくり関わり、その人にあったケアを提供できる事が魅力的です。仕事時間も調整しやすいので、ママさんにもオススメですし、多様な患者さんがいるので、ブランクがあってもゆっくり始められる仕事だと思います。そして多くの若い看護師が働いています。ベテランじゃなきゃ無理かと尻込みしている方にもぜひお勧めできる仕事です。
実際に自分にこの仕事あっているかも!と考えている方がいる方、訪問看護ステーションや訪問看護部を持っている医療機関は意外と近所を探せばたくさんあります!
そして訪問看護の施設によって、仕事内容や、仕事体制も違います。現在訪問看護のニーズが増えてきている中、ご自身のニーズにあった職場も見つけ易いと思います!

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