アセスメントは難しくない~アセスメントのコツ②

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#1175 2020/08/20UP
アセスメントは難しくない~アセスメントのコツ②
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前回、アセスメントは難しくないですという内容でした。「やっぱり、わからないよ」、「もう少し具体的に知りたい」と思われた方もおられると思います。
わかりやすくする為に、おおまかに記述したので不足していた部分や割愛した部分をお伝えします。
新しい症例がよいかと思いますが、掘り下げていくために同じ症例で考えたいと思います。

復讐を兼ねてアセスメント自体について思い出してみましょう。
例題の前にアセスメントのPOINT、コツをお伝えしています。大事な部分ですのでまずは、しっかり覚えてみてください。

■アセスメントとは・・・
看護を行うにあたっての過程のひとつです。
①情報収集、
・S (Subject):サブジェクトO (Object):オブジェクト
②アセスメント、
・A (Assessment):アセスメント
③問題点の抽出、
④看護計画の立案・実施・評価
・P (Plan):プラン(計画)
・・A (Assessment):アセスメント
*退院まで
P (Plan):プラン(計画)とA (Assessment):アセスメントの繰り返し
(修正・変更の場合もここで検討して変更していきます。)

 

■看護記録において必要な分析手法の一つであるSOAP(ソープ)■

・S (Subject):サブジェクト
(主観的情報患者様の話や訴え、病歴、自覚症状などを記述する。)
・O (Object):オブジェクト
(客観的情報医師や看護師など医療関係者が身体診察・検査から得られた情報などを記述する。)
・A (Assessment):アセスメント
(上記、SとOの情報をもとに分析・結合、判断・評価し、意見・印象などを記述する。)
・P (Plan):プラン(計画)
(上記、S、O、Aの情報をもとにした治療方針や問題解決のための計画を記述する。)
アセスメントは、この「S・O・A・P」の4項目の中で重要な「評価」の部分です。
「S・O・A・P」で記録を行うことで、患者様の状態や経過が明確になります。

対象者からの「主観的情報」と医療者の観察からの「客観的情報」を解釈、統合しながら、対象者を取り巻く看護上の問題点を理論的に分析して明確にすることです。
分析を行い、問題点を抽出して解決のための看護を行うこと出発点です。
看護を行うにあたって看護計画にアセスメントは必要不可欠で柱となります。
おおまかに分析と検討して、チーム全体で共有してアセスメントの助言をもらったり、変更していったらよいので難しくないと述べました。
おそらく、「おおまかに分析すること」と「情報をどのように分析するか」アセスメントに苦手意識があるナースには難しい点かもしれません。
であれば、ここをマスターすることで解決します。

■おおまかに分析することをおすすめする理由■

・患者様の全体像を捉えることが大切だからです。
細かい部分までアセスメントして記述するとなると、時間はいくらあっても足りません。
患者様は一人ではないからです。そして、一度に細かい部分まで掘り下げると、患者様の全体像を見失います。
患者様にとっては、起こっている病気は一部分です。
であれば、その患者様に起こっていることを全体像として第一に捉えることがポイントになってきます。

細かい部分や不足していた部分は追加していくことで充実した看護計画となり、よりよい看護が行えます。
とは言え、初対面で患者様の全体像を捉えることは技術がいることです。
それは知識と慣れと訓練から習得する技術ですので、たくさんの例題でイメージトレーニングを行うと補われます。

その中でのPOINTは「優先順位をアセスメントする。」
この抽出も慣れていないと難しいかもしれませんが、大丈夫です。
慣れるまでは順位はつけずにとにかく全体像で捉えましょう。
・現時点で起こっていること
・生命を脅かしているもの
・患者様の苦痛になっているもの、ニーズ
・起こっていないことについては、起こる可能性が高いこと
とおおまかに分析する練習をおすすめいたします。

**POINT:1**

たくさんの例題で患者様の全体像を捉えて分析する練習をしてアセスメントをマスターしましょう。

■情報をどのように分析するか■

・アセスメントの部分ですが、根拠に基づいたアセスメントでなければなりません。
主訴と観察した情報をもとに、起こっていることを医学知識でつなげていく。
ここには、病態生理の知識が必要です。
場数を踏むことで覚えていくことかもしれませんが、勉強して覚えておくと自然に患者様をアセスメントができるようになります。

**POINT:2**

例題の際に、病態生理も覚えてアセスメントを行い、患者様の全体像を捉えよう。

■POINTの1と2を踏まえて例題を考察する■

例2)風邪症状~高熱と頻回の下痢を伴う場合の患者様
・68歳、女性
・S)患者の主訴:咳と喉の痛みがあって熱も出てきて体がきついので病院にきました
・o)3~4日前から・咳嗽、咽頭痛
・o)38.7℃、血圧120/78、SPO2:97%
・o)痰、咳嗽あり
・o)頻回の下痢で腹痛と吐き気があり食事や水分が摂取できない状況が1日
・o)排尿朝から2回、濃縮尿、口渇あり
・o)高血圧と高脂血症と喘息の既往あり降圧剤を内服中。
・o)子供夫婦と同居をしており食事の準備は嫁が行っている。
・o)嫁の車で来院

#内服薬が飲めない可能性
#脱水症状の可能性
#喘息で長引く可能性
#肺炎が起こりうる可能性
#脳梗塞が起こりうる可能性
#心筋梗塞が起こりうる可能性

外来の段階でもおおまかですが、#が数点上がります。
記録としては残らないことが多いですが、声掛けしたりするPOINTですので常にどこでもアセスメントを行います。
現時点で起こっていることと、起こりうる可能性を#としてあげていますが導き方は
S・Oの情報を基に病態生理を考えてみる方法が良いと思います。
(根拠に基づいたアセスメントにするため)

#内服薬が飲めない可能性
O)吐き気があり飲水もできていないので内服薬は今は難しい可能性
A)吐き気を改善する注射や薬などでできる可能性もある(医師の処方)
A)高熱があるし、肺炎を起こさないように注意したい
→内服を見守る方が良いな

#脱水症状の可能性
O)頻回の下痢と食事や水分が摂取できない状況が1日
O)38.7℃、発汗
O)排尿朝から2回、濃縮尿、口渇あり
A)IN・OUTの出納を考えると水分が不足している可能性
→濃縮尿と口喝は脱水の症状で、脱水の原因もみられる。(根拠)
P)医師は脱水を確認するために採血を行う
→結果、輸液療法を行うと予測できる
→飲水ができるようになれば、水分摂取を促し、消化の良い食事をすすめる。
→下痢と脱水を改善する看護

#喘息で長引く可能性
o)38.7℃、SPO2:97%
o)痰、咳嗽あり
o)高血圧と高脂血症と喘息の既往あり
A)呼吸器の炎症症状がみられるが、SPO2は維持されている。
A)喘息の誘発が起きる可能性がある。
A)長引くと肺炎を起こす可能性がある。
A)肺の呼吸音や雑音、SPO2、息苦しさやチアノーゼの観察が必要だな。
P)医師は胸部レントゲンや抗生剤、喘息予防薬を処方することが考えられる。
P)ナースは治療の介助や不安を緩和するために声をかけたり観察を行う。

#脳梗塞が起こりうる可能性
#心筋梗塞が起こりうる可能性

O)脱水症状の可能性
O)高血圧と高脂血症と喘息の既往あり降圧剤を内服中
A)#喘息で長引く可能性と肺炎を起こす可能性がある
→高脂血症の既往症があり脱水症状が長引くことにより脳や心臓に梗塞を起こす可能性がある
P)風邪症状と腹部症状の改善
P)脱水症状の改善
P)医師の治療の補助
P)各症状とそれに伴う症状の観察
P)患者様ができない部分の介助

いかがでしょうか。
おおまかですが、S.A.O.Pで分けて記述しました。

病態生理を知ることで起こる可能性があることをより多く抽出できます。
より多く抽出することで、観察ポイントを知り適切な情報を得ることができます。
起こる可能があることを明確にすることで、重症な疾患を予防する策を実施できます。

外来と入院では生活の場所と症状の重さが変わるだけですので、日頃からアセスメントを行う脳を例題でトレーニングしておきましょう。

まとめ

情報をもとにアセスメントを行うと患者様に沿った問題点が抽出され、医師の治療計画や看護計画が自然とつながってくることがわかると思います。
アセスメントを行うことで、必要な観察ポイントがわかるので適切な情報がえられます。
病態生理を知っておくと、アセスメントや看護計画の立案、観察ポイントが自然に早くできるようになります。アセスメントのコツお役に立てましたら幸いです。

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