一度は考えてしまう、採血、ルートキープが困難時・対処方法!

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#1141 2020/07/18UP
一度は考えてしまう、採血、ルートキープが困難時・対処方法!
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皆さんは採血、ルートキープ得意ですか?
今回は、新人の方、経験が浅い方、ブランクがある方が少しでも採血、ルートキープに対して苦手意識が緩和するような内容になっていればと思います。
この記事は、書籍を参照にした部分もありますが、私が今までの看護師経験から考えたことも含んでます。

私は看護歴4年の看護師です。私も採血、ルートキープは苦手な部類です。 
しかし、「あの人うまい!」「痛くなかった!」と言ってもらえるように日々研究してます。  
時々、患者様からそのような言葉をいただけますが、やっぱりうれしく感じると同時に、成長してるんだなーと感じます。  
私は、持病から体力的にも精神的にもしんどく感じやすいこともあって、20代で2回転職してます。内科病棟1年3月、健診センター1年10ヵ月、混合病棟1年2か月です。  
そのため、経験が浅いことから、リーダーや役職はしたことありませんが、日々の業務はしており、もちろん採血、ルートキープしてます。  
内科病棟(新人時代)の時は、本当に採血、ルートキープが苦手で、太い血管でも度々失敗しては先輩方にお願いしてました。健診センターは分野ごとの担当(採血ならその日は採血だけ担当、問診ならその日は問診だけ担当)になりますが、採血担当時はいつも憂鬱でした。しかし、これは上達するチャンスだと思い。担当日は1日30~40人担当し、日々先輩方にコツを聞いたり、書籍を見るなど研究してました。そのことから、1年ちょっとしか経過してませんが混合病棟で現在働いてほとんど苦労してません。細すぎる血管に対しては、時折、注射の達人(経歴が古いスタッフ様々)にお願いすることもありますがほとんど自身でできてます。  
よく、書籍などで狙いの血管場所とか注射角度とか書いてますが皆さんはわかりますか? 
正直私にはわかりません(笑)  
最初に申し上げておきますが、採血、ルートキープは経験回数が全てです。回数を重ねてこそ、「この血管にはこのぐらいの角度」「これは血管ではない、筋かなー?」と何となくわかってくるものだと思っています。だからこそ、回数=経験は比例する気がします。  
 
まず、皆さんはどこの血管で採血、ルートキープしますか?  
採血なら正中静脈辺りですよね。ルートキープなら利き手の反対側の前腕部か上腕部ですよね。しかし、駆血帯しても血管が浮き上がらない、見えない時ってどうしますか?  
大体は、探してみて手背や採血なら前腕部・上腕部に見つかったらしますよね。  
でも、どうしても、それでも出来ない時ってどうしますか?  
経歴がお古い看護師さんで腕を叩いて血管を浮き上がらせようと頑張っている人いますが、あれはダメです。逆に血管が痙攣して引っ込んでしまうし、血中のK(カリウム)が上がってしまいます。あとなんせ痛い痛い(笑)  
採血では「グーパーグーパー」と手のひらを動かすのもあんまり良くないです。同じく血中K(カリウム)が上がってしまうことで有名ですよね。多少ならいいと思いますが…。  
私なら温罨法や対象を臥床させます。  
血管の拡張・血流を良くし、身体の循環動態の一定にして血管が浮き上がるのを期待させます。それでも上がらない場合は、少しだけ「グーパーグーパー」と手のひらを動かしてもらったり、上肢をしばらく下方向(心臓より下)に向けてうっ血させてから親指を中に握っていただきます。  
ルートキープならそこまで真剣にならなくていいのですが、採血はデーターを出すことが目的なんで多少施行する時に気を使いますよね(笑)  
そして、健診センター時代によくあったのですが、対象の身体の水分量、脱水傾向です。特に高齢者が多く、夏は熱射病による脱水傾向、冬は水分摂取する方が少ないため脱水傾向になりやすいです。脱水傾向状態では、いくら血管に針が入ったとしても血管がへっこんでしまったり、シリンジで吸い上げることもなかなか難しいです。経口摂取可能なら水分摂取を勧めましょう。水分を摂取すると血管が見えてきたりもします。コップ2杯摂取するだけでも全然違ってきます。ここで注意なのが、水分摂取の内容によっては検査データーに影響する部分もあるため(血糖値が主に有名ですね)必ず水を勧めましょう。  
細い血管で採血を行う場合は、真空管を使用せず、翼状針+シリンジで行いましょう。  
真空管は圧の関係で血が自動的に返ってくるので楽ですが、細い血管で真空管を使用してしまいますと、血管が真空管の圧に負けて血管がへっこんで途中で吸い上げるのが止まってしまう可能性があります。面倒くさいかもしれませんが、吸い上げる圧を調節できる翼状針+シリンジで行いましょう。もし、途中で止まってしまった時の対策として、一旦、駆血帯をはずして絞めなおすと返ってきたりもします。また、血管が深い人は翼状針ではなく、シリンジにつけれる普通の針タイプ(針の大きさは21~23G)のほうが血管に届きます。  
あとは、「普段どちらの腕でされますか?」と成功率をあげるために質問します。  
自身がやりやすさを向上させるために、対象の体位と自身の体位を整えることも大切です。  
対象がベッドに臥床している場合は、ベッド柵側によりすぎるととてもやり辛いですよね。また、自身が中腰だったり、対象の腕を見上げながらしないといけなかったりすると腰がやられそうですね。中腰では、足がプルプルして私ならできません。  
対象の狙っている血管を軽く見下ろせれる角度がベストです。  
ルートキープは基本的に正中で行いませんが、どうしても正中しか血管がない時についてです。とりあえず、正中に挿入して必要な点滴だけを施行するということもありです。しかし、正中の先端はどこにつながっているか予想し、予測した場所で挿入することも大切です。たとえ血管が見えなかったり怒張してなくても、どこかに血管はあります。(なかったら指先まで血流が流れてないことになります)  
経験上、何回かそのようなことがありました。その時は、まっすぐな血管が通ってそうなところを予測し針を挿入してました。案外成功したりします。  
そして、自身の精神状態にもよると思います。失敗を恐れるとやっぱり失敗する気がします。しかし、私の場合は失敗したら「この対象の腕と私の技術の相性は悪かったんだ。今日は運勢が悪いから仕方ない仕方ない。」と考え、他スタッフに託します。他スタッフもできなかったら「そーいう血管なんだ。次の仕事しよう。」と考えて次の仕事に切り替えます。  
難しいかもしれませんが、働くうえで採血、ルートキープだけに囚われてはいけないということです。  
新人時代は、ほとんど先輩に任せてました。期待されるよりも「あの子はできない子」と認識された方が精神的に楽に働けます(笑)  
正直、採血、ルートキープは経験回数と自身の技術と対象との相性もあるので、失敗したからってそこまで深く考える必要ないと思います。たまに、内出血を起こしてしまう時もありますが、対象への謝罪と正当なる処置(医師報告して必要処置)さえすれば問題ないので恐れる必要はないです。  
また、駆血帯を一度外して、腕の角度をかえて駆血帯をつけると案外血管が見たりもします。  
血管というのは個人差があり、その対象の年齢や基礎疾患ありなしにもかかわってきますし、(循環器疾患や糖尿病ある方などは比較的血管がボロボロな方が多いのでやり辛いです)血管の弾力性や腕の筋肉、皮下脂肪の太さによっても違います。  

いかがでしたか? 
当たり前の知識部分もありますが、「そうだったんだー」と参考になった知識もあれば幸いです。時間がない中、採血にで何回も失敗してしまったり、時間通りにいかないといけない点滴で何回もルートキープが失敗してしまったりしてしまうと、精神的にイライラし、闇雲に対象の腕に採血、ルートキープしてしまいそうですが、対象の負担を少しでも減らすことができるように、少しでも上記の記事を思い出していただき、実行していただけたらと思っております。  
そして、最も重要なこととして、対象に安全に施行することを忘れないでください。

まとめ

採血、ルートキープの結論として、
・温罨法、臥床、親指は中に握ってもらう
・ルートキープなら「グーパーグーパー」してもらい、血管怒張させる(採血ではK上がるため注意)
・上肢をしばらく下方向(心臓より下)に向けてうっ血させて血管怒張させる
・脱水傾向ある場合は水分補給をする
・血管が細い対象を採血する場合は翼状針+シリンジで行う
・「普段どちらの腕でされますか?」と成功率をあげるために質問してみる
・対象の体位と自身の体位を整える
・ルートキープで正中しかない場合、とりあえず正中にルートをとって点滴施行する
・正中の血管からまっすぐな血管を予測してから施行
・失敗しても落ち込むな!諦めて次の仕事へ!(採血だけに囚われない)
・内出血してしまったら、対象への謝罪と正当なる処置をすればok
・駆血帯を一度外して腕の角度を変えてみる
・血管には年齢や個人差で違ってくる
以上がまとめたものです。気ままに上達めざしましょう。

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