もう入浴介助で困らない!デイサービス施設における入浴介助のコツをご紹介します!

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#1085 2020/05/24UP
もう入浴介助で困らない!デイサービス施設における入浴介助のコツをご紹介します!
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介護の基本といっても過言ではない入浴介助。それだけに介護者自身も気を付けなければならない部分が多いもののひとつです。
私は今デイサービスで働いていますが、入浴介助は毎日あります。そこで、声かけ時のポイント、衣服の着脱時のポイント、浴室での介助のポイント、入浴後のポイント、と4つのポイントにまとめました。介護業界に興味がある方、今現場で介助に悩んでいる方たちのお役に立てば幸いです。

それでは、順にデイサービスでの入浴介助のコツを紹介していきたいと思います。
声かけ時のポイント、衣服の着脱時のポイント、浴室での介助のポイント、入浴後のポイント、と4つにまとめましたので、ご覧ください。

■声かけ時のポイント

大半の利用者様は積極的に入浴をしたがりません。理由は『身体を見られるのが恥ずかしい』や『入浴の準備などが億劫』といったものが多いです。特に、認知症があるとその傾向は強くなります。
そこで「〇〇さん、入浴の時間なので行きましょう」と声をかけてしまうと『これから入浴しなければならない』という嫌な感情が残ってしまい、断られることが多いです。レクリエーションや体操を中断して入浴に行く、というのを気にして入浴拒否される利用者様もいます。

なのでまずは「〇〇さん、こちらに一緒に来てくださいますか?」と声をかけてみましょう。そうすると、利用者様は何だろう?と思いついてきてくれます。そのまま脱衣所まで誘導し、脱衣所で「本日は入浴があるのですが」と伝えてみましょう。
脱衣所で声かけをすると、利用者様は、着替えも用意されている、お風呂の準備もしてある、入浴後につける薬も用意してある、という状態を知ります。そうすると、そこまでやってあるのなら、と、億劫さが無くなるので入浴しようという気持ちになりやすくなります。中には、職員が準備したことに感謝をしてくださる方もいます。
また、脱衣所では他の利用者様の目がありません。気兼ねなく過ごせるとわかり、入浴してくれる可能性が上がります。

もしそれでも入浴を拒否されてしまったら、ご家族のお話をしてみましょう。
「息子様に頼まれた」「奥様が着替えを用意してくれましたよ」など、ご家族の話題を振ると入浴拒否が減ります。
利用者様にはそれぞれ大切なご家族がいらっしゃいます。子どもからの頼み、奥様(旦那様)からの頼み、となると、引き受けてくださることが多いです。そのままお風呂でご家族のお話などもできて、喜んでくださる場合もあります。
あとは「皆さん順番に入浴されているので、〇〇さんもお願いします」なども良いです。利用者様は厳しい時代を生き抜いてこられた方たちです。そんな背景があるからか、とても協調性が強く、真面目な方が多いです。順番に、と言われると私もルールを守ろう、という気持ちになるのです。

■衣服の着脱時のポイント

基本的には『脱健着患』です。マヒがない、動かしづらくない方から衣服を脱ぐ。衣服を着る時は、その逆(マヒがある、動かしづらい方から服を着る)をします。
利用者様は『裸になる』ということに抵抗があるのも事実です。衣服を脱がす際は、ぜひひとつひとつ声かけをしてみてください。(トレーナー脱がせますね、ズボン下ろしますね、など)
何も言わずに衣服を脱がせようとすると、利用者様も驚いて感情的になってしまいます。また、利用者様がご自分でやろうとしている時は、あまり急かさず見守ってください。自分でやれることはやってもらう、のが介護の基本です。

利用者様は、体温調節機能が低下しているため、極端に寒いと感じる、極端に暑いと感じるという側面があります。裸になると、職員が体感している以上に寒さや暑さを感じています。脱衣所・浴室には、エアコンなど温度が調節できる機械があると思いますので、常に一定の温度を保つようにします。ヒートショックを防ぐために、寒暖差を無くしておくのも大切なポイントです。
衣服の着脱時は職員も『急がなければならない』という気になりやすく、会話をする余裕が無くなると思います。その気配が利用者様に伝わると入浴拒否に繋がりやすいです。慣れない内は難しいかもしれませんが、なるべく会話するように心がけておくと良いと思います。利用者様にとっても、ご家族以外の方と話が出来るのは新鮮な刺激です。『楽しませる』というよりは『じっくり関わる』という姿勢でいきましょう。

■浴室での介助のポイント

浴室はたいへん滑りやすいので、必ず転倒防止のマットを敷きます。(施設側で用意してくれてる所がほとんどです)
基本的にはその上を利用者様に歩いてもらいます。移動時は必ず何かに掴まりながら、ゆっくり進むのがポイントです。浴室でのヒートショックを防ぐために、脱衣所と同様に寒暖差を無くしておきます。
職員が介助する場合は、まずシャワーの温度を職員自身が触って確かめます。シャワーの出始めの温度は極端に冷たい、極端に熱い場合が多いため、利用者様には触らせないようにしましょう。職員が触って確かめる際、水が飛び散って利用者様にかかる可能性もあるため、気をつけておきます。触っても良い温度になったら、利用者様にも触ってもらいます。そこで、少しずつ利用者様の好みの温度に調整していきましょう。たとえ、温度の識別ができない利用者様でも必ず「暑くないですか?」と聞くことがポイントです。なぜなら『自分で決める』ということが脳の機能を低下させないことにも繋がるからです。

シャワーの温度が大丈夫になったら、身体の『心臓から遠い位置』からお湯をかけていきます。足先から徐々に上に、が良いと思います。心臓から近い位置にかけてしまうと、心拍が乱れて危険なためです。
髪の毛を洗う際は、耳の後ろもきちんと洗いましょう。頭頂や襟足はよく洗いますが、つい忘れてしまう部分のひとつです。匂いなどが耳の後ろの部分に溜まってしまうため、忘れず綺麗に洗いましょう。
身体を洗う際は、寒さ対策が必須です。もちろん寒暖差は無いようにするのですが、利用者様は裸なので寒さに敏感になっています。バスタオルなどを首の後ろから肩までかけて、そこにお湯を1分くらい当ててから身体を洗うと効果的です。首の後ろにはツボがあるため、お湯を当てると身体が温まりやすくなります。あとは、身体の上から下にかけて洗っていきましょう。
また、尿路感染(不潔な陰部の状態が続いて発熱してしまう病気のこと)を防ぐために、陰部洗浄も忘れてはならないポイントです。ただ、とてもデリケートな介助になるので、なるべく時間をかけないように洗います。利用者様がご自分で洗える方なら、おまかせしてもいいと思います。
浴槽に入る場合は、なるべく1分くらいで出ていただくようにしましょう。つい気持ち良くて利用者様も長く浸かってしまいますが、のぼせると転倒のおそれが出てきます。浴槽から出る際は必ず手すりに掴まっていただくようにします。もし立ち上がりが不安定な場合は、職員が介助します。利用者様の脇の下に両腕を入れて、上ではなく後ろに引っ張るようにすると、職員の身体的な負担を減らすことができます。腰痛を防ぐことにも繋がります。
なかなか出ようとされない利用者様には「のぼせてしまうのでそろそろ上がりませんか?」と声かけして良いと思います。

■入浴後のポイント

手早く身体を拭き、脱健着患で衣服を来てもらったら、髪の毛を乾かします。生乾きでは湯冷めの心配があるため、きちんと丁寧に乾かします。
入浴後は忘れず水分補給をしていただくようにします。スポーツドリンクが一番効果的です。冷たい温度より少し温めて提供した方が、急激な体温低下を防げます。
そして、入浴中のやりとりなどをぜひ連絡帳に書いてあげてください。利用者様のご家族も入浴はとても重視しているサービスです。家では絶対に入浴しないけど、デイサービスなら入浴するといった方もいらっしゃいます。利用者様とありのままにお話しした内容を書いてあげると、ご家族も安心しますよ。『入浴は楽しいもの』だと利用者様が思ってくだされば、利用者様にとっても、利用者様のご家族にとっても、喜びのポイントになります。ぜひ、細やかに書いてあげてくださいね。

まとめ

いかがでしたか?
入浴介助にはいくつも気を付けなければならないポイントがあります。基本的なことが多いですが、それだけに決して忘れてはならない部分です。焦らず、でもできるだけ手早く介助できるようにしていきましょう。
入浴時は、利用者様と信頼関係を結びやすい状況でもあります。最初は緻密に介助ができなくても、利用者様は必ず見ていてくれます。利用者様にとってもあなたの介助が『刺激』であり『癒し』なので、あまり気負わず着々と取り組んでいきましょう!

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