自己抜去など危険行動のある患者さんへの対応のコツ

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#1074 2020/05/13UP
自己抜去など危険行動のある患者さんへの対応のコツ
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みなさんも看護をしている中で大変なのは、危険行動のある患者さんへの対応があがると思います。
看護師は何人も受け持ちがいるので、一人一人をずっとみているというわけにはいきません。
そこで今回は自己抜去など危険行動がある患者さんへの対応のコツを書いていきたいと思います。

・危険行動のある患者さんの受け持ち時の正直な気持ち

私の働いている病棟では、毎日の勤務帯のリーダーがスタッフの受け持ち患者を決めていきます。
なので、病棟に行くまでは、今日はどこの患者さんの受け持ちかわかりません。
勤務帯が始まるときに受け持ちを確認しますが、危険行動がある方が受け持ち患者に入っていると「うわー。大丈夫かなー。」と正直に思ってしまいます。
これは私だけではないと思います。みなさんも危険行動がある患者さんの受け持ち看護師になると、インシデント、アクシデントを覚悟する方も少なくないのではないでしょうか。
それでも私の勤務している病棟はまだマシだと思っています。なぜなら、集中治療室であり、病床は基本的にオープンのスタイルになっているため、患者の見守りがしやすい状況になっています。
それでも感染症の影響などで、個室管理をしないといけない患者さんもいます。その患者さんに危険行動がある場合はかなり厄介に思えます。
そのため、勤務中ずっと患者さんから目が話すことができないような状況も多々あり、その勤務が終わった後はいつも以上に疲れを感じています。
また、昼はなんともなかった患者さんが、夜になると夜間せん妄になり、急におかしくなってしまうときもあります。
このように患者さんはその都度状況が変化してしまいます。その中でどのように患者さんの安全を守って行こうか考えて行くのは本当に大変です。

・私のやっていること

私は日勤、夜勤関係なく、基本的にルートが挿入されている高齢の患者さんは、ルートをみられないようにします。
もちろんそれはみなさんも日頃からやっていることだと思いますが、刺入部を気にされないように徹底的にやることが必要だと思います。
私の場合は、包帯、さらにはタオルなども使用して刺入部を患者さんから見えないようにしています。
集中治療室では動脈圧ラインの挿入が基本になっています。動脈圧ラインは基本的に橈骨に挿入されていることが多く、患者さんにとってはとても気になるラインだと思っています。
そして動脈圧ラインはその名前の通り、動脈に挿入されています。
挿入も抜去も看護師が行うことはできません。そのため、いつも自己抜去や自然に抜けてしまわぬように死守しています。
患者さんに抜去されてしまったら、そのまま出血多量になってしまう可能性がある危険なルートを守ることが本当に大切です。

・身体抑制はどうなのか

看護師の皆さんだとよく身体抑制について考える機会があるかと思います。それは看護学生にも授業などで考えるような機会があったかもしれませんね。
身体抑制は基本的に悪という考えが世の中には流れているような気がします。
身体抑制は患者さんの自由を奪うため、せん妄が悪化したり患者さんの自尊心を低下させたりなど、悪影響は少なからずあると思います。
しかし、私たちは医療者です。もう一度自分の考えをしっかりと持つことが大切だと思います。
身体抑制をためらって、患者さんの命が危なくなってしまうようなインシデント、アクシデントが起こってしまったら、どうしますか?
責任を取ることができますか?
看護師として私は自分自身を守ることも必要なことだと思っています。
もちろん不必要な身体抑制は絶対にしてはいけません。それは看護倫理にも反することだと思います。
自分の看護観を持っている人は身体抑制の実施をする前に必ず考えることはあると思います。
私も経年数が若い頃は、患者さんにルートを抜かれたくない、転落をして欲しくないなど看護師目線で物事を考えていました。
正直看護師として働き始めた方は最初、どの方もそのように感じてしまうと思います。
そこからいかに患者さん目線で物事を考えることができるかが危険行動のある患者さんへの対応の一つのコツになってくると思います。
医療を受けているのは患者さんで、それの手助けとして私たち看護師がいると思っています。いつも患者さんを主観に物事を考えていくことが大事だと思います。

・患者さんの生体リズムを整える

患者さんは入院すると、日常生活とは違う、日日常生活を体験することになります。
いつもやっていたことができない、環境が違うといったことから、不眠になる、身体のリズムが逆転してしまうなどといったサーカディアンリズムの変化が起こってしまう可能性が高い状況になりやすいです。
私はよく患者さんを日中は覚醒、夜間は睡眠といったようにしっかりと考えています。
患者さんで日中にリハビリもしないで寝てしまっている患者さんをよく見かけます。
その時は自分から話しかけてリハビリに誘ったり、一緒に話す時間を設けています。
正直話す時間といっても1時間などの長い時間を取ることは正直できません。しかし、患者さんと信頼関係を築いていくことで「起きて!!」などと言ってその後5分程度話すだけでもそのあと起きてくれている人は結構います。
このように身体リズムを整えることで夜間せん妄などの出現を予防することができ、危険行動をさせないような一つのコツになると思っています。

・患者さんの体をよりスマートに

患者さんの体をスマートにすると言っても、ダイエットをさせると言ったことではありません。
時に患者さんには不必要なルート、シールなどがつけられていることがあります。
看護師の中でも経年数が浅い方などはそういったとこに気付きにくく、不必要なものが患者さんの体に挿入、装着されていることが多々あります。
でもそれは私も経年数が若い頃には気づくことができずに、先輩看護師に指導していただいたものです。そこで若い看護師を責めてもいけません。後で指導すれば大丈夫です。
私の言う患者さんの体をスマートにすると言うことは、患者さんの体から不必要なものは極力全て除去することです。
患者さんの体だけではありません。整理整頓した病室を作り上げるのも看護師の役割だと思っています。
例えば極端な話、夜はルートをロックしているが、朝にはまた使用し始める場合で危険行動がある患者さんはどのようにスマートにしていきますか?
私はルートを抜いてしまうと思います。その方が患者さんに絶対に抜かれないですからね。
正直、抜いてしまえば、また朝に挿入し直せばいいだけの話だと思っています。
「また静脈ルートを挿入する際に痛みの苦痛を与えてしまうのではないか」と思う看護師もいると思います。
それはごもっともな意見だと思います。それは看護師それぞれの判断に任せるしかないかと思います。
一人一人看護師でも意見は違うものです。自分の技術や患者さんの血管の状況など総合的に判断する力が必要だと思います。
そして自分一人で決めることができないのであれば、先輩看護師に相談するのもありだと思います。
コツではないですが、私は今でもわからないことや迷うことがあれば、迷わず先輩看護師に相談しています。
自分一人の意見で物事を考えるよりも、ほかの視点からの考えがあった方が総合的に患者さんの危険行動を防ぐ方法を見つけることができると思います。

・自分の視線を患者さんの届ける

危険行動を防ぐには看護師の目線をより頻回に患者さんに届けることが1番の効果があると思います。
そのため訪室回数を増やしたり、頻回に意識レベルを確認することが大切です。
「この患者さんは夜に危なそうだな」など話していれば、だいたい看護師はわかってきます。
自分の直感も立派なアセスメントの根拠になるので、自信を持って行動していくことが大切です。

まとめ

ここまで危険行動のある患者さん対応のコツについて書いてきました。
臨床で経験していることの一つ一つをしっかりとエビデンスを持って行動していくことが大事だと思います。
それでもわからない時は、迷わず周りに相談しましょう。
それで怒ってくる人はいないと思います。
少しでも患者さんの安全を守れるように、この記事を参考にしてくれたら幸いです。

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